テラーノベル
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〜注意事項〜
・一話参照
◇◇◇
何かと、自分を追い込む癖があるのだと思う。
追い込んでは、泣いて戻ってきて、それでまた追い込んでは、泣いて戻ってきて。
今思えば、確かに何度も自分を追い込んで泣いていた。
その追い込み用に違いは見えていた。
今も、きっとそれと同じで。
今まで見てきた俺には、彼が泣いて戻ってくるのが目に見えていたのかもしれない。
tnは部屋の扉を少しだけ開けた。
ベットに座るciは、物音に気づき、こちらを凝視している。
tnは目を細めて、声をかけた。
「 あそぼう。 」
子供の頃、何度もそう励ましたように。
彼に優しく声をかける。
子供のような、柔らかな声をかける。
すれば、ciは少し瞼を落とし息を吐いた。
「 かくれんぼ、あきちゃったんや。 」
tnはそう微笑んだ。
ciもゆわりと頬を動かし微笑む。
「 …みつかっちゃった。 」
ずっと何度もやってきたその会話は、今でも鮮明に残っているらしい。
ciは些細なことでも追い込んで隠れてしまっていた。
物置に隠れているのを見つけるのはいつもtnであった。
tnはその度に、”かくれんぼ、あきちゃった”と、遊び心でそう言っていた。
ciは、その言葉が届くと物置から出てきて、楽しげに、”つぎ、なにする?”と聞いてくる。
tnの言葉で、ciを引き戻す事が出来ていたのだ。
子供の行動は、無責任だが、だからこその大きな影響力を持つ。
tnは、それでciを救ってきた。
1度、救えきれなかったのが原因で、それにカバーを被せてしまったのであろう。
そう、故郷を離れた三年後の話のことである。
それが原因で、tnはその影響力を自ら隠していた。
けれども、今は違う。
tnは、ciを優しく抱き寄せる。
「 お前の相棒、友達が。 いっぱい待ってんねん。 はよう、あっちで遊ぼう。 」
「 …あそびたい、おれも、あそびたかってん… 」
「 うん、遊ぼう。 皆、ずっと待ってるよ。 」
ciが頷くのを見て、tnは手を引く。
開いたままの扉の奥で、友達がソワソワしているのが見えている。
「 …またかくれんぼしたくなったら満足するまですりゃええわ。 」
「 …ええの、?? 」
「 俺らはずっと待っとるから。 見つけてやるから。 」
長すぎたら、飽きちゃうけどな。
tnがciの背中を押す。
友達がわあっと押し寄せ、ciをわちゃわちゃと揉みくちゃにするのに、時間はかからなかった。
皆が皆、ciと遊びたかったのだろう。
tnは、はあとため息を着く。
なぜかって、コイツらは待つことを知らない。
自分が1番に、ciと遊びたいからとお互いを揉みくちゃにし合っているのが、どうも馬鹿らしくて楽しい。
tnは、ふいに頭に浮かんだ彼の相棒に軽い煽りを覚えながら、その揉みくちゃに混ざりに行くことにしたのだった。
◇◇◇
「 …なんで俺を呼んでくれなかったんすか。 」
「 shp?? 」
「 ciが起きたら俺をまず呼ぶでしょう!! 」
隣に座るciの腕をガッチリと掴みながら、shpは目の前のtnを睨んでいた。
shpは今、医務室にいる。寝不足であった。
そのためshpは遊びに混ざることが出来ず、更には、ciが完全に復活した時には寝かされたままだったので拗ねていた。
ciを離さまいと掴んでいるのは、それらが原因であった。
「 呼べだなんて、言われてなかったもんな。 」
「 だとしても察するでしょう…!! 」
「 察せるかなぁ?? 」
「 俺の事、完全に忘れてたんすね!? あんなに頼れる男ですよ感出しておいて…!! 」
「 忘れてはないで。 お前は勿体ない事したなァって思ったよ。 」
「 ん"ぃぃぃぃ…ッ!!!!!!!!!! 」
shpは猫のように枕を爪で掴み、tnに投げた。
ciはその様子を楽しそうに見ていた。
tnは枕を掴み、ベットへと戻すと、微笑んだ。
「 まあまあ。 お互い様やないの。 」
「 もう知らないです!! ciと2人きりにして!! 」
「 なんやなんや、なにすんのぉ?? 」
「 この豚ァ…ッ!!!!!!! 」
tnは楽しそうに笑うと、医務室を去っていった。
shpは肩で息をしながら、tnが去っていった扉を睨んでいる。
ciはケラケラと笑っていた。
「 ciと1番に、遊ぼう思ってたのに。 起きたら、ciは皆と遊んでいるし。 俺は医務室にいるし。 」
「 だから今日はshpに付きっきりにしたんやってば!! 」
「 ……明日はちゃうんやろ。どうせ。 」
「 なんでそんなに拗ねてんの!? んふふっ、珍しい!! 」
「 呑気やなあ… 」
shpはそれでも、ずっとciの手を握っていた。
カーテンは完全に閉め切っている。
外にいるzmらが癪に障るらしい。
「 明日もここ来るよ。 あー!!そうや!! 俺な、カードゲームいっぱいあんねん!! 遊ばん??!! 」
「 ええけど…負けたら帰るとか辞めろよ。 」
「 そんなんしぃひんよ!! 持ってく 「 やだ。 」 …え?? 」
立ち上がるciを、shpはベットに引っ張った。
「 絶対に離れんな。 」
「 ……なんやお前。 しつこいと彼女できひんぞ。 」
「 別にいらん。 」
「 なんやねん!! 」
shpはギラギラした目つきで、ciの手を掴んでいた。
1ミリたりとも、離したくないらしい。
「 誰かがciと会えば、そいつは絶対ciと遊ぼうとするやろ。 今日は俺の日やのに。 」
「 ちゃんと断るで?? 」
「 無理。 ciはできひん。 」
「 なんや、ボロクソ言われてんねんけど。 」
shpは暫く考え込んだ後、ゆっくりとまだ躊躇いを残しながら手を離した。
「 ……絶対帰ってこいよ。 」
「 分かってる!! 」
ciはリズミカルに走り、医務室を出ていった。
shpの大きなため息が医務室に響く。
「 守得云开见月明 だな。」
「 ……は?? 」
いつから居たのか、grが本を片手にカーテンを開けた。
grが持っているのは中国古典文学の”水滸伝” である。
「 なんすか、中国語は分からないんですけど。 」
「 そのようだな。 」
grはパイプ椅子に腰掛けると、本を机に置いた。
「 直訳すると、”雲が晴れるのを待てば、明るい月が見える” 。 中国のことわざだ。 」
「 は、はあ…。日本で言う…”待てば海路の日和あり”ですか?? 」
「 そうだ。 たまたま、この水滸伝を読んでいてな。 ピッタリだと思ったんだ。」
grは本を指先でトンッと叩く。
水滸伝は、そのことわざの由来と言われているらしい。
わざわざそれを言いに来たのか、とshpは首を傾げた。
「まあ…なんというか。 こんな大きな出来事があったのにも関わらず、何もできなかったのが悔しくてな。 せめてもの、励ましだと思ってくれれば良い。 」
「 励ましなら、ciを横取りするあの人らをどうにかして欲しいんすけど。 」
そう言って、まだ帰ってこないciを不安に思う。
grは立ち上がると、何かを企むような笑みを浮かべて、歩き出した。
「 さて。 ciを遊びに誘ってくるとするか。 」
「 アンタもそっち側かッ…!!!!!!! 」
帰ってきたciは、丁度枕を顔面に投げられているgrと遭遇する。
それと同時に、これまた猫のように威嚇をしているshpとも遭遇した。
ちゃんと帰ってきたと言うのに、shpの機嫌はなぜか右下がりだったのであった。
3000文字しかなくてごめん
一応完結です。。。。
なんかこう、つまらなくてごめんね
コメント
6件
みんなciさんのこと好きだしciさんもみんなのこと好きなのほんとやばい
shpくんめっちゃ嫉妬しててかわいい みんなciくんのこと大好きなんだね🥲 全然つまんなくないよ!! ここちゃんもっと自信もって! めっちゃ読んでて面白いしたのしいから!
sypくんciさんのことだいすきすぎて尊かったですありがとうございます!!!!😇😇😇