テラーノベル
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地雷さんや苦手な方はそっと閉じてください
この作品はご本人様と何一つ関係ありません
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それでは楽しんでいってください!
葛葉さん視点。
「ごめん、そういうの無理。」
冷たく突き放すように言い放つと目の前の体がぴしりと固まって動かなくなる。いつも通りの収録帰り、いつもと同じ焼肉の店。何一つ変わらない日常が確かに崩れ落ちた瞬間だった。
『えっ、いや、、葛葉…あれ?』
一気に酔いが冷めたのか青ざめていく顔。そこにいつもの血色の良い笑顔は無かった。これもいつもと違う。そして重ねられた手もいつもと違う。違う、こんなの俺達じゃない。
ぱっと手を離して距離を取る。その間にも肉は焼かれ続けててジューと音を立てて食欲をそそる香りで溢れかえっていた。
「好きって何?俺達、そういうのじゃないだろ。ただの相棒、ちょっと仲いいビジネスパートナーってだけだろ。酔い覚ませよ。」
『ビジネスって、、、、、、。』
さっきよりも青ざめた顔で俺に近づこうとしてくる叶を睨みつけてその場に留めさせる。可哀想だな、なんて他人事な考えと叶を拒絶する冷酷な思考が頭を駆け巡る。どちらにしても俺は今、ここに居るべきじゃないな。肉がついに焦げ始めて不快な香りに眉を潜める。あんなに美味しそうだったのに数秒でこれだ。それに俺達も数秒前までは楽しく酒を飲んでただけ。これほど時間がたつ事を憎むことはもう一生無いだろうな。
『ごめん、葛葉。これは違くて…。』
「違うなら尚更無理。酒の勢いで全員に告白してんならやめた方が良いよ。」
『そういう訳じゃッ!! 』
「じゃあどういう訳なの?なんの好き?」
言葉を詰まらせる叶。ほら、すぐに出てこないならガチじゃんか。面倒くさいなぁ。それに叶もこんな俺に惚れて可哀想。哀れだよ。
「俺、帰るわ。お金置いとくからな。」
『待って!!葛葉!!!』
ぐぐと強い力で掴まれた腕を振り払う。叶にこんな強い力を使った事は無かった。だから叶は驚いているし腕から血も流している。お前は知らないんだよ、分かった気になってるだけで俺の事をなんにも知らない。現に俺がこんなに力強い事もお前をビジネスパートナーだと思ってた事も今、知っただろ。本当にバカだな。
「じゃあな。」
とうとう泣き出した叶を置いて店を出た。
叶さん視点。
葛葉が出ていった。葛葉に軽蔑されて拒絶された。その事実が頭の中でぐるぐると周り続ける。お酒の勢いで手を握ってしまった。気持ちを伝えてしまった。葛葉なら顔を赤くして頷いてくれるんじゃって期待もあった。でも結果がこれだ。
『ビジネスパートナかぁッ…。』
確かに良く考えるとそうだったかもな。葛葉は僕に心を開いている様に見えた。いや、そう見せてただけなのか。そんな事にも気づかなかった。あの大喧嘩の後に僕は不満が無くなって仲良くなった。でもきっと葛葉はあの大喧嘩の後から何一つ変わってなかったんだろうな。焦げた肉を勿体ないからと口に含むと苦い味が広がってすぐに食べるのをやめた。
それから葛葉は収録に来なくなった。電話もメールも繋がらなくて事務所にも来ない。いわゆる行方不明になったんだ。誰も居場所を知らなくてブタさんも知らないらしい。
『ねぇ、何処にいるの?葛葉…。』
震えた泣き声が部屋の中に響いた。
はい!
ここまで読んでくれてありがとうございます
これが「お前俺の事好きなんじゃないの?」の初期案でした。全然違いますね笑。勿体ないないので投稿します。ケチなのでね。
以上きい。でした(*‘ω‘ *)
コメント
2件
初期案!?ウキウキで見てました。酒の勢いで告白してしまって拒絶されるの最高ですね!これが現実って感じがします😊。叶さんの恋は報われるのか気になってしまう!