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「いいかげんですね!」良仔(よしこ)は、この言葉が大嫌いだった。思えば、子供の頃から、母親に言われ、幼稚園の先生に言われ、小、中、高、そして大学。就職後は上司に言われた。しかし、世間では完璧さは嫌われ、「まあまあ」「どうもどうも」という挨拶は、時代が変わろうとも大人の常套挨拶で有る。
「良仔ちゃん、出来た?」皿洗いを母親に言われた。「まあまあ、あとチョット」「いいかげんね!キチンと、早く洗わなきゃ水がもったいない。だいたいあなたは一時が万事その調子なのよ!」
「いいかげん」とは、「良い加減」の事で有る。何故にこの言葉が悪いのか?逆に「出来ました。」そんな事を言おうものなら重箱の隅をつくように、アラ探しをする。
口の悪い叔父がおり、「ツラ見て物をいやあ良いんだ。テメエのツラは完璧か?」日本人にとっては、ダビデ像のような容姿を完璧としている人がいる。叔父の様に言えたらと良仔はいつも思った。