─────物心が着いた頃には何時も母は他の男性と一緒に出かけていた。父はとても良い人だった。だが、幼い頃の私でも分かるほどに忙しかった。だから、私はよく近所の公園で1人で遊んでいた。すると、同い歳ぐらいの子に声をかけたれた。
“一緒に遊ぼ”
私は了承して一緒に鬼ごっこをすることにした。
“えっとじゃあ、虎ちゃんが鬼ね!”
と言われた。私は別に虎と言う名前では無い。ただ虎のような耳と尻尾が生えているだけ。此処ではそんな事は普通だ。まあ、そんなことは置いておいて、早速私たちは鬼ごっこを始めた。だが、私が追いかけ始めてから1分と経たずに逃げていた子達を全員捕まえてしまった。
“つまんない”
“手加減してよ”
そんな事を言われても。
【君たちが遅いのが悪いんじゃないか。】
そのまま私は口に出した。隠したってどうにもならないだろう。本音を言っただけなのに、その子達からは何故か避けられてしまった。
“あの子と遊んでも楽しくない。”
こそこそと話す声。聞こえてないとでも思っているのだろうか。言う事があるなら正々堂々と言えば良いのに。とても気分が悪い。すると、1人の男の子が向かってきたと思えば突然。
“ばーか!!”
そう大声で言われた。突然にも程があるが私は大人の対応をしようと
そいつの腹に蹴りを入れた。
これは母から習った。
“変な奴がいたら蹴りなさい。これが大人の対応よ。”
そう以前教えられた。だから、言われた通りにした。すると、”ばーか”と言ってきた男の子は口から吐血をし倒れてしまった。
【雑魚にも程がある。私がどれ程手加減したと思っているんだい?】
そう私が言った直後、倒れた男の子の周りにざわざわと他の子供が群がってきた。
“大丈夫?”
“痛くない?”
そう言い乍男の子の周りに群がる。
【ッは。まるで腹が減っている虫が死体に寄っているみたいだね。それか、蛆虫と言った方が良いかい?】
───────何時間経っただろうか。気付いた頃には全員、倒れていた。いや、倒したと言った方が正しいか。仕方ないだろう?戦いを挑んで来たんだ。相手をしてあげないと。
これは父から教わった。
“戦いを挑んできたらどれだけ弱いでも相手をしてやれ。”
私は父の言う通りにしただけだ。
────────────────────…
お兄ちゃんが通りかかった。普段はとても優しいお兄ちゃんは血相を変えて私を叱った。
“…なんでこんなことをしたんだ”
私は今までの事を素直に話した。嘘偽りなく。
そうすると余計に怒られてしまった。
【なんでそんなに怒るの?】
私は怒られている理由が分からなかった。
“ただ”両親の言う通りにしただけなのに。
“……他の子はお前より弱いんだから手加減をしないとダメなんだ。”
“チュベローズ”
【そっか。弱者には優しくしないとね。お兄ちゃん。】
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