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電車。揺れる。
太宰はもう、眠ってるか。
こいつ、寝顔だけは一丁前にきれい、オーロラ姫みたい。
このまま一生、眠ってればいいのに。
そんな考えをやめ、アタシは太宰の頭を撫でようとした。けど、やめた。
だって、なんか、、、なんでもないや。
そうくだらないことを考えてると海が見えてきた。
きらきらと、アタシ達のような汚らしい存在をまるで浄化してくれるような、そんな、きれいな海。
ここで降りよう、そう決めた。
太宰を起こす、太宰の目はまだうっとりとしていて、今にも溶けてしまいそうだ。
アタシは強引に太宰の手を引っ張り、ドアが閉じるギリギリになんとか降りることが出来た。
やっぱり、夏は暑い。電車の中は多少クーラァがあったから涼しかったけど、今日は大暑だな。
ここがどこかはわからない、多分、アタシ達を知る人は一人もいない。うふふ、そう考えると、ちょっといいかもね。