この作品はいかがでしたか?
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後、少し。
あと少しで、この命が終わるのかもしれない。
恐怖感よりも、私を襲ったのは紛れのないもどかしさであった。
嗚呼。これか。
織田作、これだというのかい…?
私を苦しめる、たった一つのもどかしさは。
これが_________”いきたい”という感情なのかい…?
視界がまるで歪んでいくように思えた。
己の掌を見れば、ぐにゃぐにゃと何かが歪んでいるような気がした。
雷は、果たして私を楽に殺してくれるのだろうか。
それとも、恨みや辛みを込めて拷問のように殺すのだろうか。
分からない。
普段なら判る人の感情や心境。どうかしてでも、彼の。弟の。雷の_________
今の雷の気持ちだけがただ、分からないのだ。
吐きそうになって、まるで自分を宥めるように過去が頭を過ぎ去って行く。
水槽の中でビクビクと震えながら死を待つ金魚のように。
直ぐに記憶は過ぎ去ったはずなのにあのときやった行動が焼き付くように僕の脳から離れることを知らない。
笑え、わらえ。
いつものように、平然と__________________。