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#無理矢理
檻の中の苺
エピソード5
あの日、電話を終えてから気づいたことがある。それは、「相手に身分を隠して向かうか、隠さずに向かうか」問題。あの人と話せるかもしれないということで頭がいっぱいで、自分自身の身分のことを忘れていた。なんてことだ…
趣味の時間に何度も読み返している小説本の表紙を見つめながら考える。身分を隠して行ったほうがなにかと安全なのは明らかだ。しかし、ようやくあの人と再び会えるというのに隠し事はしたくない。でも、身分を隠さずに行ったとしても、やっと面と向かって話せるようになった相手に王だということがバレ、「国王陛下だったのか…!?」と、驚かしてしまい距離を置かれるかもしれない。どちらにしろ、デメリットが目立ってしまう…
考えても考えても答えが出せず、困り果てているとふと、手に持っている本のとあるセリフが脳裏をよぎった。
「実行しても実行しなくてもダメそうなら、もう実行してしまうほうがいいだろ!
どちらに転んでもどうせ後悔するなら、挑戦して後悔したほうが人生の経験にもなるし!
あ、ほら!当たって砕けろ!ってやつだよ!」
…そうだ。身分を隠したとしても隠さなかったとしてもおそらく後悔する。それなら、身分を隠さずに行って、僕のことを正直に伝えたほうがいい。
無事に決断と覚悟を決めることができたおかげで、その後の公務はいつもよりも集中することができた。
そしてついに来た、あの人の家に向かう日。
用意していたお気に入りのスーツに着替え、愛用の真紅のネクタイを付ける。
そして、事前に極秘で頼んでいた、僕のボディーガードの中でも特に優秀で信頼感がある1人に合図を送った。
そして再び、城を抜け出した。
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