この作品はいかがでしたか?
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事件は唐突に。とはよく言ったものだ。
rbr「あれ、そういやシャオロン何処行った?」
ut「あ、たしかに。シャオちゃーん、出ておいでー。」
そんなんで出てくるか…?
心の中で軽いツッコミを入れる。
討伐も完了し何気ない雑談に花を咲かせていた
何気ないよくある日常の一コマだった。
kn「あー、まぁ部屋にでもいるんとちゃうん?」
rbr「じゃあ俺見てくるわ。」
ut「よし、頼んだロボロ。」
にしても大きくなったよなぁ、このギルドというか屋敷…。
名を響かせるにつれて比例のように大きくなった建物に
シャオロンの部屋へと足を運びながら感じる。
もう何年経ったんやっけ…分からんな。
どうでもいい事とぽかぽか天気に包まれながら、
少々古びたような、それでいて現役の木製の床をカツカツと鳴らす。
シャオロン、と書かれたプレートが掛かった扉の前で、
一応ノックをしておく。
あれや、親しき仲にも礼儀あり。
rbr「あれ、シャオロンおらへんのか…?」
失礼しまーす、と声をかけていて扉を開ける。も、
中には自然光だけが差し込み、人っ子一人の気配さえも感じさせない。
rbr「あ、ちゃんと置いとる…。」
以前買った不気味な人形が、棚の上に確かに置いてあった。
これ怖くて部屋に居らへんとかないよな、流石に。
シャオロンの椅子を拝借して棚の上の人形を取る。
理由とかは等にない…と言いたいところだが、
所謂ミステリーゲームのキーアイテムのような感覚。
特になんの変哲もない___強いて言うなら不気味一択___の人形を片手に、
ロボロのシャオロン探しの旅は、永遠へと続く〜。
と思ってたら見つかりました。
武器庫の扉が少しだが開いていたため、
これ、絶対後で兄さんとかに叱られるやつやん。
とか思いながら近づいたわけです。
泥棒か、魔物か、身内のお猪口ちょいか…。
様子見のため隙間からこっそり中を伺えば、
見えたのは明るい髪色。
あ、ええこと思いついた。見えた途端に降ってきた案に薄く笑う。
音を立てないように気配を殺しながら武器庫に入る。
真四角の小さいとも大きいとも言えない部屋にぎっしりと詰められた武器は
壁や棚や箱の中に綺麗に整頓されている。
その中でもシャオロンがいるのは四角形の端っこ。
棚と棚の間にできてしまった隙間に、頭を抱えていた数名を思い出す。
人形をシャオロンが振り返れば見れるあたりに座らせ、
軽く物音を立たせてやる。
sho「…ん?なんのおt……ぎゃあああああああ!?!!?」
見る見るうちに青く染まっていく顔に、
込み上げる笑いを必死に押し込む。
sho「待って待って、なんでおんの!??あかんってコレおかしいって!!!」
rbr「…んふっ、ふふ……。」
sho「マジで!!……は?え?ロボロ??」
rbr「シャオロン、お前…wこの人形かわええんやろ?ww」
sho「おーまーえーさー…ほんまないわ!ありえん!!」
rbr「あー、笑いすぎてお腹痛い。」
痛む腹を抑えながら、同じように隙間に座る。
流石に二人もいれば狭い。
sho「もう、ほんまさぁ…」
体育座りで顔を埋めてしまったシャオロン。
やり過ぎたとか思ってません。
rbr「そういや知っとる?シャオロン。
この人形セルロイド製やから燃やせんねんて。」
sho「…もう燃やすわこんなん!ほんまに曰く付きやん!!
ほら、ロボロ。燃やしにいくで!」
rbr「はいはい。」
早く早くと言うシャオロンに対してゆっくり立ち上がって歩く。
武器庫といえど窓はあり、あの日のような夕焼けが差し込む。
知っとるか?太陽ってあと約50億年ぐらいは輝き続けるねんで?
変わらない暖色に、照らされた顔はもう青くない。
目元は、赤やけど。
rbr「人形って燃やした方が恨みとかつきそうやけどな。」
sho「おいやめろや、燃やせへんくなる。」
終
ーーー
長い。
コメント
1件
まって、これめっちゃすきww