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その時、背後から明るい声がした。
「藤井くん、お疲れさま」
振り向くと、フロント主任の相沢美咲が書類を抱えて立っていた。
整った顔立ちに落ち着いた雰囲気、華とは正反対の“大人の女性”だ。
「さっきのお客様対応、助かったわ。やっぱり藤井くんがいると安心する」
美咲が柔らかく微笑む。
「い、いえ……自分は当然のことをしただけです」
律は少し戸惑いながらも答え、頭を下げた。
二人のやり取りはごく自然で、どこか親しげに見えた。
華は立ち尽くし、胸の奥がチクリと痛む。
(……あんな表情、私の前では見せないのに)