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怜菜さんの 書く作品全て 好きですぅぅ😿💞
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ざぁざぁと風がざわめく。
てかてかと日差しが眩しい。
爽やかな青空を眺めながら。
ー
ー
ーねぇ、のき。
ーー‘’一体、何処に行ってるの?‘’
‐・‐・‐・‐・‐・‐・‐・‐・‐
[…また、ですか…。]
そう言って私はパソコンから離れる。
『また、』というのは‘アンチ’の事だ。
私がグループに入ってから、
その数は日に日に多くなっている。
…気がする。
[お疲れ、のき。]
横になろきゅんが座る。
私がグループに入って半年すると、
私達は恋人になった。
告白された時は戸惑って逃げてしまった。
ーが、今はこうしているので
結果オーライだろう。
淹れてくれた紅茶を貰い、
一緒にティータイム。
この時間は一日で最大の至福の時だ。
ーーでも、忘れていた。
永遠なんて、ある訳がないと。
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誕生日の前日。
私は街に来ていた。
兄から届いたキャンバスに合う
最高の画材を買いに行くためだ。
綺麗な見た目の画材が沢山あった。
ーと、その時。
窓の外になろきゅんがいた。
声を掛けようとしたと同時に、
私はある違和感に気づいてしまった。
そう。なろきゅんは、
‘‘コップを2つ持っていた’’。
1つは手に持ち、
もう1つは口をつけて飲んでいる。
それは、誰かと2人で来たのを
証拠付けしていた。
[…ッはっ]
正気を取り戻した私は、
それと反対方向の扉から
店の中から飛び出した。
ーなんで。なんで。どうして。
家に戻った私は
そんな言葉しか出せなかった。
本当は。
心の何処かではわかってたのだ。
意外と冷静でいられることが
それを嫌でも確信させられる。
[ゃだ…。そんなの、ぃ…]
そこからは声も出なかった。
震える手を思い切り握りしめる。
じんじんするし痛かったが、
そうしないと
我慢もできないから仕方がない。
そのままペンを持ってイラストを描く。
少しの暗号を載せて。
ー夜になったらここを出ていこう。
誰にも気づかれないように。
ー余計な印象をつけずに、
彼が私を忘れられるように。
ー夜になった。
周りはもう静かで、
本当に孤独になる事を実感する。
行く先のあてはないが、
今までの貯金があるので平気だろう。
私は彼との思い出と、
必要最低限のものを持ち、部屋を出た。
ー家に来るかもしれない。
ー本当に、忘れ去られるかもしれない。
でもーそれでも。
私は憶えている。
今までの事も、全部。
だからー
ー
ー
ー
ーーだからどうか。
忘れてください。
私の事など、気にしないで下さい。
そのまま私はー
ーー深夜、路地裏を駆け入った。
ーof -darkness/ー暗闇の