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「あ、えっと、それでですね…
何から話せばいいものか…」
「あ、私の名前は△×です、こっちが、×〇で、」
「あの、嘔吐中枢花被性疾患って、?」
嘔吐中枢花被性疾患
主に恋をしている者が患う病。
片思いを拗らせるとなる、といわれている。
嘔吐をした時に花を吐く。
花が増殖し、窒息して死ぬ可能性がある。
嘔吐中枢花被性疾患者が吐いた花を触ると
触った者が嘔吐中枢花被性疾患にかかる。
触った者に好きな人がいない場合、出来た時に
症状が出てくる。感染病。
花言葉を意味とし、吐く者もいれば、
色を意味とし、吐く者もいる。
症状が出るのは人様々。
1ヶ月に一回の者もいれば
週に一回、不定期の者もいる。
糸師凛は不定期だった。
スポーツ選手でそれは痛手だ。
人前で吐くかもしれない、チームメイトに花がかかってしまうかも、患わせてしまうかも。
好きな人の前で、吐いてしまうかも。
友情なんかぬりぃ、友達なんかいらない。
恋なんてサッカーには邪魔な存在でしかない。
そんな精神で生きてきた凛。
嘔吐中枢花被性疾患だなんてバレたら、?
考えるだけでも鳥肌が立つ。
「ほんとっ、にっ…すみまぜん…っ」
「もうかかっちまったもんは仕方ねぇよ、」
「でもっ…っ」
「俺に好きなやつなんていねぇし気にすんな。 」
そう言って金を置いて席を立つ。
「ぁ、待って!お金は私達が!」
「別にいい。」
「でも、わ「別にいいって言ってんだろ。」
とにかくすぐに家に帰りたい。好きなやついねぇって言っちまったし、こんなとこで花なんか吐いたらやべぇ。
まだ休みはあるし、気長に考えよう。
「嘔吐中枢花被性疾患って病院で取り扱って貰えんのか、? 」
これから大変になりそうだ。
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