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うい、我です。
とーます×かえる 三話目
⚠BL
ーーかえる視点ーー
『…え?』
それって、とーますは僕が好きってこと…?
「かえる。」
「気づいてくれた?」
え、何その顔。
青と紫が覗いてくる。
口元は笑っていて目も細めているから笑っているよう。
だけど、眉毛が少しつり上がっている。
『…っ!!』
そうだ、僕とーますの家に来てるんだった…!
『ごめっ!僕帰るね…!!』
「………。」
バタン
急いでとーますの家から出て自分の家へ足を運ぶ。
僕、気づけてなかったんだ…。
とーますの気持ちもそうだけど、
僕、とーますが好きだ…。
『とーますに申し訳ないことしたな…。』
相談を聞いてたのは僕なのに…。
さらに悩ませちゃったよね。
『ごめん、とーます…。』
答えてあげられなくてごめん。
グスッ
今さら泣いたって仕方ない。
全部僕が悪いんだし。
重たい足をなんとか動かし家に着く。
『ただいま…。』
とりあえず自室に向かおうと思っていたその時だった。
とーますからDiscordでメッセージが来た。
【「今日通話できる?」】
とりあえず今は僕の気持ちも伝えなきゃ。
【『できるよ。』】
勿論、緊張はする。
だけどその緊張なんか気にしてる場合じゃない。
【「今から通話かけるね。」】
返信はせずにとーますから通話がかかってくるのを待つ。
…かかってきた。
泣いていた息を整え、通話への応答ボタンを押す。
『もしもし…グスッ』
「え、かえる、泣いてるの!?」
「ごめん、俺のせいで。」
違う…。とーますのせいじゃない…。
そう伝えたいのに泣いているせいで言葉がうまく出ない。
『うぅ…。ヒック』
「今からかえるの家行く。」
「ちょっと待ってて。」
ーーとーます視点ーー
『…え?』
「かえる。」
「気づいてくれた?」
ごめん。
本当は今言うつもりじゃなかった。
『…っ!!』
だからお願い…。
そんな嫌そうな顔しないで…。
『ごめっ!僕帰るね…!!』
「………。」
「……ちょっと待って…!!」
バタン
止めるの遅かったか。
あーあ、やっちゃった。
いつもこうなるんだ。
勢いに任せて全部言って、誰かを傷つける。
「ごめん、かえる。」
俺が自分勝手でごめん。
さっきまではかえるが居たから賑やかだった部屋も、今では時計の音しかしない。
鬱陶しく思い、時計を見上げると時刻は午後の4時半。
空もいい感じに色づき、暗くなってきている。
かえると俺の家は近く、歩いても5分程。
そろそろ家に着いたかな。
視線を机に向けてスマホを手に取る。
指が勝手に動き、俺はかえるとのメッセージ画面を開いていた。
【「今日通話できる?」】
何事もなかったかのようにいつも通りにメッセージを送る。
【『できるよ。』】
【「今から通話かけるね。」】
通話が繋がったらまず何て言おう。
『もしもし…グスッ』
嘘…。
「え、かえる、泣いてるの!?」
「ごめん、俺のせいで。」
そこまで傷つけたと思ってなかった。
『うぅ…。ヒック』
駄目だ。
もう耐えられない。
「今からかえるの家行く。」
「ちょっと待ってて。」
俺がかえるを泣かせたんだ。
直接会わなきゃ謝れない。