「別れよう、凪」
俺がそのメッセージを確認したのは、2nd選考が終わり、3rd選考のメンバーが確定した後だった。
時少し前に遡り、2nd選考が終わった頃…
「次は、チーム⚪︎⚪︎、お入りください」
最後のチーム、此処にきっと玲王は入っているはず。
先日、俺は玲王に「面倒臭いよ。」なんて言う酷い言葉を吐いてしまった。
あれは言葉の綾と言うか、なんとなく口先から出てしまっただけで、本当はそんなこと微塵も思っていなかった。
が、俺が面倒臭い。と言った後の玲王の表情。あんなの、誰が見てもすぐに「傷ついている」と一目見てわかる表情だった。
けど、「玲王なら、これくらいは平気でしょ」と勝手にそう信じ込み、後ろを振り返らず先へ進んだ。
また会える。また話せる。また玲王とサッカーができる。って信じていたのに…
「はい、おしまい」
國神…と続き、最後に入ってきたのは士道とか言う男。玲王が現れることはなかった。
「っ…おい!!」
思わず俺は、國神の胸倉を掴んだ。
「玲王は?ねえ、玲王は???一緒のチームだったでしょ???どこにいるの???」
俺が今どんな表情をしているのかはわからない、ただ、潔たちが顔を真っ青にして、俺のところへ駆けつけようとする姿は見えたが、今はそんなのどうでも良い。
「っ…玲王…は、脱落、した…」
気まずそうに視線を下げながら、ぼそぼそと國神は話した。
「…は、脱落???」
俺は日本語がわからなくなったように、首を傾げた。
玲王が脱落なんてするはずがない…
なんて、思い、特別に使用許可を得られたスマホを取り出し、玲王の連絡先を開いた。
…其処に写っていたのは
「別れよう、凪」
俺たちと玲王たちが戦ったその日に、そのメッセージが送られていた。
…遂に俺は玲王が本当に脱落したのだ。という事実を認めざるを得なかった。
まさかあれが本当に、最後になるなんて、
あんなこと、言わなきゃよかった…
國神から手を離し、ぎゅう。と拳を握った。
なんだか視界がぼやけて、とても見にくかった。
コメント
4件
とっても最高でした‼️思わず泣いてしまって、自分にも当てはまる話しで、考えさせられる話しをありがとうございました!
これって続き書きますか? 続き書くなら、頑張ってください!!!!!
切ないでも好きです!!