テラーノベル
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『っ…!まさか…誰か他にいる…?!』
ボロボロの紙に書かれたメッセージを読み、
そう考えるしかなくなった。
ここから逃げろ。…何故?
『…進むしかないんだ。知らないといけない。…何があったか、全て。』
紙を折りたたみ、ポケットにしまう。
覚悟を決め、光が復活したボードにグラブパックを伸ばす。
数秒後、重々しい音を立てて扉が開く。
『…え、?』
通路の奥。
明らかにおかしい。
ぬいぐるみのような、青い腕。
『…ハギー、だよな…あれ…』
恐る恐る近づこうとしたが、
すぐに引っ込んでしまう。
消えていった通路まで走るが、そこに彼の姿はなかった。
『暗い…』
なんとか通路を進む。
途中でパイプが切れて驚いた。
『…ここは…輸送用の…』
たどり着いたのはおもちゃを工場から輸送するためのベルトコンベア通路。
上にクレーンで釣られた赤いグラブパックハンドがある。
『…次に進むにはあれが必要だ…クレーンを動かせるようにすればいいのかな…?』
クレーンを操作するボードを探す。
どうやら一段上にあるようだ。
階段を上がり、操作法を確認する。
『ここら辺は来る事なかったからなぁ…あ、電源が足りてないのかな…?』
電池のようなものをはめられそうな場所が四つあった。
おそらく棚にあるだろう。
また下に戻り、それらしいものを探す。
ーーー
『ふぅ…なんとか見つかった…』
少し時間がかかってしまったが、どうにか電池を見つけた。
階段を上がり操作ボードに差し込む。
ピッタリとハマり、レバーが光る。
『よ…っ』
レバーを操作し、赤いグラブパックを落とした。
ガラスのケースが割れて、転がり出る赤い手。
すぐに階段を降り、グラブパックに装着する。
『これで完璧…!』
ベルトコンベアを塞ぐ扉を開くこともできるようになった。
グラブパックを伸ばし、赤と青のタッチボードに触れる。
ゲージが溜まり、軋んだ音を立てて扉が開いた。
『…やっぱり暗いなぁ…行くしか無いけど…』
両端が光っているとはいえ、やはり暗い通路が見える。
恐る恐るベルトコンベアに乗ると、ゆっくりと進んでいった。
『うわっ⁈』
近くの壁が開き、おもちゃのパーツが流れ出てくる。
暗がりで腕に当たると、脅威が無いとはいえ流石に怖い。
『…びっくりした…』
…このベルトコンベアは、どこに繋がっているのか…
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