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最悪だ。入学早々ジャージのことがバレた。苦労して入った高校なのに、居場所がなくなるかもしれない。、、、
僕の家は4人家族だ。大学生の兄と、僕と、会社員の父親と、母さん。兄は大学生になって一人暮らしを始めた。だから今は3人で暮らしてる。兄さんと僕は血のつながりがない。母さんが兄さんを産んだ後、兄さんの父親が事故で死んだらしい。兄さんが5歳の頃らしい。そのあと、母さんと僕の父親が結婚して1年後に僕が産まれた。5年前までは普通の家族だった。 父親が働いていた会社で大事な取引先との大きな発注ミスがあったらしい。母さんと父親の話を盗み聞きした限り、非はこちらにある。それがどうやらミスを全て父親のせいにされたらしい。クビにはならなかったが、社内での父親の株はダダ下がり。約束された出世の話も無くなった。
そこからの父親の荒れようは言葉に表せないほどだった。今まで手にしなかった酒、タバコ。さらには母さんにまで暴力を振るうようになった。僕が11歳の頃だ。そして遂に、暴力は僕にまでまわってきた。兄に手を出さなかった理由は、多分血が繋がっていないからだろう。それに、兄はこのとき高校生だった。アルバイトや友達、恋人、勉強、部活で、家にあまり居なかった。だから兄さんは、母さんと僕が父親に虐待されていることを知らずに家を出た。
ジャージを着ているのは、虐待がバレないためだ。中学生の頃に、先生にあざがあることがバレた。それを家に伝えた担任に父親は狂ったようにキレた。最終的には僕が階段からコケて怪我をしたという事になったが、そこから1ヶ月くらい家から出させてもらえなかった。今まで標的は母さんだったが、その時期から僕に変わった。暴力なんて当たり前。ご飯も、寝る場所も死ぬ気になってようやく与えられるかどうか。最近では、性処理係になることも。また母さんが暴力を振るわれるのも辛いし、今更親戚や兄さんに頼れない。
だから、1人で抱え切ってやろう。そう思ってたのに。
、、、、、、、、、、、、、
ふと、我に返って、この状況を整理する。昨日はご飯を食べさせてもらえず、ろくに寝られなかった。持久走中に気持ち悪くなって声かけられて、た、、おれ、、、、た?こいつは、、、三山、、さん?運んでくれたのか。ジャージの下を見られてしまって、思いっきり叩いてしまった。
「ごめん。」
「、、、あ、、いや、全然。」
「ホントにごめん。運んでくれてありがとう。、、、ジャージ、返して」
「あ、あぁ。あの、さ、体、どうしたの?」
「ちょっと転んだだけ。」
「いや、そーゆー傷じゃなくない?もしかして、いじめられてる?、、、、、ぎゃ、、く、たい?」
ビクッッ「や、大丈夫。そんなんじゃないよ。ジャージ返して。」
「、、、先生に、、、、」
「やめっっ、、て、、、本当に大丈夫」
「でも、、」
「いいから返せっっっ!!!」
「お、おう。」
「ありがと。じゃあ、、、あ、これ、誰にも言わないで。」
ガラガラ、バタンっ
話しかけてくれたのに、、、助けてくれたかもしれないのに、、、
「う、ぅ、、」ポロ
誰か助けて。。。。。。。
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お読みいただきありがとうございました。
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