何かあると、シーツのみの虫になるけど、概ね元気で、平和な毎日。こういうときに厄災がやってくる。
お祓いの効果などない。
渡辺は痛感している。
渡辺ー何で?ねぇ、何で?
若い子から、ナイフを向けられているのだ。
女の子は、目黒のファン。
何度も、目黒のファンに敵意を持たれた。ただ仲良しなだけ。
外に出たら夫婦であることは隠している。当然である。
ラウールも入れて仲良しさんとしている。なのに、目黒ではなく、渡辺にナイフは向く。
納得いかない。邪魔なら、ラウールもだろう。
だが、ラウールが目黒のファンに敵意を持たれたとは聞いたことない。
渡辺ー俺、なんかした?
無言で、睨みつけてくる。最初に、「めめから離れて!」と言ったきり何も言わない。
場所は、テレビ局の駐車場。どうやって入ったか知らない。
渡辺は、帰るのが早いから出くわした。岩本が出てきて、すぐ中に入ってしまう。
渡辺ーナイフやめよう?
そこへ、岩本と目黒がやって来た。
女の子は目黒を見て、ナイフを自分に向けた。
目黒ーどうする気?
ファンー私と一緒に来て?でないと私は自分を刺します。
目黒ー一緒に行ってどうするの?
ファンー姉に会ってほしい。
目黒ーお姉さん?
ファンー病気で、もう長くないの。
目黒ー渡辺にナイフ向けたのは?
ファンー姉が渡辺さんの言うことしか聞かないからって。
目黒ー俺が?
渡辺ーそんなわけあるか!勝手に会ってくればいいだろ。
目黒は、ファンと移動車に乗って行ってしまった。
渡辺は力が抜けて座り込む。
岩本が「いいのか?」と言うが、他にどうすればいいか分からない。
2人が、特別だと思われたら困る。
渡辺ー目黒が無事に帰って来たら、連絡する。
岩本ー待ってる。
渡辺は、1人で帰って来た。
何も食べたくない。動きたくない。
シーツのみの虫になる。
1時間経っても2時間経っても、目黒は帰って来ない。
深夜に近い時間に、帰って来た。
渡辺は、眠っている。そっと抱きしめる。
渡辺ーんっ・・目黒?
目黒ーただいま。
渡辺ーおかえり。
目黒ー何で、みの虫?
渡辺ー・・。
目黒ー彼女の、お姉さん亡くなったよ。
渡辺ー何で?
目黒ーん?
渡辺ー何で俺に言うの?
目黒ーお姉さんね、占い師でね、俺たちのこと全部分かってたみたい。
で、翔太くん、危ないから気をつけてって。
渡辺ー危ないって何?
目黒ー言う前に息引き取ってしまって。
渡辺ーんっんっ。
目黒ーみの虫から、出てくれる?
渡辺ーいや!そんなの信じない!
目黒ーでも、全部当たってたよ。
ファンだって言ってた子は、アイドルには興味ないんだって。
渡辺ーだから、知らない。
目黒は、諦めてシーツのみの虫をそのままに、シャワーを浴びに行った。渡辺は、シーツの中で考える。
危ないことがやってくる。
分からないじゃないか。防ぎようがない話。何に気をつければいいか分からない。
目黒ー翔太くん、寝るよ?
渡辺ーここでいい。
目黒ーばか言わない。
渡辺ーしばらく自分の家に帰る。
目黒ー何で?
渡辺ー危ないんだろ?俺といたら、お前まで危ない。
目黒ーだからって、翔太くんを1人に出来ない。
渡辺ーでも!
目黒ー何が起こるか分からないから、1人にならないで。
渡辺は、シーツのみの虫になる。
危ないと言われても、何がどう危ないか分からない。
漠然としていて、身動きを制限される。ご機嫌が斜めに傾いている。
目黒は、岩本に電話している。
だが、いつ・どこで・何で・どうやって危ないか、全く分からない。
岩本ー話をしているとき、妹は?
目黒ーいなかった、俺たちに興味ないから。
岩本ー誰かが、ずっと翔太に引っ付いてないとだめだな。
目黒ー翔太くん、嫌がるよ。
岩本ーでも、最大の防御はしておかないと。
目黒ーそれが、何をすればいいか分からない。
岩本ー顔見知り以外は、近づけさせない。
目黒ーうん、俺のファンだって言う人、なぜか、ナイフ持ってるんだよね。
だが、目黒のことで脅されるとは限らない。だが、占い師が、目黒を呼んだということは、何か関係あるんだ。前にも、目黒のファンにナイフで刺されている。目黒は、自分が渡辺を守りたいと思っている。
目黒ーみの虫。
渡辺ー・・。
目黒ーベッドで寝るよ?
渡辺ームカつく〜。
目黒ー担ぐか?
渡辺ーそんな力ないくせに!
目黒ーあるよ、よっこらせっと。
軽々担がれて、嬉しいんだけど腹立つわ〜と思っている。
目黒ーみの虫、ナイフに気をつけて。
渡辺ーこの間もナイフだったけど?
目黒ーどうやら、俺のファンは、ナイフが好きみたい。
渡辺ーバカ言ってんじゃないよ!
目黒ーいや、ホント。
渡辺ーまたナイフ?また刺されるの?
目黒ーそうならないように、護衛を付ける。
渡辺ーみの虫には、贅沢ですが?
目黒ー翔太くんには、必要だから。
渡辺は、シーツのみの虫から這い出て、目黒に抱きつく。
抱きしめて目黒が聞く。
目黒ーみの虫は?
渡辺ー愛してもらえない。
目黒ー翔太くん・・。
渡辺ーあの、えっと、その〜。
目黒ー激しくね。
渡辺ーばか。
渡辺ーはぁはぁ・・だめ・・これ・・くる・・。
渡辺ーはっ・・はっ・・あぁ・・。
目黒ーみの虫、今日はなしね?
渡辺ーばかばか、今・・言うな。
渡辺ーはぁ〜気持ちいい・・もっと・・。
目黒ー俺が守りたい・・。
渡辺ーはぁ・・はっ・・はっ・・。
渡辺ー無茶・・言うな・・。
渡辺ーあぁ・・くる・・くる・・だめ・・もう・・はぁはぁ・・。
渡辺はまた、みの虫である。
占い師の妹から、電話がかかってきた。2人の愛し合う力で、回避出来ると、メモがあった。
渡辺は、行動を知られていることと、目黒の電話番号を知ってることに腹を立てている。
深夜も深夜なのに、渡辺は眠れない。
目黒ーみの虫。
渡辺ー何⁈
目黒ー俺たちの資料は全て廃棄するからだって。
渡辺ーどうでもいいわ!
目黒ー何でみの虫?
渡辺ー何で、お前の電話番号知ってるの!
目黒ー俺が教えたから。
渡辺ーはぁ?
目黒ー何か俺たちのことで、分かったら連絡くださいって。
渡辺ー番号変えろ、でないと、二度と俺から連絡ないと思え。
目黒ーみの虫からはいらないけど、翔太くんから欲しいから変える。
渡辺ーふん!
仕事の合間に 1番に、電話してやろうと思っていたのに、心配した、岩本が先にしていた。
目黒が家に帰って見たのはシーツのみの虫だった。
コメント
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んっ? また、危険が迫ってる😱😱 みの虫やめめが無事に過ごせますように🙏
可愛いみの虫くん! どうか、無事でいて❗️