テラーノベル
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陽翔はやや強く自分の腰を進めた。水音が跳ね、肌のぶつかる音と、百子の一際高い声が耳朶を撫でていき、陽翔の脳髄を震えさせる。襞も嬉々として熱杭を迎え入れているのか、彼の白いマグマを噴火させようと複雑にうねっていた。
「あっ……! きもち、いい……! しの、のめ、くん……」
昂る気持ちの向くまま、陽翔は無我夢中で腰を動かす。昨日よりも襞が絡みついて熱杭を離さず、うねった襞に熱杭を持って行かれそうだった。
「百子、どっちが好きだ?」
「え……?」
急に陽翔が言ったので、百子は嬌声の間に疑問を織り交ぜる。何故かここで彼の昂りが体積を増した様な気がしたが、白い小さな奔流に飲み込まれて自身の高い声へと消えていく。
「入り口近くを擦られるのか」
「ひうっ……!」
少しだけ腰を離し、ゆるゆると腰を動かす。熱杭が百子の秘花を蜜に塗れたまま出入りする様子を見ると、自分の劣情がさらに煽られ昂ってしまう。彼女が切なげな嬌声を奏でているのに気づいた陽翔はばちゅん、と音を立てて自分の腰を百子の腰にくっつける。
「それとも奥を突かれるか」
「あああっ!」
襞が熱杭全体を包み、陽翔に白い稲妻をもたらさんと蠢いた。荒く息を吐いて上り詰めた疼きを何とかして逃し、彼女の唇にそっと口付ける。
「どっ、ちも、す、き……!」
「ならこれはどうだ?」
陽翔は百子を抱き締めて体を起こし、自分の膝に百子を座らせる。ゆるゆると腰を動かし、彼女の最奥を優しくノックすると、一際大きな嬌声が喉から湧き上がった。
「うっ……! はっ……! ああ……!」
動くたびに揺れる双丘の頂を陽翔が軽く吸うと、百子が彼の頭を抱き締めて高く啼く。
「ここは好きか?」
「う……ん……!」
彼女の胸に顔を押し付けられる形になった陽翔は、その柔らかさと彼女の嬌声をしばし味わっていたが、襞が熱杭を圧迫するのを感じ取り、彼女の花芽に手を伸ばしてそっとこね回した。
「やだ……! そこ、さわ、ったら!」
百子の脳内で雷が弾けたかと思えば、間髪入れずに体を弓なりに反らせて陽翔の頭をかき抱く。いつもはふわふわと体が浮いたような心地の後にゆっくりと降りてくるはずが、陽翔が再び花芽を指で弾いたので再び百子は一気に上り詰めてしまった。
「まって、イってる、から! やだぁ!」
「なるほどここも好きなんだな」
自身の手で乱れている百子のその様子にふっと笑った陽翔は、彼女の耳元でこう囁く。
「俺のことは好きか?」
(そうだ……私……好きってまだ伝えられてなかった……)
蕩けた瞳に迷うような色を見て、陽翔は彼女の頭をゆるゆると撫でる。
「今すぐ答えられなくてもいい。俺が惚れられるように努力したらいいだけだからな」
陽翔は蠢く襞から熱杭をゆっくりと抜き、百子の体を反転させて、枕を差し出した。
「これを掴んどけ」
彼女は慌ててベットに両手を突いたが、彼が胸の下に枕を入れてきたのでそれを掴む。それを見届けた彼は再び百子の秘花に熱杭の先端を当てがい、隘路を掻き分けたと思えばゆるゆると動き始めた。
「やっ! だめ! ああああっ!!」
彼の熱杭が襞の背中側を抉り、さらに熱杭の先端が容易に最奥まで辿り着き、とんとんとそこに打たれると、目の前が白く瞬いて嬌声しかその口からは出てこない。陽翔もあまり余裕がないらしく、荒い息の中に低い呻きが混じり始めていた。
「好きだ、百子……!」
(わたしも、好きって……言いたいのに)
そう言われて百子の下腹部がきゅんとすると、陽翔もまた低く呻く。そのまま熱杭で襞を掻き回されて百子は声にならない声を上げ、体を大きく震わせた。
「そんなに、締めんな……!」
「しめ、てなん、か……ない、わ……!」
陽翔の熱杭がまた膨らんだ気がした。抽送のたびに淫靡な水音が、互いの肉がぶつかる音が、百子の耳を犯し、陽翔の熱杭が絡みつく隘路をかきわけ、最奥へのノックで白い奔流が幾度となく百子へ襲いかかる。
「しの、のめ……くん……っ!」
目の前に白い光がちらついている百子は、思わず彼の名前を呼んだ。
「陽翔だ」
「えっ……」
「陽翔って呼んでくれ、百子」
そう言って陽翔はぐっと腰を進めた。最奥をノックされ、白の奔流が押し寄せてくる感覚に任せ、百子は喉を反らせて叫んだ。
「……はる、と……!」
彼は後ろから百子を抱き締め、彼女を振り向かせてその唇を奪う。
「お前に名前呼ばれんの、すげー嬉しい」
「は、ると……! はると!」
彼女が陽翔の名前を呼ぶたびに、底知れぬ幸福が彼を襲い、それのせいで限界は目前だった。
「ぐっ……! だめだ! 百子っ!」
陽翔の白い稲妻が鋭く数回弾け、百子を抱きとめる腕に力がこもり、体が震えて跳ねた。熱杭の勢いを失くす前に彼女の蜜壺から引き抜いて手早く処理をすると、へなへなとうつ伏せになった百子を抱き締める。百子は身じろぎして陽翔の頬に手を添えると、そっと唇を食むだけのキスをした。頬に添えられた手は陽翔の頭をゆるゆると撫でている。
「頭を撫でられるのも悪くないな」
そう言いながら陽翔も彼女の頭を撫で、顔にかかった絹のような黒い髪をそっとのけて、額にキスを落とす。それを見届けた百子は陽翔の唇をついばみ、するりと舌を入れてゆっくりと彼の舌を味わった。
「百子?」
彼女の舌が動かなくなったので、陽翔は唇を離して呼びかける。規則的な寝息が程なく聞こえてきたので、彼は小さく囁いた。
「百子、好きだ。俺を利用してもいいから、俺を好きになってくれ……」
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