※ないんさんのコンテスト作品です
※こんなんで良ければ見て下さい!
※ないんさんの作品愛してます👊
「じゃあ、お疲れ様でーす」
「うぃー、お疲れーって、何持ってんの?」
社員さんとの話し合いが終わり、書類をまとめていると、彼のバッグから赤色や水色のものが見えた。
「あー……これですか……、今日猫の日だからってほとけくんと初兎くんが置いてったんですよね……」
彼は面倒くさそうにため息混じりで言う。
そして、こちらを向くと、不自然な笑顔を浮かべ、こちらに向かってきた。
なにか悪い予感を感じつつも、じっとしていると、
「ないこさん、これあげます。可愛いんじゃないですか?」
案の定、それを押し付けられた。
押し付けられた物を見ると、それはいれいすの猫耳カチューシャだった。
「じゃあ、お疲れ様でーす!」
逃げるように社長室を出ていった彼。
男が猫耳カチュ持ってるのはキツイってのは分かるけど……。
「にしても、これ出したの1年前かぁ…… 時の流れはっや……」
なんて、去年の冬ツアーのことを思い出す。
「猫耳つけてたリスナーちゃんたち可愛かったなぁ……w」
ちょっとした好奇心で、カチューシャを手に取る。
頭に装着した所で、ガチャリ、と扉が開いた。
「ないく、」
「あ゛。」
「……」
「おぉストップストップ!!!撮んなバカ!!!!」
「えぇー……折角いれいすのグルラで晒してあげようと思ったのにー……」
「晒さんでええわ」
社長室に入ってきたなり、スマホを構えたりうらを必死に止める。
やばい、こんな姿見られるとか想定外過ぎた。
恥ずかし過ぎて体中が熱い。誰か俺を殺してくれ……。
「はぁ……はずっ……。 で、要件は、りうらくん?どうしてこんな最悪なタイミング来ちゃったの……」
カチューシャに手を掛けながら、ため息混じりにりうらに問う。
「だめ。外さないで」
「……は?」
カチューシャに掛けていた左手をりうらに掴まれる。
「猫耳つけてるないくんレアだし。可愛いし。」
目を見ていってくるもんだから、また顔が熱くなる。もう爆発しそう。
「んふふ、かわいーねないくん。」
「ぁ……っ、」
いつもなら感じないはずなのに、顎を撫でられ、吐息と微かな喘ぎ声が零れる。
「ネコって顎撫でられるの好きらしいね、」
ここが社長室、だなんてことも忘れて、りうらに呑まれてしまった午後9時。
後日、ないこの猫耳写真がちゃんとグループラインにて晒された。