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莉犬視点
久しぶりに夢を見た。
まだ幸せで、無邪気だったころの夢。
俺もぷりちゃんも今よりずっと純粋で、心の底から楽しむことができていた。
何も持っていなくも、2人でいればどんなことも平気だった。
でも、一瞬にして悪夢に変わった。
『お前、” ”なんだろ?(笑)』
この声は、俺が殺したアイツのものだ。
アイツのせいで、俺は居場所を失っていた。根も葉もない噂で。
「、、、、、、ぬくん。」
なんて言われたんだっけ。とても不快で言われたことが許せなかったことは覚えてる。
そこからはよく覚えてない。
「、、りいぬくん。」
我に返った時、アイツの肩を突き飛ばしたところだった。
慌てて確認した。声をかけてみたが、返ってくることはなかった。
今でも思い返すとあの時感じた焦燥や恐怖が押し寄せてくる。
「莉犬君?」
心配そうなぷりちゃんの声で俺は目が覚めた。
電車の中でうたたねをしていたみたいだ。
今は海に行って、死ぬ道中だったことを思い出した。
ぷりっつ視点
「おはよう、ぷりちゃん。」
起きたようだ。夢でうなされていたようだったから声をかけたのだが、思ったより平気そうで安心した。
「おはよ、莉犬君。」
起きてすぐ、最寄りの駅で海の方向の電車に乗った。
しばらく電車に揺られていたのだが、莉犬君は寝落ちして、俺の肩に寄りかかっていた。
莉犬君を起こしたのも次の駅で降りて、歩くつもりだからだ。
「次の駅で降りようや。」
「そうだね。十分家から離れたし、そもそも帰ってこなかったことにも気づいてないだろうけど、追ってくることはないはず。」
「あんまり金がないから、節約したいしな。」
まだ海は遠い。着いたら何をしようか。
電車を降りたころにはお昼時になっていた。
「お腹すいたわー。」
「駅のコンビニでなんか買っていこうよ。」
「ええな。」
駅で降りたときにも思ったが、むなしくなるほど人がいない。
コンビニもセルフレジで、店員もいないみたいだった。
このあたりは人がいない田舎のようで、どこか落ち着きやなつかしさを覚えた。
各々食べるものを買って外に出た。
日差しを浴びると暑いぐらいの快晴で、雨が降る気配はない。
一気に肩の力が下りた。
「やっと、自由になれたな。」
「この狭い狭いこの世界からやっと逃げ出せたね。」
これから死ぬというのに、莉犬君はとても楽しそうで、満面の笑みを浮かべていた。
「ねぇぷりちゃん。」
「ぷりちゃんも家族とかクラスの奴らも何もかも全部捨てて、俺と2人だけになっちゃったけどよかったの?」
そんなの、よかったに決まってる。俺は、莉犬君がいたから居場所のない人生でも今まで歩んできたのだから。
「もちろん。遠い、遠い誰もいない場所で2人で死のう。」
うれしさを顔ににじませた莉犬君もそれを不謹慎だと思ってか、隠そうとした。
でも、俺は莉犬君を死なせるつもりはない。一緒にこれからも生きていくつもりだ。
裏切ろうとしていることへの申し訳なさに胸が痛んだが、俺のエゴでも、どうしても押し通すつもりだ。
前半の「” ”」の部分は思いつかなかったため、空白になっております。
この物語が終わるまでに考えて、ストーリーに組み込むつもりです。
サムネ画像の進捗です。ぷりっつ君は色塗りはしてありますが、まだ顔が描けていません。
長くなりました。
ご指摘やアドバイスがあれば、頂けるとうれしいです。