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「あ、ちょっとまってて」
先生が寝室を出ていって1人取り残される。
乱れているだろう髪を、今更だけど拳で抑えたり整えたりする。
戻ってきた先生が、ベッドの端に座って、小さな袋を私に差し出した。
『なんですか…?』
「まぁ、いいから開けてみ?」
そう言われて開けると
中 に入ってたのはピアスだった。
「せっかく穴空いてんのに似合わないから付けないとか言ってたから。」
『…』
「似合いそうなの見つけたからあげる。」
それは、小さなガラスボールの中に小さなビーズがたくさん入っている、白いピアス。
「何かさ、恋人になった時に見た夜景に似てない?」
『あ…』
ピアスを耳の横に持ってきて揺らすと中のビーズが小さく揺れて
先生が言ってた通り、夜景が詰まってるみたい
『ありがと…』
「どー致しまして。」
耳につけてみる。
「やっぱ似合うよ。」
満足そうに笑う彼が、私の耳に触れた。
「めくるめく恋の炎に身を焦がす」
歌うように耳に流れ込む声。
耳に触れていた手が唇に触れる。
「一般的な解釈としたら自分の心に独特な不安と期待の混じった心の病なんだって。」
『…』
「恋の病だもんな。俺らの場合は」
「女の子はいつだって乙女で。」
「だからさお前の命が尽きるまで」
「オレに恋してて」
近すぎて、見えない彼の顔が
「オレだけを見て生きてってほしい」
濡れたような、声をくれる。
『翔太…』
「オレは、一生お前を可愛がってやるから」
『…』
「覚悟してろよ」
『…ふふっ、覚悟なんてとっくにしてます』
彼が、笑う。
私も、笑う。笑い泣き。
「〇〇」
『はい』
「お前と居ると、全部眩しくなんの。」
『眩しい?』
「世界がすっごい無限色。色で溢れてる」
本当に眩しそうに目を細める彼。
「オレの恋に、やっと色が着いた。」
そういって、
照れ臭そうに私から視線を逸らした。
・
先生。
私は、
この命が尽きるまで何回だって戦います。
「好き」って「参った」って言わせます。
人生賭けて、貴方と恋します。
見てて。
私に恋を教えてくれた…王子様。
──────恋の戦。──────end…
コメント
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うわなんか虚無感半端ない 物語最高だけど 毎日のモチベが消えちゃった .. 本当最高でした 🙀🎶
あぁ、終わっちゃった……😭 ホント、最高だったー!!
実はテラーやめてからも、みなの物語みてたよんっ! 最後までほんと、いい物語 🤦🏻♀️💕