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わぁぁぁぁ(事件性のある叫び)
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ひじきさんだよ
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「じゃ、まずは答え合わせね。日記は持ってきてる?」
僕は一応持ってきていた前任玄武の日記を手渡した。
「前任玄武がね〜、一部を特殊な墨で塗り潰したんだ〜」
「特殊な、墨?」
「そ。俺の炎で動く墨」
アキラさんが指先に火を灯し、日記に近付ける。すると、墨は逃げるように動き、最後には日記から地面に落ち、霧散した。
「はい。読めるようになったよ」
アキラさんが僕に日記を差し出してきた。僕が受け取ろうと手を伸ばすと、スっと上に持ち上げられ、僕の身長じゃ届かなくなってしまった。
「アキラさん!」
「だって、今渡しても何も理解出来ないよ?だから、まずは俺の話を聞いて?」
初めてそれを視たのは、俺が執り行ったお父さんの葬儀の夜。その日は悪天候で、窓に打ち付ける雨も、轟く雷も睡眠の邪魔をしようとしてきた。まだ幼かった俺は、未来を視る力を完全には制御出来なくて、よく未来を夢に見ていた。
「その時見たものは、何百年も経った今でもはっきり憶えてる」
俺は妊娠していて、いやにリアルな痛みと吐き気を感じた。そして、俺の腹を破りながら出てきた、”我が子”と目が合って…
「ッごめん…ちょっと」
「だ、大丈夫ですか?」
「平気…続けるね」
その子は俺にも、父親にも似ていない奇妙な子供だった。人のような肌なのに、普通の人より赤みがかってて、目がとても大きくて…頭が形を安定させられないのか、蠢いていた。
「蠢いていた?それは、無脳症に伴う頭蓋骨の発達しない無頭蓋症の子供で、頭が物理的に柔らかい可能性はないんですか?」
「えっと、ごめん。医学の難しい話は分かんないけど、あれは何かの病気とかそういうやつじゃないと思う。とにかく今理解してほしいのは、俺がそんな悪夢を見たってこと」
それから、俺は夢の内容を日記に書くようになった。相談しようかとも思ったけど、お父さんが死んで、じいさんに面倒を見てもらっていても、完全には心を開ききれていなかったから、誰にも話さず、悪夢を見る度に記録を続けてた。それで分かったんだ。あの子は俺とシャークんの子供。四神同士の子は、呪われたキメラになってしまうんだ、って。
「ピヤノは知ってるのかな。四神は必ず同性で産まれてくるって話」
「シャークんさんが前に話してくれた内容で知りました。まさか、そんな理由があるなんて知りませんでしたけど…シャークんさんも知らないんですよね?」
「うん。誰にも話してない」
「理由を聞いても?」
ある日、俺はまた別の夢を視た。災厄の夢と、じいさんが死ぬ夢を。まるで映画を連続で観るみたいなその感覚が気持ち悪くて、主治医をしてくれてたじいさんを訪ねた。それで、じいさんと詳しく話すことになった。
「災いの夢…他に、印象に残ってる夢はあるかな?」
「えっと、俺が…シャークんとの、化け物みたいな子供を産む夢…気になったから、見たらすぐ日記に書くようにしたんだけど、あれが一番印象に残ってる」
「そうか、アキラもついに…なら、私の秘密を一つ教えてあげよう」
「じいさんの秘密?」
「アキラ。私はね___」
「白虎様!申し訳ありません。朱雀様と玄武様を見つけられず、青龍様は」
「いや、いい。ジェーンドゥについて、緊急で報告がある。元老達を集めてくれ」
「それが、東の代表者様がすでに聖殿の会議室に元老の皆様を集めておりまして」
「…分かった。ピヤノかアキラ、どっちかを見つけ次第、聖殿に来るよう他の者にも伝えてくれ」
「承知しました」
「これはこれは白虎様。随分お疲れのようですね」
「お前が皆を集めたらしいな。それは感謝するが、早速伝えたいことがある」
「本日は白虎様によるジェーンドゥの処刑だと、先の会議で決まったはずでは?」
「事情が変わってな。独房からジェーンドゥが逃亡し、俺が追跡した。やつは壁の外にまで逃げたが_」
「なるほど。旧文明…初めて聞きましたが、北の元老殿は何かご存知で?」
「儂もさっぱり…それらしき文献も、見た記憶はないですな」
「俺の推測だが、初代四神のさらに前…下手したら、麒麟降臨よりも前じゃないかと思っている」
「その根拠は?」
「この国に最初に遺された記録は一枚の初代玄武の研究メモ。その中にも旧文明なんて言葉は一度だって出ていない。この地において、全知とも言える玄武のメモに、だ」
「少なくとも、四神様がいる時代ではない、ということですか」
「そして、元老院を代表する者として、全員周知の事実だろうが、聖殿にはさらに古い文献も残されている。それは四神より前の時代のものだが、そこにだって俺が今話した電話なんて物はない」
「そいつは一体どこまで昔のものを引っ張り出しているんだ」
「そんなことよりも、あの連続誘拐事件に真の主犯がいるということでしょう。白虎様」
「ああ。俺があの電話越しに話した男が主犯のはずだが…ヤツは銃なんてよく分からんものを持ってるからな。迂闊に調査ができない」
「うーむ…そいつをどうにかしない限り、被害は続く可能性がありますな」
「少しよろしいでしょうか」
「なんだ」
「確か、北の研究所にて壁の外へサンプルの採取に行きたいという申請がありました」
「ああ、申請者がピヤノのやつがあったな」
「玄武様が出るのでしたら、ついでに調査も依頼してみてはいかがでしょうか?」
「…それは、本気で言ってるのか?」
「ええ。これが一番合理的かと。白虎様なら、分かってくださいますよね?」
(確かに、街中で大々的な調査はできない。もし街中に奴の仲間もしくは奴自身がいて、暴れ回られたら被害は甚大だ。それに、ジェーンドゥはわざわざ壁の外まで行ったんだ。電話が置いてあるのが外だけだからという可能性は捨てきれないが、拠点が外という可能性は高いはずだ。なにせ、今まで全く存在を知らなかったものが立て続けに出てきてるからな。外に潜んでいたなら納得はできる)
「流石に、ピヤノ一人で行かすのは危険だ。誰かしらに付き添ってもらう」
「私もそれがよろしいかと」
(分からない…こいつはなぜこんなにもピヤノにやらせようとするんだ?)
じいさんは俺に、ある秘密を教えてくれた。
「私は、先祖返りはしていない。だけど、初代玄武の記憶があるんだ」
「初代の…記憶?」
「そう。他愛ない記憶ばかりだけどね。それでも、君たち後世に伝えなければいけない真実が、一つだけある」
じいさんが話してくれた内容を俺が説明するとなるとめっちゃムズいな…分かんなかったら聞いて?
「まず、現実的な話をしよう。これは君のお父さんが最期に見た予言であり、起こり得る事実だ」
「多分、その未来が俺も視たやつ」
「…今、妖魔が街中に発生する頻度が増えている。近い将来、大虐殺が起き、この国は人が生きるのに向かない荒野となるだろう」
「…」
「そして次が希望的観測なんだけど…麒麟が四神を作る際、モデルとなったものがあるんだ。でもね、私達はあくまで統治する者。創造主の意思を計ることなど不可能だ。でも…その縛りを解き、本質を解き明かすことが出来たら…この惨状の未来を変えられるかもしれない」
「えっ、そうなの?!」
「3人はまだ若い。きっと、この後の長い生で、それを見つけられると信じているよ」
「今教えてくれない?流石にヒントもなしに自分の本質を探せは」
「いいや。自らの本質は、自分で見つけなければ意味がない。それにね、私は少し目立ちすぎた。今、呪いによって大事な情報は何をしても伝えられないんだ。そして、私はもうすぐ神罰として、何かしらの方法で殺されるだろう」
じいさんは、まだ小さかった俺の手を握って、こう言ったんだ。
「一つだけ、ささやかなヒントをあげよう。朱雀と玄武は近しい本質を持ち、青龍と白虎とは対になっている」
それから数十年後、本当に玄武は死んだ。特殊な、まるで天から遣わされたような妖魔によって。
ピヤノの顔を見る。流石に怒涛すぎたかな?未だに俺だって全部理解できてないのに。
「つまり、今この国は危機に瀕していて、その本質を見つけ出せばなんとかなるかもしれないんですね」
「えっ」
「えっ違います?さっきの話の中で大事なのはここだと思いましたけど…」
正直、話が長くなりすぎた自覚があるから、話が飛び飛びすぎて要約が必要かと思ってた。でもまあ
「そ!大事なのは、この国を救うためにしないといけないことが四神にはあるってこと!」
「では最初の質問に戻りますが、どうしてアキラさんはここにいるんですか?」
「え?だってじいさんと約束したから。次の玄武に真実を伝えるならここにしてくれって。なんでも、妖魔はここに入れないから、盗聴される心配がない、って」
「盗聴?妖魔にそんな知能ないですよね?そもそも、耳と呼べる器官がないですし」
「ピヤノー、見落としてるよ?いるじゃん、知能を持ち、かつ妖魔の性質を持った人」
「あっ!融合、ですか?」
「そう。俺たちが相手にしてるのはね、
初代が全員で封じ込めた、最悪の融合体だよ」
2月15日
今日から日記を始めてみようと思う。今ではあの子たちも一人前となり、私と共に仕事をこなしてくれている。彼らの子供達を見ていると、私の跡取りについて、つい思いを馳せてしまう。やはり朱雀が言うように、若かりし頃の女遊びで、どこかの女性に子供が出来てしまっているかもしれないな。
今日は、書斎の窓辺から綺麗な花が見える。
2月16日
スマイルが怪我を負って外から帰ってきた。妖魔の瘴気に侵されたのか、いつもより目が朧気だった。薬を煎じて飲ませたが、効果があるかは分からない。
今日は花を見る余裕が無かった。
2月17日
今日は墓参りも兼ねて秘密基地に来た。あの花がよく咲いている。去にしを向けば、いつも見える小さな花も、この場所には沢山咲き誇っている。いつか、この日記を読んだ私の子にも見つけてほしいものだ。
2月18日
麒麟の秘密。四神の本質。私はいままで何をしていた。彼らに災いを、融合の存在をどう伝えればいい。こんなことなら、初代四神の記憶など、思い出さなければよかった
あの花は、希望だ。
2月19日
・・・
2月15日
アキラが訪ねてきた。なんでも、私に関する未来を見たという。私は彼に頼み事をした。どうか、私の
1ヶ月ぶりの作者です。どう表現するかに悩んだ結果、中途半端に分かりずらくなってしまいましたが、ここからなんとかしていきます。
コメント
3件
わあ、このエピソード、めちゃくちゃ重層的で一気に引き込まれました…! アキラさんが語る過去の悪夢と、じいさんから託された秘密——四神の本質や融合体の話、全部が繋がっていく感じがたまらなかったです。 特に「初代玄武の記憶」を持つじいさんの存在と、その最期の伏線、そして電話の相手が「知能を持つ融合体」だって示唆されたラストはゾクゾクしました。 日記の断片的な記述もまた情緒があって、じいさんの苦悩がひしひしと伝わってきます…! 次が本当に気になります!ひじきさん、構成がとても丁寧で素敵です🌷