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‐・‐・‐・‐・‐・‐・‐・‐・

ざぁざぁと風がざわめく。

てかてかと日差しが眩しい。

爽やかな青空を眺めながら。

ーねぇ、のき。

ーー‘’一体、何処に行ってるの?‘’




‐・‐・‐・‐・‐・‐・‐・‐・‐

[…また、ですか…。]

そう言って私はパソコンから離れる。

『また、』というのは‘アンチ’の事だ。

私がグループに入ってから、

その数は日に日に多くなっている。

…気がする。

[お疲れ、のき。]

横になろきゅんが座る。

私がグループに入って半年すると、

私達は恋人になった。

告白された時は戸惑って逃げてしまった。

ーが、今はこうしているので

結果オーライだろう。

淹れてくれた紅茶を貰い、

一緒にティータイム。

この時間は一日で最大の至福の時だ。

ーーでも、忘れていた。

永遠なんて、ある訳がないと。


‐・‐・‐・‐・‐・‐・‐

誕生日の前日。

私は街に来ていた。

兄から届いたキャンバスに合う

最高の画材を買いに行くためだ。

綺麗な見た目の画材が沢山あった。

ーと、その時。

窓の外になろきゅんがいた。

声を掛けようとしたと同時に、

私はある違和感に気づいてしまった。

そう。なろきゅんは、

‘‘コップを2つ持っていた’’。

1つは手に持ち、

もう1つは口をつけて飲んでいる。

それは、誰かと2人で来たのを

証拠付けしていた。

[…ッはっ]

正気を取り戻した私は、

それと反対方向の扉から

店の中から飛び出した。


ーなんで。なんで。どうして。

家に戻った私は

そんな言葉しか出せなかった。

本当は。

心の何処かではわかってたのだ。

意外と冷静でいられることが

それを嫌でも確信させられる。

[ゃだ…。そんなの、ぃ…]

そこからは声も出なかった。

震える手を思い切り握りしめる。

じんじんするし痛かったが、

そうしないと

我慢もできないから仕方がない。

そのままペンを持ってイラストを描く。

少しの暗号を載せて。

ー夜になったらここを出ていこう。

誰にも気づかれないように。

ー余計な印象をつけずに、

彼が私を忘れられるように。



ー夜になった。

周りはもう静かで、

本当に孤独になる事を実感する。

行く先のあてはないが、

今までの貯金があるので平気だろう。

私は彼との思い出と、

必要最低限のものを持ち、部屋を出た。

ー家に来るかもしれない。

ー本当に、忘れ去られるかもしれない。

でもーそれでも。

私は憶えている。

今までの事も、全部。

だからー


ーーだからどうか。

忘れてください。

私の事など、気にしないで下さい。

そのまま私はー

ーー深夜、路地裏を駆け入った。

ーof -darkness/ー暗闇の

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怜菜さんの 書く作品全て 好きですぅぅ😿💞

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