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テラーノベル(Teller Novel)
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「この馬鹿息子……ソル、お前は帝国から出ていけッ!!」


強力な水属性魔法を浴びて俺は吹っ飛ばされた。

とんでもない水圧で地面に叩きつけられ、壁に激突。息が出来なくなった。


「――ッ! こ、このクソ親父……」

「我が家の恥さらしが……。魔法を使えぬとは愚者以下のゴミクズだ」

「仕方ないだろ、親父。俺には魔力がないんだ」

「黙れ、役立たず! 貴様の弟・ウォルターの方が優秀だ。水属性魔法を極め、今や聖十学院一の魔術師となった。なのに、ソル……貴様は無能! 使えぬゴミ! もういい、貴様の顔など二度と見たくない。出て行け」


衛兵を呼ばれ、俺は捕らえられた。

嘘だろ!?


「お、おい!」

「貴様を国外追放とする。衛兵、そのゴミを押さえつけておけ……追放テレポート!」


親父は俺にそんなスキルを発動した。

抵抗虚しく、俺は帝国の外に放り出されてしまったのだ。


クソ親父ぃぃぃいい……!!


気づけば一瞬で地面らしき中に突っ込んでいた。真っ暗で何も見えねえ。


もがいて地面から出ると、そこが砂漠だと理解できた。


どこだよ……。


――あぁ、いや分かった。


ここは『ヴァイカウント』という砂漠だ。地属性モンスターが徘徊していると、よく聞く。確か、ゴーレムだとか凶悪なバジリスクも生息しているって聞いた。


って、おい!!


親父の奴、そんな危険な場所に放り出したのかよ。最悪すぎだ!


「くそっ……これから、どうすれば……」


ふと視線を別方向に向けると、遺跡らしきものが見えた。……あれは、学院のヤツ等が噂にしていたな。砂漠の向こうには『地下迷宮ダンジョン』があるって。


そうか、あれが……本当にあったんだ。


どうせ行く場所もない。

追放されちまった以上、自分ひとりで生きていかないと……か。てか、俺って貴族ですらなくなったんだよな。ショックすぎる……。


けど、いいや。

親父の言う通り、弟のウォルターの方が優秀だった。俺はなにをやってもダメダメ。


だから、最近はこっそり筋トレをしたり、走り込みをしたりして肉体を鍛えていた。

丁度良い、己の力が外の世界でどれほど通用するか試してみるか。


溜息を吐きつつ、ダンジョンへ向かった。


* * *


噂の地下迷宮ダンジョンに入っていく。

なぜか冒険者の姿は見られなかった。


なんだ、過疎っているのか?


『…………ゴォォォォ』


ダンジョンの奥から、そんな悪魔みたいなうめき声が聞こえたような。


「うわ、こわっ……」


けど、俺は地下へ続く階段へ進む。

地下一階に入ると、薄暗くて……でも、たいまつのおかげで何とか先が見えた。

通路は思ったよりも広い。

なるほど、本当に迷宮っぽくなっているのか。

少し歩くと、紫のスライムが現れた。早くもモンスターのおでましか。

俺に武器はない。

ないが、拳がある。

殴って物理攻撃するしかない。


『ポヨンポヨン……』

「ぽよぽよ跳ね飛びやがって……くらえッ! ただの拳!」


俺は鉄拳を加えた。

するとスライムは一撃ではじけ飛んだ。


おぉ、楽勝じゃないか。

鍛えたかいがあったな。と、満足していると奥から悲鳴が聞こえた。


『きゃああああああ、助けて!!』


「……! 女性の声だ。今助けるぞ!!」



俺は猛ダッシュで奥へ向かう。

すると、女の子が腰を抜かしていた。

直ぐ傍には包帯グルグル巻きのミイラのようなモンスター。アイツが襲っているようだ。

しかも、女の子のシスター服をビリビリ破って……ヘンタイモンスターか!


「た、助けて……このままだと、わたくしの服がぁぁぁ」


「…………」

「ちょ、冒険者さん、なんでぼうっと見てるのです!?」


「……あ。いや、そのすまん。もう少しで見えそうだったから」

「ひ、ひど! 助けてくださいまし~」


「分かった。今すぐ助けてやるから――おらああああああ!!」


ミイラ男をぶん殴った。

ミイラモンスターは、吹き飛んではじけ飛んだ。

やっぱり、一撃か。


「お……おぉ、冒険者さんお強い!」

「まあ、鍛えているからな。ところで君、大丈夫か。シスター服がボロボロだけど」

「助けていただき、ありがとうございます……きゃ!?」


服がズタボロなことに気づく女の子は、顔を赤らめた。可愛いな。


「仕方ない、俺の服を使え」


俺は自身の服を脱いで女の子に渡した。

さすがに下着姿でウロウロされるのもな。


「……良い人! ありがとう、冒険者さん」

「い、いや、いいんだ。ていうか、パーティとかいないの?」

「いません。わたくし、ひとりぼっちで……」


「ぼっち? 嘘だろ。ここって地下迷宮ダンジョンだぞ。危険なモンスターもうようよいるし……って、俺もひとりだけど」


「そうだったのですね。あの、お名前は?」


「俺はソル。君こそ名前は?」

「わたくしはアニマです。アニマ・ヴィルヘルム・ファン・ヴァッセナールと申します」


名前、長ぇなオイ。

なら単純に『アニマ』でいいか。


「よろしく、アニマ」

「はい。助けて頂いたお礼に、スキルを差し上げます」

「え? スキル?」


その瞬間、俺は水色のオーラに包まれた。……なんか、いきなり始まったし!! びっくりしたぁ。

俺の中に熱が帯びていく。

なんだ、なんだこの初めて感じる感情のようなもの。凄い、湧き出てきやがる。


「スキル付与完了です」

「な、なんだい……この力は?」


「それは、ダンジョン内に温泉を作れる温泉開発スキル『スプリング』です」

「温泉開発!? スプリング!?」


「はい。わたくしでは使えなかった力なのです」

「どういうことだい?」


「わたくしは世界各地にあるダンジョンに温泉を掘ろうと思ったんです。今や、ダンジョンの難易度は上がっていく一方……なので、せめて冒険者さんを癒してあげられないかと、思ったんです」


そういえば、学院でもよく話題になっていた。

ダンジョンは日に日に難易度が上昇していると。その原因は分からないけど、モンスターがどんどん強くなっているんだとか。


どうやら、アニマはダンジョン情勢を憂いて、なにか役に立てないかと各地を回っていたようだな。


「ていうか、君は何者なんだ……」

「わたくしは、その……いわゆる『聖女』と分類される存在でして……お恥ずかしいですけど」

「聖女だって!?」


嘘だろ……。

聖女といえば、世界に四人しかいないという高貴な存在だ。滅多にお目に掛かれない天上の人と聞いたけどな。


こんな銀髪の少女だったとは。


「本当ですよ。その力を使ってみれば分かります!」

「力ねぇ。てか、俺に温泉を掘れと!?」

「はい。わたくしの使命をソル様にお任せします!」



そんな使命を託されてもぉ!?

……まあでもいいか。

他にやることもないし。



「で、このスプリングの使い方は?」

「えっとですね。例えばそこの壁です。そこ手をかざして魔力を込めると~、はい、出来上がり! です!」


「ま、魔力かよ。俺に魔力はないぞ?」

「大丈夫です。聖女の魔力は万能なんですよぉ~」


そんなドヤ顔されてもな。

むちゃくちゃ可愛いけど。


騙されたと思ってやってみるか。


俺は適当な壁に手を向けた。


「魔力……魔力か。どうやって使うんだ?」

「目の前だけに集中してください。周囲の自然を感じ、雑念を払ってください。それから、楽しいこととか、やりたいことを念じるんです」


「……分かった」


「それからそれから、食べたいものとか! ケーキとかケーキとかいいですよね~」


「ちょっと、うるさいよぉ!?」

「……はぅ、すみません」


ケーキは絶対関係ないだろ!!

アニマが食べたいだけだろうな。


だが、不思議と気持ちが落ち着いて、俺は魔力を解放できたんだ。……ウソ! こんな力が俺にあったのか!!


やがて、魔力は壁を崩して変形させていく。マジかよ。マジなのか。


一瞬で出来上がる温泉らしきもの。



「ちょ、これは……温泉だ」

「はい、温泉ですね! 凄いです!」



目の前には壁が崩れて出来た温泉があった。

湯気が立ち、お湯も張っている状態だ。


シンプルだけど本当に温泉が出来てしまった。



「これ、入れるんだよな?」

「もちろんですよ。入ると体力と魔力が回復するんです! 見ててくださいっ」



服を脱ぎ捨て裸になるアニマは、そのままダッシュ。温泉へ飛び込んだ。って、脱いでるし!!

幸い湯気のおかげで肝心な部分は見えなかったけど。



『ザブ~~~ンッ!』



温泉に飛び込んだアニマは、気持ち良さそうな声を漏らした。



「はぁ~~~~~気持ちい! この為にがんばってきました。ソル様、ありがとうございます!」

「いや、俺っていうか、君がくれたスキルだろう」


「いえいえ。そのスキルは筋力パラメータに影響されるんですよ。なぜか分かりませが」


「筋力なのかよ」


筋力には自信があった。散々トレーニングしていたからなあ。その影響かね。


「ソルさんも温泉に入りませんか?」

「いやいや、さすがに混浴はどうなの……」

「それはソルさんが決めることです! だって、温泉を作れるのはあなただけなんですから」


「え、俺だけ?」


「その通りです。その力は世界唯一のスキルなんですから」


マジかよ。それって凄いことじゃん。俺だけってことだもんな。……まてまて、よ~く考えろ俺よ。

この力を使って温泉経営すれば大儲けできるんじゃないか!?

稼いで稼ぎまくって、親父の鼻を明かせるんじゃないか!?


これは彼女がくれた逆転のチャンスだ。なら、俺は温泉を作りまくって温泉王になってやる。


「決めたよ、アニマ。俺は温泉事業を始める。君の言う冒険者の|補助《サポート》をしたい」

「おぉ、素晴らしい! わたくしと同じ道を行ってくれるのですね」

「そうだ。けど、もちろん稼ぐ為もある。それはいいか?」


「ええ、お金がなければ食べていけません。恵まれない子供達を助けてもあげられませんから」


そうか、アニマはその為に……なら尚更、俺は止まっていられない。



* * *



【一週間後】


俺は温泉開発スキル『スプリング』を使って、地下迷宮ダンジョンの一階、五階、十階とそれぞれに温泉を作った。


もちろん『有料』で。


一回の入浴料は500ベル。


ベルは、帝国の貨幣。

100ベルでジュースポーションが買えるレートだ。今目標にしている小屋を飼うには30万ベルは必要だ。家はざっと1000万ベル。遠いな。


「ソルさん、温泉がだいぶ形になってきましたね」

「ああ、お金を支払わないと通れない扉も取り付けた。これでセキュリティも万全だ」

「お金を投入しないと入れない仕組みにするなんて、凄いです」


これは温泉開発スキルの一部能力にあったものだ。


木材、鉄などの材料をダンジョンで集め、温泉専用扉を生成スキルで完成させた。


お金を入れれば自動で開く、自動精算なのでお金が楽々貯まっていく。しかも、温泉はメンテナンスフリー。

魔力によって清潔感が保たれる仕組みだった。


「いやぁ、ソルさんの温泉は最高だよ!」「さすがソルさん、こんな温泉を掘れるなんて」「温泉スキルなんて聞いた事がないよ」


パーティ三人組は笑顔で使用感を教えてくれた。

最近は本当に冒険者も増えた。


過疎だった地下迷宮ダンジョンに再び冒険者が増えたんだ。


その理由は明白だった。


俺の『温泉』だ。


体力と魔力を格安で回復できるものだから、攻略が進むようになった。その噂が帝国中に広まって、冒険者が殺到した――というわけだ。


今や、俺の温泉・パルテノンは一躍有名となった。


おかげでだいぶ稼げた。


「さすがソル様です!」

「いやいや、アニマも看板娘としてサポートしてくれるし、助かっているよ」

「そんな。わたくしなんて……」

「胸を張っていい。そもそも、力をくれたのはアニマだし」

「ソル様……嬉しい」


最近、アニマは甘えん坊で子供の様に俺にしがみついてくる。ベールの上からだけど、頭を撫でるとアニマは喜ぶ。可愛すぎだろ……。


そんな時だった。


図太い声が俺の名を呼んだ。


「ソ、ソル……!」

「親父……どうして」


そこには顔を引きつらせる親父の姿があった。


「聞いたぞ。こんな地下迷宮ダンジョンの一階で温泉を始めたそうだな。今や大儲け……名も帝国に轟いている」

「ああ、そうだな。で、なにしに来た」

「その……ソル。我が家に戻ってこないか?」


「は? はああ!?」

「わ、私が悪かった。お前は無能のゴミではなかった。訂正する」


「訂正するぅ? それけかよ、親父! 俺は深く傷ついた。それに、なにもないところに捨てられて……なにもかも失った!! 今更戻ってこい!? 遅すぎるんだよ!!」


「……こ、この通りだ、ソル」


なぜか土下座する親父。

そこまで切羽詰まっているのか。

プライドを捨てるほどに。


「親父、俺はもう家に戻らねえよ。ダンジョンこそが我が家だ! 温泉事業をこのまま拡大して、俺はもっと稼ぐ!! 冒険者たちの……お客様の助けになりたいんだ」

「頼む……」

「頼むじゃねえ! 俺はお客様の笑顔の為なら、この事業に一生を捧げる覚悟だ。この仕事を邪魔するなら、たとえ親父だろうが許さん……!」


俺はキッパリ、サッパリ言い放った。

そうだ、親父は俺を捨てた!!


無能と罵り、蔑み、慈悲もなく、憐れむこともなく……この息子である俺を捨てたんだ!!!


絶対に許さん!!


「ソル、そこをどうか……」

「お断りだ。帰ってくれ」


「ぐ……ぐぬぅ!! おのれ、ソル!! こうなれば実力行使だ。お前を無理矢理でも帝国に、我が家に帰す……!」


親父は腕を伸ばし、俺の腕を掴もうとした。だが、アニマが俺の前に立つなり、手をかざした。


「ソル様のお父様、彼はもう立派に独立しているのですよ。邪魔をしないでください」

「銀髪の少女、お前こそ邪魔をするな!」


アニマの頬を叩こうと親父は手を伸ばす。……させるものか!!


「この、クソ親父が!!」


俺は温泉開発スキルを発動。

お湯を放出して親父をぶっ飛ばした。


「あんぎゃああああああああああああ!!! あちいいいいいいい!!!」


沸騰したお湯を浴びる親父は、顔面を押さえて叫ぶ。そして、逃げていった。


「ソル様、これで良かったのでしょうか」

「俺はアニマと温泉経営をしていくって決めた。だから、良いんだ」

「……良かった。帝国に帰ってしまうのではないかと心配しました」

「それはない。だって、アニマと一緒にいる方が楽しいからね」

「まあ、嬉しい! ソル様ってばお上手です」


ぱぁっと笑顔を浮かべるアニマは、俺に抱きついてきた。


* * *


あれから、俺は温泉開発を更に進めた。

今や温泉のレベルも【Lv.999】となっていた。どうやら、温泉にもレベルがあるらしく、開発すればするほどレベルアップするらしく、広さや質、置ける設備が変化するようだ。


今や異国の国の温泉を再現した『銭湯』とか『神殿温泉』も多数存在する。


「あれから二ヶ月かぁ。いろいろ苦労したな」


地下迷宮ダンジョンの前に立てた屋敷で、俺はぼうっとしていた。

温泉開発を始めて、たった二ヶ月で俺とアニマは大金持ちになった。総資産は推定5000万ベル。


おかげで屋敷も建てられたし、今や冒険者の憩いの場にもなっていた。


地下迷宮ダンジョンは、温泉目的でやってくる冒険者も多くなったほどだ。


「お疲れですか、ソル様」


肩を揉んでくれるアニマ。

常に優しく接してくれて、俺の癒しだった。

アニマは温泉だけでなく、傷付いた人々をヒールなど治癒スキルを使って癒していった。聖女の力は本当に万能だった。


「いつもありがとう、アニマ。君のおかげで俺はここまで成り上がれた」

「いいのですよ。わたくしは温泉を作りたかった。人々の役に立ちたかった……ただ、それだけなのですから」

「これからも一緒にがんばろう」

「はい、ずっとずっと一緒です」


ダンジョンは、地下迷宮ダンジョンだけではない。世界各地に多く存在する。


モンスターは日々、強くなり冒険者を苦しめている。俺はそんな人達の為に温泉を作りたい。その志はアニマも同じ。


「よし、近々旅に出るか。二人きりで」

「いいですね! 新婚旅行もしないと」

「し、新婚旅行って……俺等、結婚はしてないぞ」

「え~、わたくし、こんなにソル様のことを愛していますのに」


抱きついてくるアニマは、そうサラリと言った。いや、俺もアニマは好きだ。けど、恋愛経験もないし……本当に俺なんかで大丈夫なのだろうか。そんな心配があった。


「いいのか、俺なんかで」

「なんかではありません。わたくしは、ソル様が良いんです」


そう言ってアニマは俺にキスしようとしてきた。……ああ、これがアニマの気持ちなんだ。俺も素直になろ――おぉ!?


『ゴンゴン……』


扉をノックする音が響く。

くそっ、良い所で!


お客さんかな。



玄関へ向かうと――そこには。



「あ、あの……わたし、辺境の地にある『アヴァロン』というエルフの村からやってきた……エヴァと申します」


「「エルフ?」」


俺もアニマも首を傾げた。

エルフのお客さんは珍しいな。

たまに連れ添っているパーティもいるけど、その程度。単独行動している人は珍しい。


「あの、ソル様ですよね」

「ああ、俺がそうだけど」

「やっぱり! どうか、アヴァロンにも温泉を作っていただけないでしょうか」

「エルフの村に?」

「そうなんです。お願いです。もし温泉を作っていただけたら、わたしの身を捧げますから」


「「んなッ!?」」


おいおい、身を捧げるってマジかよ。そこまでの覚悟なのか。

いや、けどこの金髪エルフはスタイル抜群。おまけに巨乳だ。……なんだか大変そうだし、相談くらい受けてもいいかな。


「分かった。中で詳しく聞こうか」

「ありがとうございます!」


先にエヴァを行かせた。

直後、アニマから耳打ちが来た。


「ちょっと、ソル様……どういうことですか」

「そんなジトッとした目で見ないでくれ。いいじゃないか、人助けだし」

「そ、それはそうですけど……浮気はダメですよ、絶対」

「なんだ、アニマ。嫉妬しているのか」


「んなッ!! そ、そ、そんなわけないじゃないですか! もう、ぷんぷんですよ」


ぷくっと膨れるアニマはすごく可愛かった。

だからこそ、俺はアニマが欲しかった。


「アニマ、ほら……キスの続きを」

「……ッ。ソル様、わたくし」

「いいだろ」

「……はい」


そっとキスを交わし、俺は気持ちを行動で伝えた。

エルフさんには申し訳ないけど、しばらく俺はアニマとゆったりとした時間を過ごした――。

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