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青視点
青「ふぅ〜…」
瞳を閉じ、息をゆっくりと吐き出す。次に瞳を開くと写り込んでくる鮮やかな駅前の景色。道行く人々は休日だけあってみんなオシャレな服に身を包んどる。
そんな中で俺は英字プリントのTシャツの上に青系グラデーションの透け感のあるシャツに少しダボっとしたグレーのデニムパンツ姿や。靴は黒のサンダルで鞄は黒基調のショルダーバッグや。そう、昨日ないこに選んでもらった通りの服装や。髪は軽くセットしたが、普段せぇへんから上手くいったか自信がない。ないこに写真を送って大丈夫やとは言ってもらったがほとけの反応を見るまで不安で仕方がない。
俺は気合いが入りすぎてだいぶ集合時間より早く着いてしまった。緊張で変な汗をかいたり、その場を歩き回ったりとかなり挙動不審な自覚がある。スマホをいくら弄っても集合時間はまだ遠い。もう少しゆっくり家を出れば良かったと何度後悔したか分からへんくらいや。
ピコン
青(あ…)
ほとけからもう直ぐ着くとメールが届いた。もう直ぐほとけと会える、そう考えただけで頬が緩み出す。初めて見るほとけの私服姿。どんな服装なんやろうか?カジュアルな服装も似合いそうやし、ストリート系とかも案外似合いそうや。
水「いふくーん!」
青「!」
手をブンブンと振りながら俺の方へ向かってきたほとけ。カジュアルでゆるっとした服装に身を包んどってすごい似合ってる。
青「おはようほとけ!」
水「おはよういふくん!早いね!」
青「つい楽しみではよ着いてもうてなw」
水「そうだったんだ!いふくんらしいねw」
青「俺らしいってなんやねんw」
水「んー、そのままの意味、?」
青「な、るほど…?」
二人して首を傾げた。なんだかそれが変で、二人で顔を合わせて大笑いした。
水「はー、笑ったw」
青「な!www」
笑いすぎて出た涙を手で拭う。思いっきり笑ったおかげで緊張がほぐれた。
青「今日はどこ行くん?」
水「この近くの通りに服屋とか雑貨屋とか並んでる通りがあるでしょ?」
水「そこに行きたいなーって思うんだけど、いふくんもそれで大丈夫?」
青「おん!ええと思うで!」
水「やった〜!」
ほとけの笑顔の可愛さに胸が打たれる。今日俺心臓持つかな、、、?
水「それじゃあ早速行こ?」
そう言ってほとけが俺の手を掴んで走り出した。驚いて気の抜けた声を出す俺をほとけが揶揄う。普段揶揄われたらイラっとするのに、ほとけには不思議とイラっとはしなかった。むしろこの関係が心地いいと思った。そして俺は改めて確信した。俺は思った以上にほとけに惚れ込んどるみたいや。
水「ねぇねぇ、この服いふくんに似合いそうじゃない!?」
青「ん?」
ほとけに声をかけられ、振り返る。ほとけは黒に白いラインが入ったパーカーを手に持っていた。
青「確かにこういうのええな…」
水「でしょ?鏡で見てみてよ! 」
青「おん!」
鏡の前に向かい、パーカーを自分の体に合わせる。シンプルやけど胸元に入ったロゴなどのおかげで単調すぎず着回しも効きそうや。値段もそこまで高くないし、せっかくほとけに選んでもらったんやし買おうかな…
青「気に入ったし、俺これ買おかな」
水「いいじゃん!外で待ってるね〜!」
青「おん、わかった!」
レジに向かい、会計をする。お店のロゴが入った紙袋を受け取り、店を出る。そしてスマホを弄っとるほとけに声をかける。
青「おーい、ほとけ」
水「あ、いふくん!」
パッと花が咲いたような明るい笑顔で俺の名前を呼ぶほとけ。その笑顔に胸がキュンとなる。
水「次どこ行こっか〜?」
青「うーん、せやな〜…」
歩きながら次に入る店を考える。キョロキョロと辺りを見回し、どんな店があるかを見る。可愛らしい服が立ち並ぶ女性向けの服屋やおしゃれなカフェなど色々な店が立ち並んどる。
青「あ、あそこなんかええんちゃう?」
水「んー?あ、雑貨屋さんだ!」
水「いふくんって意外と可愛いもの好きなの?」
青「え、まぁ…///」
水「照れてて可愛い〜!」
青「〜〜ッ!///」
ニヤニヤとしながらほとけに揶揄われる。恥ずかしくて顔が茹蛸のように真っ赤になる。ほとけの前やと上手く取り繕えへん。
水「ふふ、揶揄ってごめんね?早く行こっか!」
青「おん!///」
ほとけに手を引かれて雑貨屋に入る。所狭しと並んだ可愛らしい雑貨たち。落ち着いた色合いでどれも心惹かれる。
青(あ、、、)
気づけば手に取っていたのは鈴の付いた猫と狐のキーホルダー。気怠げな表情な猫と笑顔を浮かべた狐。なんだか俺とほとけに似とる気がした。
水「それかわいいね!」
青「やんな、なんか俺らに似とる気がせん?」
水「確かに!w」
店内に小さな二人の笑い声が響く。そんな時間がただ幸せで、いつまでも続けばどれほど幸せやろう。でも、永遠に続かないことぐらいわかっとる。時間は有限で楽しい時間ほどあっという間に過ぎ去ってしまう。それでも今この瞬間が最高に楽しく、て永遠に続くことを願ってまう。
徐にほとけが二つのキーホルダーを手に取った。
水「これ僕、買ってくるね!」
青「え、俺の分まで悪いって…」
水「いつも仲良くしてくれるお礼!」
そう言ってほとけは満面の笑みを浮かべてレジを歩いていく。
青「…///」
いつもは可愛いほとけがかっこよく見えた。いつものあの花が咲くような笑みがさっきは王子様のようだった。俺だけに向けられた表情に胸がときめいて顔に熱が集まる感覚がする。
水「あれ、いふくん?」
紙袋を持ったほとけが不思議そうに俺の元へやってくる。
水「お顔真っ赤だよ?体調悪い…?」
青「べ、つにそういうわけじゃ…///」
身長的に上目遣いで眉を下げて俺を心配してくれとるほとけ。その姿にドクドクと心臓が波打って脳内が心音だけで占拠される。
その後もほとけに心配されながら顔の熱が引くのを待った。可愛いのにカッコええやなんて、そんなんズルイやん…
なんて恋する乙女のようなことを考えた。
みなさんお待たせしてすみません!作者のくらげです💦
実は最近メンタルの調子が良くなくて投稿頻度が今まで以上に下がってしまいそうです…
一応高校卒業する再来年の3月までは最低でも続けるつもりなので、これからも応援してくださると嬉しいです…!
クリスマス滑り込み深夜投稿失礼しました!
✧*。🎄𝐌𝐞𝐫𝐫𝐲𝐂𝐡𝐫𝐢𝐬𝐭𝐦𝐚𝐬🎄✧*。
コメント
2件
久々の投稿めちゃくちゃ嬉しいです!それに、くらげさんの書くお話は全部好きです! これからの活動も応援してます! そういえば、Xもフォローしてます!