(💛×💙)
side若井
涼ちゃんの家でシャワーを浴びる。冷えきった体が温まってくる。
……勝手に出ていっちゃって元貴怒ってるかな。
結局離れても元貴のことばかり考えてしまう。
すると「若井〜?」と涼ちゃんに外から声を掛けられる。
藤澤「若井の服今洗濯してるから、僕の部屋着と下着使って〜!タオルの上に置いとくからね。」
俺はわかったと言ってお風呂を出る。
涼ちゃんの下着を履かせてもらうのは、少し恥ずかしい…けど他の着替えもないし仕方ない。
ドライヤーを借り、涼ちゃんのいるリビングに戻る。
若井「涼ちゃんお風呂と洗濯ありがと。」
藤澤「いえいえ。若井コーヒー飲む?」
俺が頷くと涼ちゃんはキッチンでお湯を沸かし、コーヒーを入れてくれる。
涼ちゃんは本当に気遣いがてきて優しい。
涼ちゃんと付き合える人は、きっとこんな思いもしないで幸せに過ごせるんだろうな。
藤澤「若井…?」
涼ちゃんが心配そうに、俺の顔を覗き込む。
俺は気づかない間にまた泣いてたみたい。
涼ちゃんに背中をさすられると、堰を切ったように涙が溢れだしてくる。
藤澤「元貴と何かあった…?僕でよかったら話聞くよ。」
俺は最近の元貴との事と、さっきの出来事を涼ちゃんに話した。
藤澤「んー。倦怠期ってやつなのかな?」
倦怠期……しばらく付き合ったカップルが、お互いに慣れてしまいトキメキを感じられなくなるアレか。
若井「俺、元貴の考えてることが何も分からない。元貴にとって俺って一体何なんだろう。」
面倒臭い彼女みたいな発言にも、涼ちゃんは笑わずに真剣に聞いてくれる。
藤澤「若井辛かったね。……おいで??」
涼ちゃんが手を広げてくれる。さっき俺が元貴に拒否られたやつだ。
俺はすぐさま涼ちゃんの胸に飛び込む。
涼ちゃんの大きな手のひらで頭を撫でられるととても安心感を感じる。
涼ちゃんの手が降りて、俺の太ももを撫でる。
涼ちゃん、?
涼ちゃんを見ると、さっきまでのふわふわとした笑顔とは違う獲物に狙いを定める様な目をしていた。
そのまま顔を掴まれ、キスをされる。フレンチキスだったのが、舌をねじ込まれ段々と深いものになっていく。
若井「んんっ…りょうちゃ……」
前に元貴とキスしたのなんて一体いつだろう。
こんな状況なのに俺は性懲りもなく、また元貴の事を考えていた。
長かったキスが終わり、涼ちゃんに見つめられる。
藤澤「元貴はこんなに可愛い若井の事、放ったらかして贅沢者だよねぇ。若井もそんなに元貴に尽くさなくていいよ。……ねぇ、前みたいに僕ともシよ?」
俺と涼ちゃんは、元貴に言われてした活休中の同棲の際に、酔った勢いで1回だけシたことがある。
元貴と付き合ってる時に…だ。
あの日シた事は、若気の至り。お酒のせいということで、元貴には絶対秘密にしようと二人で約束していたのだ。
若井「ダメだよ……涼ちゃん。元貴にバレたら…。」
藤澤「前だってバレなかったじゃん。それに、今の元貴に若井を責める資格はないよ。若井も我慢ばかりしてると、本当におかしくなっちゃうよ?僕で発散しなよ。」
涼ちゃんに胸を撫でられ、ビクッと体を震わせてしまう。
涼ちゃんの見た事ない様な、鋭い目線に俺はドキドキしてしまう。
そうだよ…元貴が触らせてくれないのが悪いんだ。
このまま涼ちゃんに身を任せてみよう。
俺が頷いたのをみると、そのまま涼ちゃんは俺をソファの上に押し倒した。
コメント
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うわぁぁ若井さん…… 涼ちゃんに優しく抱きしめられてこんなに優しい言葉をかけられたらそうなっちゃうよね…… 大森さんがあれだけ冷たいから涼ちゃんの優しさに縋りたくなっちゃうよね若井さん…… 大森さんに…バレないと良いけれども……うわぁぁんほんとにちぃちゃんの書くお話大好き…!!!
若井さん…仕方ない!仕方ないよ!情状酌量の余地はある! でも…言い訳と後悔はしないように準備しといてねっ!