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リアの見聞録

2 - 第1話 「人体発火トンネル(2)」

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2025年02月26日

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第1話 「人体発火トンネル(2)」


トンネルに到着したリア達。

「ここか〜」とリアが少しワクワクした様子でトンネルを見ている。改めてトンネルを見ると奥に行くほど漆黒に近く如何にも幽霊が出そうなトンネルの雰囲気だ。

「このトンネルの入口横に確か…」と石動は何かを探している。「ありました。」そう言ってリアを案内した場所には崩れた祠があった。「これを友人が壊したあとトンネルの中間に来たあたりから友人が…」石動は下を向いて黙ってしまった。

「この先、トンネル内にボクは行くけど君はここで待ってて。」そう言ってリアはトンネル内に入ろうとしていた。すると「待ってください!俺も行きます。元はといえば俺がここに行こうと提案したばっかりに…」そう言う石動にリアは少しため息をついて「ならこれを首から下げてて」と言って古ぼけた木片のようなものがぶら下がっている首紐を手渡した。「これを身につけていれば燃えることは無いと思うよ。行こう。」そう言ってリアはトンネル内部に歩き始めた。

トンネル内部は交通が規制されているためしんと静まり返っている。「まだ暑くはならないね。う〜んどこかに隠れたのかな?」そう言ってリアは何か御札のようなものを取り出して近くの壁に貼り付けた。するとみるみる御札が黒ずんできた。「やっぱり、そろそろ来るよ。」そう言って2人が身構えて居ると2月にも関わらず暑さが込み上げてきた。「なんだか暑くなってきました。ほんとにこの首紐大丈夫なんですよね?」と言っているとリアは大きな声で「早くトンネルから出て!!」と石動を突き飛ばした。

石動は驚いて顔を上げるとリアの後ろに大きな炎に包まれた猛禽類のような妖怪が居た。「わ〜!!!これが松明丸!見るのは初めてだよ〜!!」などとリアは歓声をあげているがすぐに「あ!違う!石動くん早く逃げて!思った以上に霊力と身体が大きいその首紐は意味が無くなる!」と我に返りまた石動を気にかけた。「でも、それだとあんた…リアさんが!」そう言う間もなく松明丸が飛びかかってきた。あまりの恐怖で石動はその場で動けなくなり一瞬だが目を瞑ってしまった。もうダメだ…そう思って目を開けると石動はトンネルの外に居た。

「は?どういうこと??それよりもリアさんは…きっとまた…俺のせいで…」などと塞ぎ込もうとしていると急に後ろから「ごめん、ごめん!いや〜面白ろ…じゃなくて怖かったね!」とリアの姿があった。あまりの出来事に頭が追いつかない石動。「あ、そうだね!松明丸がどうなったかでしょ?ほらこれ。」と言っているリアの手には箸ほどの大きさで先端に火が灯った棒を持っている。

「こ、これは?」石動が聞くと「松明丸だよ。」如何にも当たり前見たいな顔をしているリア。聞きたいことがたくさんあり過ぎて困惑している石動。少し変わった空気の中リアははっとして

「松明丸はこの棒が集合してあんな猛禽類みたいな姿になったんだよ。松明丸の中心部を壊せば崩壊してこの姿になるんだ。」と説明をしてすぐに「祠に行こう。きっと松明丸が入るぐらいの穴が空いてるはず。」と一緒に崩壊した祠を見ると確かに小さいがちょうど棒が入るようになっていた。「石動くんが元に戻してあげて。」そう言って松明丸を渡してきた。石動はまだ少し同様しているが松明丸を元に戻した。「これで…終わったんですか?」そう言うとリアは無言で頷いた。「ありがとうございます。」と石動は深々と頭を下げた。「松明丸はね、このトンネルを守るために天狗がここに置いて居たんだよ。その祠を壊したから君たちがトンネルを、土地を穢すものだと思ったんだろうね。」そう言ってリアは祠に手を合わせた。「ほら、君も。」

石動はリアと共に祠に手を合わせた。

すると突然石動のスマホが鳴った。リアは確認しなよという顔をしてるので確認するとなんと灰ひとつ残さず燃えて行ったはずの友人からだった。驚いて電話を取るとやはり友人本人だった。どうやら友人は気がついたら家の前ですすまみれになって倒れていたとの事だ。

「どうして…燃えたはずなのに」そう驚いているとリアは「言ったでしょ?人を燃やすような妖怪じゃないって。きっと燃やすように見せて神隠しをしたんだよ。良かったね今回は戻って来て。」そう言ってリアは石動の顔を覗き込んでいる。その目は優しいとは程遠くどこか生気のない見ていると吸い込まれるような目をしていた。

石動は固まっていると「研究所に戻ろう。今回のお代の話もしたいし!」とリアが言った途端石動は「あ!」と大きな声を出し、続けて「俺、ほんとに相談に乗ってくれると思ってなくて何も持ってきて…あと学生なんで大金は…」と言うとリアは少し考えて「ならボクの研究所でバイトしなよ。ボクが今回の相談と見合った分働いたなって思ったらそれがお代でいいよ。それに石動くんこんな心霊スポットに来るぐらいなんだから研究所の仕事には興味あるでしょ?」石動は少しきょとんとした顔をしたが自分と友人の命の恩人には違いないと言う思いと思ってもいない回答をしてきた面白さもあり少し笑って「分かりました。よろしくお願いします!」と返事をしリアも「良し!ちょうど助手も欲しかったんだよね〜!あ!石動くんお腹空かない?なんか食べに行こうよ!」そう言って2人はトンネルを後にした。


第1話 「人体発火トンネル」 完


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