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ムメイ
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耀聖(ようせい)
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私は中庭に連れてこられた。
とてもキレイな花々が咲き誇っている。
「本当にいいのか? カナ」
何? そんなに何度も確認しなくてもいいのに。どうせ聖女にならないとお話しが進まないでしょ。この人たちは私を聖女にして、滅びの予言から護って欲しいんでしょ? まるで、映画みたい。
そう、映画やドラマのストーリーなんかは、問題解決さえすればハッピーエンドになるはず。きっとこの物語だって同じよね。ハッピーエンドにすれば、空から帰る道が現れたりするのよ。
「はい、大丈夫です。聖女になってみせます」
うやうやしく、私はカトルに頭をさげる。
カトルは、真っ直ぐに私を見つめてから、こっちだと手を引いていってくれた。
大きな噴水がある。噴水に近づいて、カトル王子が何かを確認しながら、噴水近くの壁のとある場所で止まった。
そしてたぶん鍵? みたいなのを差し込んでいた。
カチャリ。ギギッ。
扉が開いた。
「ここは?」
「光の精霊との契約の場だ。聖女はここで契約して、指輪を賜るんだ。地下に降りるから気をつけて」
スッと手を出してくれたので、私はその手をとり、階段を下っていった。
電灯もないのに、小さな光が暗闇をチカチカ照らして、不思議な場所だった。
階段が終わり、少し大きな扉があった。
カトルがまた先ほど使っていた鍵を取り出して、扉に差し込んだ。
ギギィー。
扉を開くと、小さな光がたくさん浮かぶキレイな花畑の部屋にでた。
床には、この世界にきたときに見たような模様が浮かんでみえた。
「きたよ、きたよ! 契約の子」
あの笑い声と同じ声が聞こえてきた。
「なるほど、この子か。でも本当?」
なんなのこの声……。
恐怖からカトルの手をぎゅっと握ってしまう。
「あの、さっきから喋っているこの声はどこから?」
カトルがこちらを見てぎゅっと、手を握り返してくれた。
「大丈夫だ、カナ。その声は光の精霊だよ。聖女は精霊の声を聞くことが出来るんだ」
「精霊の声……」
「声が聞こえるということは、カナは聖女で間違いない。こっちだ。この魔法陣の中央に行ってくれるかい」
カトルが手をはなす。
「ここからは私は入れない。ここで……、見ているから」
「……はい」
一人で、一歩二歩と踏み出す。
光の模様の上を歩いて、中央まで行くとまた別の声が聞こえた。
「よくきたな、契約の乙女」
低い男の人の声が響く。
「我が名はライト。お主の名は?」
「カナよ!」
「そうか、カナよ。お主には古の契約を結ぶ覚悟はあるのか?」
聖女になるってことでしょ? 何度も確認ばっかり。嫌になりながら私は答える。
「えぇ、あるわ!」
「……、そうかならばその石碑に左手をのせてくれ」
ポォっと淡い光が石碑に灯る。
何か書いているけれど、読めない。
手をそっと置くと、光が強くなった。
「我が名と、お主の決意を口にするがよい」
「……ライト、私は聖女になる!」
急に目の前が眩しい光に包まれた。真っ白な光はだんだん小さくなって左手の薬指に集束する。
「指輪……?」
私の薬指にぴったりと小さな指輪がはまっていた。さっき見た淡い光と同じ光をたたえた小さな石が一粒ついていた。
「それは契約の証だ」
ライトが続ける。
「時がくれば、魔法の使い方を教えてやる」
時がくれば?
待ってなんていられないわよ!
「今すぐ教えて!」
…………。返事が途切れた。声だけしか聞こえないから、表情なんて読めないし、ライトがここにいるのかどうかもわからない。
数十秒の間のあと、ライトの声が聞こえた。
「じゃあ、僕達の名前を呼んで、何かしてほしいことを願うといい。光の魔法は守護と癒しに特化しているから、カナならすぐに使えると思うよ」
そういったあと、ライトの声は聞こえなくなった。なんだか急にしゃべり方が変わった気がしたけど、なんだったんだろう。それに僕達って? ライトのことよね?
心配そうな顔をしている、カトルのところに戻り、指輪を見せ先ほどのことを報告する。
聖女の契約を終えたのに彼は喜ばず、辛そうな顔をしていた。
それが何故なのか私には、わからなかった。
コメント
1件
第6話読み終えたわ! 契約のシーン、すごく神聖な雰囲気で良かった。石碑に手を置いて指輪が出てくるところは「おおっ」てなったね。でもカトル王子が辛そうな顔してたのがすごく気になる…。何かカナが知らない事情がありそうで、続きが待ち遠しい🔥 ライトの話し方が途中で変わったのも引っかかるわ。