僕らはまだ死にたくない!!
第25話.第1期END.
▼START▼
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🫖𓈒𓏸目線
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ここに来てから沢山やったなぁ……。
もうそろそろ飽きて来たし、丁度いいや。
🧸*̩̩̥「……ぁ。来た。」
🫖𓈒𓏸「お待たせ〜。……で?どしたの?」
🧸*̩̩̥「……。ぃや。別に……。」
🫖𓈒𓏸「ん〜……。」
『謎解き…得意でしょ。』
と、隣に居る少女に話す。
🧸*̩̩̥「……いや。お姉ちゃんなら……。」
あぁ。そっか。多重人格…みたいな……。
🫖𓈒𓏸「……。」
これはもう少し後にした方がいっか。
🫖𓈒𓏸「…さて、じゃあ…__」
🧸*̩̩̥「行くんですよね。あそこに。」
『…分かってんじゃん。』
と、目で訴えてこの部屋を出た。
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🎐🫧目線
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久しぶりに■■を見れた。
久しぶりの■■はとっても大きかった。
まぁまだ私の方が身長勝ってる、…たぶん。
🎐🫧「……■■泣かないでよ。笑」
『なんで』と呟いてからずっと泣いている。
『目腫れちゃうよ?』
と、頭を撫でながら言う。
⚯˶「だってぇ……。」
『姉さんが居るって思わなかったもん…』
天使が泣きじゃくって、ライフを削られる。
🎐🫧「…お姉ちゃん居なくて悲しかったの?」
⚯˶「当然でしょ!!」
『僕がお姉ちゃんっ子なの知ってる癖に!!』
はい。ご最もです。知ってて聞きました。
⚯˶「…もう居なくなんないで……。」
ギュッと抱き着いてきた■■はすぅすぅと
寝始めてしまった。
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🧸*̩̩̥ 目線
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部屋を出て、とある部屋に向かう。
西さん…_月海さんのお兄さん。は、
静かに部屋を開ける。
🫖𓈒𓏸「…静かにね〜……。」
と、口の近くに1を出して『し〜』と呟く。
この部屋に残った、寺内さんか、寿葉さんが
寝ているんだろう。そう身構え、
部屋に入ると共に綺麗な歌声が聞こえた。
私も聞いたことがある歌だ。
子守唄を歌っていたのは寿葉さんだった。
膝の上で寝ている天使__寺内さんを
優しく包み込む様に、優しい目を向け、
頭を撫でながら綺麗な声で歌っている。
🧸*̩̩̥「(…天国みたい。)」
見た事は無いけど。
そんな事を頭で考えていると、少し驚いた顔で
私達を見る寿葉さん。
え。気付いてなかったの?
🫖𓈒𓏸「…集中し過ぎでしょ笑」
🎐🫧「んなっ!!」
やっぱりこう見ると……
🧸*̩̩̥「…ちゃんと恋人同士みたい。」
🎐🫧「…っえ!?」
慌てて手をバタバタしている。
🫖𓈒𓏸「……あはは〜。」
目を逸らしていく西さん。
バレていないとでも思っているのか。
🧸*̩̩̥「…多分ほとんどの人が分かってますよ。」
少し驚いた顔を見せる寿葉さんと、
『…やっぱり?』というような顔を見せる
西さん。
ほとんどっていうより、皆だろうけど。
🧸*̩̩̥「ここに来てから沢山の事があって
楽しかったのになぁ……。」
🎐🫧「…ぇっ……。」
🫖𓈒𓏸「…そういう事か……。」
もう終わってしまうのか、そう考えると少し…
いや、とても寂しい。
久玲葉ちゃん……ちゃんと皆と話せるかな?
甘えたり、寂しがったり、色んな感情を見せる
かな?
お姉ちゃんが言っていた。
『きっと此処の関係が終われば私達も……』
私には濁さず言えばいいのに。
妹や弟はなんの事かさっぱりっぽかったな。
まあそうか。年齢的にも、
18歳とか、12歳は理解出来ても、
5歳や、2歳には難しいだろう。
久玲葉ちゃんは生きているから成長するけど、
私達は生きてないから成長の概念無いし。
結局私達はただの人格に過ぎない。
けど、少し疑問が残る。私達は…久玲葉ちゃん
は、本当に多重人格なのだろうか。
まぁ、もうすぐ私達…他の人格は消えるから
どうしようもないけど。
最期くらい我儘言ってもいいかなぁ。
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🫖𓈒𓏸目線
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『ここに来てから楽しかった』
きっと玖音さんはここに来る前は散々な人生を
歩んできたのだろう。
両親が居ない、施設に入ってた、
この2つから、両親が産まれたと同時に施設に
入れたか、虐待や何かしらがあって後から
入った。
こんなとこだろう。
寿葉に聞いて分かったが、多重人格的なものを
持っているらしい。
だが、多重人格の人は交代している時の記憶は
ない事が多い。日常的に支障がないなら、…
別のものだと考えるのが最適か……。
🧸*̩̩̥「……。あの……西さん。寿葉さん。」
ふと、玖音さんに名前を呼ばれ、ドキッとする。
🧸*̩̩̥「私…ここに来て、良かったと思うんです。」
微笑みながら話を進める玖音さん。
🧸*̩̩̥「ここに来て、沢山の人に会って、話して、
まぁ、最初は、怖かったけど……。笑」
部屋を見回す玖音さんは何かを決心したように、
棚の近くに駆け寄った。
🧸*̩̩̥「世の中には、とっても優しい人が溢れてる
って、気付けて……。」
棚を見つめる玖音さんは何かを初める気がした。
🫖𓈒𓏸(止めなきゃ。)
これが、本能なのか、何なのか、分からないが
『止めなきゃいけない』というのが分かった。
🧸*̩̩̥「私っ…いい思い出のままで居なくなりたい
んです。…これは私だけの気持ちじゃない。
私の……久玲葉ちゃんの中の人格。そして……
久玲葉ちゃんのお願いなので。」
そうして、玖音さんはいつの間にか棚から
出したカッターを首元に当てようとした__。
🎐🫧「……っ!!ちょっ!!」
🫖𓈒𓏸(ヤバっ!!)
そんな事を考え、すぐ玖音さんの元に走った。
🫖𓈒𓏸(間に合えっ!!)
『ザクッ』と、音がした。
🫖𓈒𓏸(…ぁ。間に合わなかった……。)
僕が元いた位置から玖音さんのいた、棚まで
数メートルはあるだろう。
『止めなきゃいけない』と分かっていたのに、
棚の方へ行けなかった。
そんな事を思った瞬間__
??「……っ〜!!いだぁっ、……。」
と、声がした。
すぐに顔を上げる。
そこには、玖音さんのカッターを手で受けた_
月海がいた。
🧸*̩̩̥「……ぇ。なんで……。」
涙を流し、驚いた顔で月海を見る玖音さん。
🌙.*·̩͙「……怪我ない?……。良かったぁ〜。」
そう言って笑う月海は手から多くの血を流して
いるのにも関わらず、ニコッと微笑んだ。
🧸*̩̩̥「……っ。私っ!!」
泣きながら何かを言おうとする玖音さんを、
月海はゆっくりと抱きしめ、
『大丈夫。』と、落ち着かせていた。
🌙.*·̩͙「大丈夫。こんなの、すぐ治まるよ。」
そう言って、血を沢山出しているのに、
『こんなのかすり傷だよ笑』
と言って笑っている。
後から月海を追いかけて入ってきた桜君や、
奈桜君は何が起こっているのか、分からないと
言うように月海の事を見つめていた。
🫖𓈒𓏸「…玖音さん。確かに、いい思い出のまま
無くなるのもいいと思う。別に、貴方がそれで
いいなら、…後悔しないならね。」
玖音さんはこっちを見つめ、はっとする様な顔
を見せた。
🎐🫧「…私達はさ、玖音ちゃんの事。全部は
分かんないよ。どんな過去を持って、今どう
したいかとか、聞かなきゃ。でも、これだけは
聞かなくてもわかる。」
『玖音ちゃんは、…まだ、生きたいでしょ?』
🎐🫧「まだまだ我儘言って、愛情を受けて、」
『……ここからは分かるでしょ?』
と、優しい目で玖音さんを見つめる寿葉。
🫖𓈒𓏸(…やっぱり寿葉は凄いや。)
思ったことを言葉だけじゃなくて、目で言える。
🧸*̩̩̥「……っ。」
玖音さんはすくっと立ち上がり、僕らの方を
見た。
まるで、何かを言うという風に。
🧸*̩̩̥「……私。ずっと…1人でっ!!」
「…大丈夫なはずなのにどこか寂しくて、」
「ずっと待ってたお兄ちゃんもっ!!」
「どっか行って……。」
「ここに来て、人の温かさを知って……。」
「これが終わるなら……って。」
そう何処か、人が変わるように、玖音さんは
言った。
そうか、玖音さんの……久玲葉さんの中には、
4人の人格が居るんだっけ。
その4人が、交代して出てくるから、
こういう事をするのも出来るのか。
🧸*̩̩̥「…今日って……私の番でしたよね……、
我儘……言えるの。」
そう、確認を行う玖音さん。
🫖𓈒𓏸「……そうだね。何がいい?」
『最後くらい大きい我儘言ったら?』
と、視線を送る。
🧸*̩̩̥「……私のっ……久玲葉ちゃんの……」
少しためらいながら、話す玖音さん。
年相応のようで、可愛く見える。
🧸*̩̩̥ (?)「私のっ…お兄ちゃんに…なって……
貰えますか……?」
🎐🫧「……!!」
そう。……この異変はこの場に居る全ての人間
が感じただろう。
🫖𓈒𓏸(最後のお願いを言ったのは久玲葉さんの
方だろうな……。)
あの日から、1回も出てきたことの無かった
久玲葉さん。
僕らの前に出るのを怖がっていたのに、
出てきたんだ。
きっと勇気の居る事だっただろう。
それなら、それ相応のものがいるだろう。
🫖𓈒𓏸「…うん。そのお願い。ちゃんとするよ。」
僕がこの計画を立て、初め、完結に至るまでで、
沢山の事があったな……。
これから、何かがあった時、いつもこれを思い
出すだろう。
🎐🫧「…。玖音ちゃん……。玖音ちゃんは…
久玲葉ちゃんの中の人格の子達は…居なくなる
の?」
『そんなの…』と、寿葉が言う。それに対し、
玖音さんは…
🧸*̩̩̥「…そうですね、きっと私達は…。」
少し濁らして話したが、そういう事だろう。
🧸*̩̩̥「私達は久玲葉ちゃんの……使命を果たす
だけの存在で、言わば守護霊みたいな物なので
守るもの…使命が終われば……。」
『消えて無くなる。』
そう言った。
『もし、久玲葉ちゃんの記憶に残っても、
表に出る事はないかと……。』
そう、察しさせた。
🫖𓈒𓏸「…前に薬っていってたのって……。」
🧸*̩̩̥「……はい。そういう薬です。」
『薬については、お姉ちゃんの方が詳しいです
けど。』
🧸*̩̩̥「…西さんが奈桜君を隔離してた時、薬を
上げてましたよね?それと同じものです。多分。」
そう説明をしてくれた。
🧸*̩̩̥「ぁ。後これは言おうと思ってたんです
けど……。寿葉さん。12歳っていう設定は
難しいと思いますよ。最初の自己紹介で
『確か』って言いましたし、……。身長的に
まだ高校生の方が合ってます。」
と、寿葉に玖音さんは微笑みながら、………
笑いながら言った。
僕は寿葉に話したいことがあった為、
月海の手の手当をして、
ミケがいる僕の部屋に、
月海、桜君、奈桜君、玖音さん
の、4人を連れていった。
部屋に戻ると寿葉が
🎐🫧「……。どうしたの?」
と、言う。そして、
『■■が話って珍しいじゃん。』
と、言いたげな瞳で見つめてくる。
🎐🫧「ぃや〜。12歳は無理だったか〜。
いけると思ったんだけどなぁ……。」
さっきの玖音さんの言葉が効いたのか、
寿葉はその話をした。
🫖𓈒𓏸「…僕も無理だと思うよ。12歳は。」
🎐🫧「えぇ〜!!■■も言うの〜!?」
ちぇーと、髪をクルクルと回す。
🎐🫧「…久玲葉ちゃん。引き取ることにしたん
だね。」
そう。久玲葉さんは、今施設に入っている身だ。
もし、兄妹になるなら、1度施設に戻り手続き
を行う必要がある。
🫖𓈒𓏸「……うん。お願いを聞くって最初言った
からね。」
『約束は守らなきゃ。』
そう寿葉に言った。
🎐🫧「…そうだね。■■はそういう奴だ。」
ニコッと笑いながら僕の方を見る。
🫖𓈒𓏸「…これから忙しくなるねぇ……。」
そう言って、寿葉を後ろから抱きしめた。
寿葉は
🎐🫧「どうしたの〜?ふふ笑甘えたさんだ
ねぇ〜」
と、笑いながら僕の頭を撫でた。
窓から少し夕陽が差し込み、僕らを照らした。
________第1期END________