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「アイツは、おまえが俺に抱かれてると思ってる。つまり同じネコだと思って、今回ケンカをふっかけてきたということさ」


橋本のセリフに耳を傾けながら、店でのやり取りを思い出す。言葉巧みに責められっぱなしな上に、自分との見た目の比較など、落ち込む要因しかなかった。それだけに、宮本は目から鱗が落ちた。


「なるほど……」

「今度店に顔を出したとき、胸を張って言ってやれ。『陽さんを抱いてます』ってな。腰抜かすかもしれねぇぞ!」

「ついでに、陽さんの腰を抜かしてあげたいんですけど」


とても小さな声でのおねだりだったが、密閉空間ゆえに、橋本の耳にしっかりと聞こえてしまった。


「何を言ってやがる……」

「見てわかるでしょ。俺の――」


言いながら自身の下半身に指を差す宮本の姿に、橋本はギョッとして顎を引いた。


「今夜は陽さんがやめろって言っても、めちゃくちゃにしちゃうかもしれません」

「俺、明日も仕事なんだぞ。ちょっとくらいは手加減してくれ」


濡れた髪をかき上げて立ち上がり、そっぽを向く。頬だけじゃなく耳まで赤くなっている様子に、宮本の笑みが隠しきれなくなった。声を立てて笑うと、浴室に反響しまくる。


「雅輝……」

「やっぱり陽さんには敵わないな。沈んでいた俺の心を、一瞬で持ち上げるんだから」


宮本は勢い良く立ち上がって、橋本に抱きついた。強く抱きしめたはずじゃなかったのに、喘ぎ声に似た声が口から漏れ聞こえる。


「まずは陽さんが感じやすい、バックからしたいんだけど」


耳元で甘やかに囁かれた言葉に、橋本は黙ったまま頷いた。

峠のコーナーを容赦なく攻めるような無茶ぶりはしなかったものの、熱の入った宮本の行為に、橋本はなすすべがなかったのだった。

不器用なふたり この想いをトップスピードにのせて

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