コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
◇◇◇◇◇
ザークさんの舐め回すような視線に、ビクビクしながらも、襲われることも想定して、全鑑定してみた。
気さくな感じがするんやけど、ガタイはガチマッチョやし、威圧感がハンパない。
それより、とにかく顔が怖いんですけど。
〈ステータス〉
ザーク・エンジェル 45歳 レベル44
称号 子爵(ウサール王国エンジェル領)
ジョブ 剣豪
HP 828⁄828 MP 172⁄172 BP 720
〈スキル〉
剣術(火)レベル6
身体強化(火)レベル2
あかん!この人強い。終わった。
しかも、子爵様やった。
逆らったら、不敬罪とかで捕まるやつや。
あかん!ほんまにあかんやつや!
詰んだ。掘られる。まくられる。
あー、心の汗が出てきた。
まだ、異世界に来て、初日なんですけどー!
スキルに交渉術とか、お願いしておけば良かった〜!
そうや!いざとなったら、カグヤ様に交渉してもらおうって、鳥がしゃべったら、余計にややこしくなるやん!
また、妄想で頭グルグルしてきた。あか〜ん!
「俺はザークだ!ここで親衛隊長をやっている。よろしく!少年、名前は?」
「は、はい、マサユメと申します!
みんなからは、ユメと呼ばれています!
15歳です!
好きな食べ物は、バナナです!」
は!この状況でバナナはまずい!
やってもうた〜!
墓穴掘った〜!穴掘った〜!
完全にテンパってる。落ち着け!
「バナナが好きか?そりゃいいな!
とにかく、そうか!マサユメでユメか?
顔もいいし、体も鍛えてるな!
15歳ってのが、引っかかるが、たぶん、問題ない。いろいろ事情があるからな。」
ひえーーーー!確定じゃないですか〜!
「それじゃ、一緒に来てくれ!少女たちも!
詳しい話は着いてからするからな。
ここじゃ、いろいろ問題があるからな。」
「は、はい。」
「うん。」
「はい。」
あか〜ん!異世界って厳しいな。
でも、よく考えたら、なかまもいるし、元の世界に比べたら、どうってことないのかもな。
ってこのあと、彼女たちがどうなるかの方が心配やな。そこだけは、絶対に交渉しないと。
幸い、彼女たちには、あまり、興味はなさそうやし、それが救いやな。
御一行は、無言のまま、街の中心方面に向かって歩いている。
「着いたぞ!一緒に来い!」
「へー、お城なんだよ!」
「ここですか?ワクワクしますね。」
あ、そうなのね。なんか楽しそうやね。自分だけ?へこむわー。
ザークさんに続いて、僕達もお城の中に入ってゆく。何処も顔パスで、声は掛けることはあっても、止める人はいない。
そして、ひときわ豪華な部屋の前に着く。
「親父〜!入るぞ!」
「おー、入れ!」
「お前たちも入れ!」
「はい!失礼します!」
広い部屋の中には、ザークさんのお父さんと思われる人しかいない。
「よく来た!まあ座れ!」
「親父、たぶん、こいつで間違いないぞ!」
「そうか、ふんふん。なるほど、面白い。」
わー、この人も、舐め回すように見てくる〜。
ほんまに怖いからやめて〜。
「俺は、キース・エンジェル。
ここで領主をしてるもんだ。
でも、気を使う必要はないぞ。
ここは、一応、人払いをしている。
込み入った話をする必要があってな。
ザークと俺だけだ。」
はい、領主様でした。
「これから、いろいろ聞きたいことがある。
お前のためでもあるから、言いにくいこともあると思うが、正直に話せよ。
わかったな!」
「はい。」
もう、怖いー。何が何だか訳がわからん。
一つもわからん!あほー!
はい、今から職質が始まりそうです。
◇◇◇◇◇