テラーノベル
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うわあ、面白かったです……! 王馬くんの視点で綴られる最原ちゃんとの軽妙な掛け合いが心地よくて、ついニヤニヤしながら読んじゃいました。「嘘つき探偵」って設定の裏側に、既に何か秘密がありそうな予感もして。しかも最後の「手遅れ」って言葉、じわじわ効いてきますね……まだ気づいてないけどもう好きになりかけてる、ってやつですかね? 続きが気になりすぎます!
最原終一は、変なやつだ。
探偵のくせにたまに嘘をつくし、オレの言うことはちっとも信じないし、ちょっとからかうだけですぐに困った顔をする。
なのに、たまにこっちが予想もしなかったことを言う。
だから、面白い。
「ねえねえ、最原ちゃん!」
「……何?」
昼休み。教室の隅で本を読んでいた最原ちゃんの机に、頬杖をついて顔を近づける。
「オレ、実は昨日、宇宙人に誘拐されちゃったんだよね!」
「……そうなんだ」
「えっ、反応薄くない!? もっと驚いてよ!」
「どうせ嘘でしょ」
「最原ちゃんってば、オレのこと全然信じてくれないんだね…うわああああああんっ!酷いよぉぉぉぉぉぉぉっ!」
「王馬くんの今までの発言を考えたら、信じるほうが難しいと思うけど……」
最原ちゃんは本から顔を上げ、呆れたようにため息をついた。
その顔がおかしくて、思わず笑ってしまう。
こうやってからかうと、最原ちゃんはいつもオレの予想とは違う反応をする。
怒ったり、困ったり、呆れたり。
次はどんな顔をするんだろう。
そう考えると、ついちょっかいを出したくなるのだ。
「ねえ、最原ちゃん」
「今度は何?」
「最原ちゃんってさ、自分が嘘ついてるときも、そんな顔するの?」
最原ちゃんの手が、ぴたりと止まった。
ほんの一瞬。
本当に、ほんの一瞬だけ。
「……何の話?」
ほらね。
やっぱり、面白い。
オレはにっこり笑って、最原ちゃんの机から離れた。
「にしし、なーんでもないよ!」
だって、探偵のくせに嘘をつくなんて。
こんなに面白いこと、放っておけるわけないじゃん。
――このときのオレは、まだ知らなかった。
毎日飽きずに最原ちゃんをからかっているうちに、いつの間にか、からかう理由なんてどうでもよくなってしまうことを。
ふとした瞬間に、最原ちゃんのことを考えてしまうようになることを。
そして、その理由を知ったときにはもう、どうしようもなく手遅れになっていることを。