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rdgt
ケーキバース、交際同棲前提
(rdは名前だけ)
nrkrの独炉留で書いたものを載せています。少し特殊な書き方ですがご了承ください。
短い、展開が早い、拙い文、全てgt視点、グロ描写があります。ご注意ください。
ご本人様とは何も関係がありません。名前をお借りしているだけです。
らっだぁ〜?
( さっきから何度も彼の名前を呼んでは、探していた。今は深夜2時ほど。各々用事を終わらせ、勝手に風呂に入った後。風呂から出たから次入ってもらおうと思ったのに、なんて辺りを見渡すが居なくて、反応もしない。もしや、なんてだらけている姿を想像しては、寝室へと足を運んだ。
アイツのことならば、眠いからって風呂に入らないまま寝たのではないか。多分、否確実にそうだろう。
絶対的な自信を持ちながら、寝室の前に立ち、ゆっくりとドアノブを回す。少し甘い匂いがした気がした。
…?らっだ、
( そこにはらっだぁが居なかった。代わりと言うように、疲れた俺へのご褒美と言うように、仄かにいい匂いが漂うケーキがあった。大きい、沢山かぶりつけそうなケーキ。
あぁ、らっだぁが用意してくれたのかな。俺が最近忙しいことを知っていて、労わってくれたのか。そう憶測をしては心がじんわりと暖かくなるのを感じた。その気持ちを無下にする訳にはいかないし、行儀が悪いだろうが、ご褒美だし、ベッドの上で食ってやろう!
久しぶりに食べるであろう甘味に心躍らせながらベッドの上へと乗り出した。
いただきまーす、♪
( やわらかいスポンジを裂くと、ストロベリーソースの様な液体がだらりと垂れた。
あぁ、美味そう。
唾液が止まらなくて、床に落ちる。脳を惑わすような、掻き回すような匂いがする。さっき小さく感じた、甘い匂い。それの何倍も甘ったるいような、美味しそうな匂い。食事を美味しく楽しむのに嗅覚も必要とは誰が言ったか。その意味を深く理解した。大きく息を吸って、吐く。それだけで脳が満たされる感じがして。お腹が鳴る感覚がする。
誰にも何も言われていないのに『まて』をされているような気がして。でも耐えられなくて。息が荒くなって。
齧り付く。
瞬間、頭を鈍器で殴られたような快感。噛む度に感じる口内を蝕むくどい甘味、それすら美味しく感じて。快楽に感じて。ドーパミンが溢れる感覚がする。美味しい。美味しい!美味しい!!ストロベリーソースの他に黄色い、パインゼリーのようなものが出てきた。予想に反して甘かったがそれすらも美味しい。
汚い咀嚼音が耳に入る。零れるストロベリーソースをすする音。ぐちりと、ぐちゃりとまだ口の中に残っているのに、もっと、もっと、と次々と噛んでいく音。それすらも至福で。生まれてよかったと心から思う。
少し食べ進めると、硬いものが中からでてきた。細長い、甘い、メレンゲドールのようなもの。がじがじと噛んでは、骨を好む犬のようだ、なんてプロを名乗っていたサバイバルゲームを連想した。
食べてから何時間経ったか、今は最初のがっつきようと違い、ちゃんと味わっていた。小さくちぎっては口の中に放り込み、ゆっくりと咀嚼して、嚥下。甘みが満遍なく口に拡がって。
美味しい、なんて幸せを享受して、楽しんで。らっだぁにも食べさせてやりたいな。こんなにも美味いのに。なんて考えていたら、後ろから爆音で嫌な音が流れた。スマホのアラーム音。耳にタコが出来るほど聞いて、憂鬱になる音。気づいたら外は明るくて、カーテン越しに陽の光が降り注ぐ。
そこではっとした。
おれ、いま、なにたべてる。
スポンジだと思っていたのは。ストロベリーソースだと思っていたのは。パインゼリーだと思っていたのは。ケーキだと思っていたのは。
ッ゛…ぁッ……
( 頭の中でらっだぁの楽しそうな顔がチラついては、今の惨状を見て。認識して。…あぁ、俺は何をした。何を食べていた。ケーキは。らっだぁは。
ごぷりと胃の中にあるものが。らっだぁが逆流してきて。口を抑えたものの溢れ出して。指の隙間をこじ開けた。喉が痛くて。胃酸もあるはずなのに、鼻を突く酸っぱい匂いはなく、香るのは甘ったるい匂い。
呼吸が荒くなって、視界が歪んで。「ら、っだ、ぁ、」なんて嗚咽混じりに名前を呼ぶ。も、彼は反応しなくて。
俺はなんてことをしたんだ。疲れていた、違う、疲れていたってこんなこと。戻りたい。食べる前まで。風呂に入る前まで。
後悔している。しているはず。実際している。なのに、なのに、なのに。
まだ食べたい。
まだ口に残っている甘ったるい味。あの甘さを感じたい。あの美味しさを、あの幸せを。
ダメ。ダメだ。これはアイツの、アイツの身体。血肉。ケーキはアイツ。アイツを、食べてたのに。
ごめ、ごめん。っ、ごめん。
( ぐちり。音が鳴る。また口に甘ったるい味がする。美味しくて、幸せで、どーぱみんが。
もうもどれない。