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‐翌日の09:10-
昨日はあの後、終電が迫ってた為、彼の駅で一緒に降りた後、直ぐに逆に乗り換えて日付が変わる前に帰宅した。私は普段、会社持ちの定期券を使っているのだが、勿論、仕事場から自宅までの定期。それ以外は自腹を切る事になるのだが、なんと今回はあのイケメン君が払ってくれて無料で帰宅する事が出来た。その後に風呂やらなんやらで結局1時過ぎに就寝した感じだ。こんな行動したのアイドル活動して来て初めてで、凄く今もバレていないか等、ドキドキしている。今の所連絡などない為、特に何もなかったんだろうと思う。
楽しかったなー。こんな感情初めて。
この行動がとても新鮮で変な気分だ。ここで彼の事を分かってる範囲で纏めようと思う。彼の名前は『西 優秀(ニシ マサヒデ)』君20歳の大学生。住まいは私の地元の県境にある市内に住んでいてそれよりも少し南に降りた所。因みに私が下りる駅の4つ先。大学は私の仕事場の1つ上の三条大学だ。そこでヘアメイクを極めているらしく、知らなかったから調べた所色んな学科があって、特殊な専門を習いたいなら先ずは三条大学が視野に入るらしい。
友人からは『西君』や、読んで字の如く『ゆうしゅう』と言われているらしい。そして、だろうなって感じで学生の傍らアルバイトとしてモデルをしていて、見た事ないけど男性の若者雑誌『ボーイズ&メン』というやつの表紙を飾った事あるとか。
ここまで聞くと尚更2人でいる所がバレるとヤバいではないかと思いがちではあるが、意外とそうでもないらしく、過去に女子がいる飲み会とかに参加しても、そういう週刊誌に載る様な事は一切ないらしい。そもそも雑誌自体もメジャーではない、言ってしまえばコアな世界との事。モデル活動も高校に入ってからで、その表紙を飾ったのが約2年前の初々しい18歳。
それ以降もページのモデルにはなった事あるが、時代と共に雑誌自体も売れ行きが厳しく、中々それに伴うお金が入って来ないらしい。しかも買う人が大体15歳から20歳向けという事で限定されてい事から、より一層首を絞める事となり、等々今月号を持って終了するとの事。いわゆる経営破綻らしい。不幸中の幸いかは分からないけど彼はそれを察知してか、別のモデル事務所へ話をしているらしい。まだ決まってないらしいけど。
という所までは話を終えていた。そしてその後に連絡先交換し、帰宅したって感じ。因みにあれから約半日経ったが連絡していない。当然ながら向こうは学生なので、今の時間は学校に違いない。そう思いながら私は朝の朝のルーティンを行う。ついでだから私のモーニングルーティンならぬ、休日ルーティーンでも話すとしよう。
先ず起きると洗顔や歯磨き、トイレを済ませる。化粧はしないが髪型だけは決めとこうという事で、ある程度整える。これを私は休日モードと呼んでいる。9時半ごろに食パンを焼き、健康のためにヤクルトとヨーグルトを一緒に食べる。食べ終えると、DVDで購入した『朝のヨガストレッチ~これで朝の目覚めもスッキリ~』というのを視ながら、下にマットを敷いてヨガる。それを1時間くらいして、その後は毎日欠かさない掃除。残りはテレビを視てゆっくり過ごす。
‐12時過ぎ‐
1人暮らしなので勿論自炊する。元々料理は1人暮らしする前から興味があって、お母さんからある程度習っていた為、一般的な食事系は作れる。今日の昼ごはんはオムレツにミニサラダとオニオンスープ。私的に3代欲求の一つでもある食に対しては、基本的に食べたいものを食べるとしていて、その分運動とかして補うという風にしている。だから特に我慢はしていない。
「うん…美味い」
自分で作って自分で褒める自画自賛な毎日。私は、12時から最近チャンネル登録者が1万人突破したという事で、記念にYouTVでゲーム配信をするというメンバーの伊織のFPSゲームを視ながら食事する。開始してまだ10分も満たないのに、既に500人近くの視聴者が来ている。『アイドル/ゲーマー』。この真逆のスタイルが視聴者(ファン)にとっては新鮮で一番素が出る場所なので、見入ってしまうのかも知れない。現に普段ライブ以外で見る伊織そのままかそれ以上な感じが出ていて、コメントでも”素の織ちゃんがww”等、どっさり入ってくる。当然、批判的な言葉も入って来るがそれ以上の勢いに、私はただただ凄いと感じながら昼食を摂っていた。
食器を片付けるとテレビを閉じ、食後の運動でウォーキングを行う。休みとはいえ、アイドルには休みはないと思っていて、身体の維持は大事にしている。だからこそ、ストレスがたまらない様に、好きな食事は遠慮なく食べる様にしている。
私は自宅でもあるマンションを出て歩き始める。恰好は運動着は勿論、帽子と首にタオル、それに音楽機とサングラスと、完全ゾーンに入って行う。本来は自然の音が好きなので、サングラスや音楽機を持って行かないのだが、最近は有名になって来たからなのか声を掛ける人が多く、その度に止まっていたのだが、それだとはっきり言って邪魔だからサングラスに音楽機は欠かせなくなってきた。要はプライベートで尚且つ、何かしている時にそちらの都合で話すのはやめろって話。
そう思いながら、アイドルとは裏腹のロックを聞いて約2時間のウォーキングを行った。
-14時過ぎ‐
帰宅すると汗を掻いた体を洗う為にシャワーをする。そして上がるとラフな格好で再びリビングの椅子に座り、優雅にコーヒーを飲みながらスマホでネットサーフィンをする。終えると今度はチームのブログを見る。ブログは交代制で今日は私。ファンも私が料理が出来るってのは知ってるから、この後作る予定の夜の材料を出してみんなに献立クイズを出す。因みに今日は、先日購入していた和食でもあるサバの煮つけだ。それを投稿し、またYouTVで違うチャンネルを視ながら調理する。
-16時-
料理開始。直々待ち時間があるので、その隙にブログの回答を見たりしながら作る。当りもあれば勿論外れもあってこれが結構面白い。約1時間で出来上がり。その出来上がりの写真を2回目の投稿としてブログに上げる。そして17時くらいに早めの夕飯を食べる。
-18時-
再び1万人記念で伊織がゲーム配信するという事で、今度は私と、同じゲーム配信をしている愛花でオンラインを通じてゲームに参加する事になった。そのゲームは料理ゲームで、レストランで時間内に手分けしながら料理を提供しないといけないというハチャメチャになりそうなゲームである。そう思いながら伊織からスタートする。
「どうも、みなさん伊織ゲーム部屋へようこそー。今回はゲストが来ております」
「どうも、愛花のゲームスタジオの愛ちゃんです」
「みなさんどうも、ただのゲーム好きの咲楽です」
「なんじゃそりゃ(笑)」
特に決めていなかった挨拶。咄嗟に考えた末の結果に伊織が突っ込む。
「だってそんなにかしこまって挨拶するとは思わなかったし(笑)」
「ハハハ、でも良く咄嗟に言えたね」
「マジ褒めて」
3人で笑い合う。そして再び伊織が切り出す。
「という事で、私達3人はゲーム実況の傍ら、rainbowというグループでアイドル活動をしているのですが、そのメンバーでもある咲ちゃんと、愛ちゃんに来て頂きましたーー」
「ちょっと待って、私も確かにrainbowのアイドルですけど、ゲーム実況はやってませんからね、勘違いしないで、ただのゲーム好きなだけなので(笑)」
そう。私はゲームは好きだが実況はしていない。
「もういいじゃん、私の配信には2回目の出演だから、もう実況者と言っても過言ではない」
「いーなー、私の所には全然来てくれないじゃん」
伊織が言った言葉に直ぐに反応した愛ちゃんが嫉妬する。
「いゃいゃ、織ちゃんに言われて買ったヘッドセットで話すのが今回が初めてだし、愛ちゃんは愛ちゃんでまだ誘われてもいないのに、シレっと私が拒否った感を出さないでよ(笑)」
「キャハ!すんません(笑)」
私の言葉に絶対に反省していない反応をする愛ちゃん。
「やっぱり気の知れた人とゲームすると面白いね、まだ本題に入ってないのに(笑)」
「「確かに(笑)」」
伊織の言葉に私と愛ちゃんは揃って反応する。そんな会話をしながら2時間以上ゲームに費やした。
-20時半-
ゲーム配信並びに、その後の3人の話も終わり、私は入浴をする。その前に湯梁をしないといけない為、溜まるまでベッドでスマホを見ながらゆっくりする事にした。すると一件のSNSに通知が来ていた。
西君からだ…
約2時間前に通知が来ていた。という事は、丁度ゲーム配信をしている最中だ。中身を見ると
「こんばんわ、お疲れ様です。これが初めてのメールですね(^^)今ゲーム配信視てますよー。楽しそうで何より( ´艸`)」
という絵文字なしの顔文字で来た。どうやら彼は絵文字派ではないらしい。いゃそこもそうだが今思うのはそこじゃない。昨日連絡先交換した、あのイケメンの西君からのメールだ。私は今まで、男性からメールを貰う事もなかった為、変な感情が入る。
え、え、ちょっと…マジで連絡来ちゃったんだけど…どうしよう…どう返そう。もう2時間前だしな…あ、でも配信を見ていたって事は、SNSを返信できない事は承知だったはず。だったたら返すとしたら今しかないんじゃ…でもなんて返そう。
色々考えた末、
「視に来てたっしゃったんですね!ありがとうございます。楽しんで頂いたなら何より( ´艸`)」
という、敢えて西君が使った言葉を使ってみた。この文章を打つまでに30分という時間を費やしていた。すると5分もしない内に返事が来て
「楽しかったですよー、あのハチャメチャ感といい、咲楽さんの意外な一面が見れて胸キュンしまくってました(*ノωノ)」
か、可愛い…。イケメンで且つ、こういった積極的な可愛らしい文章を作るなんて、年上なのに可愛くて私も胸キュンしております…ていうか向こうはそもそもファンであり、その中で私の事を好きと言ってるので、別に言って来ても不思議ではないか…
そう思いつつも返信を考える。
「流石に私自身も胸キュンしましたなんて送ったら変だからなー、ここはアイドルとして毅然な対応でっと‥」
そう言いながら、あくまでも相手はファン。という佇まいで返信をした。そして、その流れで明日に支障が出そうなので、この辺でメールを止める事にした。あ、勿論嫌われない様に。返信し終えると忘れかけていた入浴をしに行った。
…とまぁここまでが理想の休日です。実はこの中で異なる事がいくつかあります。これを見るとどれだけ『アイドル』を偽っているのか、引くぐらい分かると思います。
先ず朝ですね。
理想は9時頃ですが実際は11時半起床。この辺は日によって違う。今回の場合は昨日が遅かった為、起きるのもズレた。トイレや洗顔など済ませると特に身だしなみとかは何もせず、部屋の椅子に座る。ヨガなんてもってのほか。ジムの先生は、”休みの日でも軽くストレッチする様に”と言われているが、休みの日まで身体を保とうなんて思っていない。しかも昨日までツアーだったので尚更。私はテレビを付けてスマホをそのまま弄る。掃除は週3日出来れば良いので今日はなし。時間も時間なので朝ごはんは抜き。そのまま昼ごはんの支度に入る。自炊はしていて、ここは変わらずオムレツにミニサラダとオニオンスープだ。ここは流石に見た目で変化が分かっちゃうので、理想文同様、食べたい物を食べる事をしているけど、そう言いながら食事に関しては結構気を遣っている。
-12時過ぎ-
昼食を摂りながら、伊織が登録者1万人記念でYouTVにてゲーム実況しているのを約2時間観る。
-14時過ぎ-
伊織の配信が終わり、夕飯の支度に入る。因みにこの時点で理想の私ではウォーキングを得てシャワーを浴びている所だ。理想と違ってほぼ動いていない。私はその夕飯を作る前に、チームのブログ更新の為に晩ご飯当てクイズをする。これは理想の時にしたのと一緒だ。TVではYouTVを付けて下準備に入る。
-17時-
料理をブログに上げ、正解を楽しみながら早めの夕飯にする。普段は18時頃からなのだが、その時間帯に伊織のゲーム生配信に誘われているのでこの時間だ。
-18時-
伊織の配信に参加する。そこには同じくチームでゲーム配信している愛花も居て、計3人で協力プレイによる料理ゲームだ。まぁ理想文で言ってた事とこの辺は変わらない。
-20時半-
ゲームが終わり、入浴の準備の前に西くんから通知が来ていたのを気付く。そして理想文同様なやり取りな感じだ。
とまぁここまで言ってきたのが、あくまで私の現実の休日です。どうでしたか皆さん?理想と現実ではこんなに差があるんです。アイドル=清純?私にとっては笑わせる言葉で、恐らく他のアイドルの中にも同じ気持ちの人がいる筈。これを『清純という名の偽り』と自分は言っている。
言うてこれでも可愛い方でほんの一部分に過ぎない。もうちょっと自己紹介すると、上文で『身だしなみはとかは何もせず』と言ったけど、冬は除いてその姿は完全な下着姿。要は服も着ない、必要最低限のスタイル。辛うじてCカップという平均的な乳を持っている私は、仕事以外ではカップ付きキャミソール姿。仕事で着けるブラも基本的に見えない所だから、着けれれば良いて言う人。白だろうが黒だろうが拘りなんてないし、どうせ撮影は撮影用でブラ紐が透明タイプの下着が準備されるしね、ヌーブラ的な。
因みに自宅のカーテンは遮像と言われる、日中は外から中の様子が見えにくい素材を使っているので、窓は開いてても平気。夜も完全遮像カーテンだ。何かれば常に常備している部屋着でもあるロングワンピースを被れば直ぐに対応できる。ここまで話せば大体分かるであろう、食事以外はズボラ人間です。
−21時−
ここから現実。入浴から上がり何気にスマホを触ると、西くんから通知が来ていた。先程終わる様な流れを送ったので、その返事だろう。
「分かりました、頑張って下さいね、誰よりも応援しています!」
誰よりも…
私はこの”誰よりも”というのに心に響いた。今までは『rainbowの中で咲ちゃんが好き』等、メンバー内での好みで選ばれて来てたんだけど、西君が言った”誰よりも”この世の唯一の女感があってそれがとても嬉しく、あ、愛されてるんだって思ってしまった。
この間にも未だにドキドキしている私。してはいけない事をしている感じで妙に興奮してしまう。ついでに話すと、私は変な性癖がある。それは、エロ漫画や高校のクラスの影響があるかも知れないけど、このハラドキ感が堪らない事だ。バレるかバレないか、この瀬戸際でしている連絡のやり取り。又、知らない所で男と繋がってる感じ。今私の気持ちはウズウズ状態。もう軽く変態の粋を超えている感じもするけど、どれもこれも経験がないからこそ、色々と妄想が膨らんでしまった結果でもあると思っている。
私は西君との連絡を終えると、興奮のあまり寝れないので、先程さり気なく話したエロ漫画(中身がイケメンに限る)を読む。これで将来的に彼氏が出来た場合の妄想を膨らませる。しかもその西君が私が読んでる『ラブリーデイズ』に出て来る彼に似ていて、雰囲気と話し方といい何処かそっくりで、その恋愛話もいけない恋的な感じで、先生と生徒とという関係だ。しかも、男女関係を持つ時は、その彼が凄く積極的で//。そのシーンだけで飯が食える(笑)。
この物語の冒頭付近で言ったけど、10歳からこの世界に入ってて、恋愛禁止状態なので、一度も彼氏が出来た事も無ければ、ワンナイトラブ的な事も一切ない。けど、一歩アイドルの仮面を外せば一人の女子であり高校生。チームを除いて周りは彼氏彼女の話をしたり、男女関係になる時の話やらが日常会話に出て来る。
私はそれを片耳を立てながらも興味ありませんアピールをしているが、以前にそう言った会話を振られた事があり、周りが女子だけという事もあって興味はあるけど経験がない事。又、1人で欲求を満たす事、つまり自慰行為とかもした事ない事を暴露すると、そこのヤリマン的な女子から何故か知らないけど”勿体ない”と言われ、使っていないという玩具をおもむろに取り出して”これをやるから使ってみて、世界が変わるから”という事でバイブを貰った。使い方はAVでも視てした方が解りやすい”という事で、これもあまり視ないAVとやらを視たけど刺激が強過ぎて視れず、到底エロ漫画で充分と感じた。
一方で肝心な道具に関しては使い方が今一で、確かに気持ち良さはあるけどそれ以上の感情やAVみたいな感じにならず、『イク』という感情もわかない。というかむしろ、こういう得体も知れない物体を陰部付近に当てるというのも少し恐怖を覚え、それ以降やっていない。これをしなくても、今の所は漫画を読んで満足するので、これで良いと思っている。
後半エロ話になりましたが、これが私、上原咲楽の実態である。
to be continued…