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人狼サバイバル4巻のネタバレ注意!
ちょっと長くしてみました。
ちなみにBBJのルールを変えて7のカードを入れてジョーカーは14のあつかいになります。最終的にAとジョーカーを持っていたらAは無効化して結果が14になるというルールです。(わかりにくくてすみません、、)
初心者ですので下手ですがそれでもいいよ!って方はどうぞ!↓
(停電かな、、)
いや違う。今は昼だ、なのにどうして照明が落ちただけで「真っ暗」になるんだ?
自動ドアのほうを見る。ーーー外の景色が見えない。それにあれだけ混雑していたのに、あたりにいるファンの声も聞こえない。
「おい大丈夫か、この建物。試合中に電源が落ちたりしないだろうな・・。」
「ちょーっとー。照明の復旧まだー?シーラ暗いのきらーい。」
「まーまー。あわてるなって。マネージャさんたちに任せようぜ。」
「いや、待って。今は昼だよ。照明が落ちただけで真っ暗になるのは変だ。」
ぱっ、ぱっぱっ、と。いっせいに照明が点いた。
「あ?え!?なんだこれ!?」
2階からは大人の姿が消え、プレアデスと僕しかいない。
「クジラがなぜ潮を吹くか、知っているかい?」
急に聞こえた甘い声(めっちゃいい声) きょろきょろとあたりを見回すと、3階に人影を見つけた。
「クジラは水中で呼吸できる魚類ではなく、人間と同じ肺呼吸の哺乳類だ。水に潜る前には、大気中の酸素を取り入れなければならず、ある程度時間が経ったら、また海面で息継ぎしなければならない。」
肩まで届くチョコレート色の髪。
年は三十歳ほどで、髭は生えていない。
片方だけ丸眼鏡をかけている。
表情はやわらかく、目は子どものようにキラキラしていた。
「人間は顏の中心についている鼻で呼吸するが、クジラはその器官が頭のあたりについている。つまり潮吹きとは、人間が息を吐くのと同じ行為なのだそうだ。水を噴いているように見えるのは、穴に入った海水も空気といっしょに噴くからだ。」
「・・・・おい。だれだおまえ。」
コテツの威圧的な言葉にも、男はにっこりとほほえむだけだった。
(いや、すごいな、、)
「はじめまして。私のことはーー『伯爵』とでも呼んでほしい。」
カラスがきょろきょろとあたりを見回した。
「さっきまでいたお客さんは?マネージャーさんたちもいないね。」
いや、もしかしなくても伯爵ってやつがこの騒動の犯人では!?そうだとしても、どうやってこんなことを、、
「ちょっとブッキー?これ仕込み?シーラ何も聞いてないんだけどー?」
「い、いや。オレは何も知らないぞ・・。」
「じゃ、ヒース?」
「ぼくも知らないよ、こんなの。」
「(カラスはともかく、)クジャクやコテツはやってないでしょ。」
「じゃあ、ツキちゃん?」
「いい加減にして、クジャク・・」
「おい警備員はどうした!さっさとどうにかしろ!」
混乱する五人。こちらを見た伯爵は秘密めいたしぐさで指を立てた。なんか腹が立ちます。
「今日は親愛なる君たちに楽しいゲームを遊んでもらおうと思っている。」
「ゲーム?」
そう、と伯爵は両手を広げた。
「『人狼ゲーム』だ。」
何枚もの封筒が天から降りそそぐ。ひらひらと舞う封筒のすきまで伯爵と目が合う。その目には期待が満ちていたような気が
した。
(すみませんルール省略させていただきます、、)
「えっと、、なにこれ?」
「おい。なんだよ、これは。」
封筒の中に入っていたルールを読んだ僕とコテツが不愉快そうにつぶやいた。
「だいたい、だれなんだおまえは。」
「伯爵、と呼んでほしい。」
「・・ふざけたイベントだ。二度と俺を呼ぶなよ。それから、おまえとこの企画を考えたヤツのことは後でネットにさらしてやるからな。」
そう言ってコテツは自動ドアに向かった。だが、がらがらがら、と音を立てて防火シャッターが下りてしまった。
どうやらどうしても開かないらしい。
ふと、シーラがスマホをとりだした。
「あ、あれ・・・?シーラのスマホ、通じなくなってる・・?」
「へ?あ、オレのもだ・・。」
僕も確認したが圏外になっていた。
「僕のも圏外だ・・。」
「言い忘れていたが、君たちはこのゲームから逃げることはできない。」
伯爵が三階から身を乗りだした。
「無理に外へ出た場合、ルール違反として退場処分となる。」
「はぁ、、強制参加なのかな・・」
「何をわけのわからんことをーー。」
「待ってください。あいつの言ってることは本当です。」
聞き覚えのない声がこの場に響いた。
全員、視線をその声の男の子に向けた。そのとなりには、ウサミミフードの女の子がいた。というか、そこにいるの気が付かなかったよ・・・
「おれとこっちのウサギは今までもこの人狼ゲームに参加してきました。ゲームが終わるまではぜったいに出られないんです。」
「そんなわけないじゃん!だってシーラたちと連絡が取れなくなったら、事務所とか、お父さんとかお母さんとか、警察だってーー。」
「来ません。」
ウサギちゃんが一歩前に出た。
「だれも助けには来ないです。」
「みんな。」
二階の窓に近付いたカラスが、こんこんとガラスをたたく。
「窓が開かない。クレセント錠が石みたいにかたくなってる。」
「割ればいいだろ、カラスちゃん。」
「このガラス、防弾ガラスみたいにねばりがある。簡単には割れないと思うよ。」
カラスが無人のエントランスを見回した。
「あれだけいたお客さんが音も立てずに消えるなんて、普通じゃないよ。その子たちの言ってることは本当だと思うな。」
「本当って・・。じゃあシーラたち、あの人に誘拐されてるってこと!?」
「誘拐じゃなくて、監禁だよね。」
「マジかよ。」
「それより。伯爵何者なのかな・・。」
「こんな手の込んだことをするなんて、超大金持ちなのか、あいつ・・。」
「さあ、どうかな。」
淡泊に告げたカラスが、伯爵を見上げる。
あ、これは・・・言い合いが始まる・・。ところどころ聞いていると、
「このルールは本当なのか?」とか
「ウサギちゃんとハヤトくんがうそをついているかもしれない。」とか 伯爵は
「ただ私の作ったゲームを楽しくプレイしてほしいだけ。」とか
カラスが表情を変えずにハヤトくんを見た。
「本当です。そいつ・・伯爵はそういうヤツです。」
まあ、それからはルールの確認をしたり伯爵に質問したりとね。GMがだれなのか確認をしたときはちょっとめんどくさかったかな。
「おい。GMはだれだ。」
「私だよ。」
「おまえが?狼が有利になるだろうが。」
「ちょ、コテツ・・伯爵、GMだからにはフェアだよね?」
「そうだよ。あくまでもフェアな立場だ。」
てな感じで話がどんどん進んでいった。
とちゅうで昼のゲームの『ブラック・ブラックジャック』を試しにプレイしたりしたが、僕とシーラと厄介なことにカラスが勝った。その流れで次は部屋に向かうことになった。プレアデスがエレベーターに乗り込みドアが閉じかけたとこに、、
「ちょ、ちょっと待ってください!」
とハヤトくんが叫んだ。ぴたりとドアが動きを止め、開いた。
「どしたのハヤトちゃん?いっしょに乗る?」
「狼がわなを仕掛けるかもしれないんです・・!禁止事項を破らせるようなわなを・・!」
「金事項を破らせるようなわな・・?」
ハヤトくんとウサギちゃんが説明してくれたが、まあ。
「そんなのいつもどおりだ。なあ、おまえら。」
プレアデスの三人は意味深な笑みをうかべていた。
「あー。昔、アンチにそういうことされたな。カッターの刃を入れた手紙を送られたり、差し入れのお菓子にシャーペンの芯が入れられたり・・。」
「あるある。シーラ、今は事務所の人にチェックしてもらってるけどねー。」
「僕は、盗聴器がいれられてたり、家に張り紙張られたりしてるよ。」
「ぼくは今でもよくもらうし、道で石を投げられたりするよ。コテツもじゃない?」
「しょっちゅうだ。大会のときは特にな。ドアに画鋲仕込まれたり、バイクで轢かれそうになるから、いつもまわりを警戒してる。」
「俺たちの心配なんかしてないで、自分たちの心配してろ。赤チビ、黒チビ。」
「そういえば、ツキちゃんは乗らなくていいの?」
「先に行ってていいよ。」
「じゃあさきいってるねー」
ドアが冷たく閉じ、エレベーターが動きだした。カラスと気まずくなるし演技が疲れるからさきに行ってもらった。さっきのでハヤトくんとウサギちゃんは、ぽかんとしていた。
「な、なんかすごいね、ハヤト・・。」
「あ、ああ。こんなに余裕のある参加者、今までいなかったよな・・。」
(そうなんだ、、)
「そうだね。今回はなかなか強者ぞろいのようだ。」
伯爵はとてもうれしそうにエレベーターと僕を見つめていた。
「君たちもぜひ、心行くまで楽しんでほしい。」
「うるさい!すぐ終わらせてやるから覚悟しろ・・!」
「そうだよ。私もハヤトも、前よりずっと成長してるんだから・・!」
そう言ってハヤトくんとウサギちゃんはエレベーターに乗り込んだ。そしてすぐに僕はエレベーターのボタンを押した。
「伯爵。
めんどくさいけど、絶対勝ってみせるよ。そこで楽しんで見てるといい。」
伯爵は一瞬目を見開いたがすぐに微笑を戻して子供のようにキラキラした目で
「楽しみにしているよ。」
僕はエレベーターに乗り込んだ。
不自然に穏やかなパステルカラーの部屋のテーブルにはトランプのカードが二枚と、真っ赤なカードが一枚置かれている。
トランプの数字は7とジョーカー(14)
僕の役職は
「村人」。
手にした瞬間、役職の書かれた赤いカードは白い灰となって散った。