テラーノベル
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新しくピアスを買いに行こうとショッピングに1人で出かけた。如何にも高級店、と分かるようなおしゃれなお店だ。ピアスはここで買うつもりではなかったけど…少し気になって、入ってみることにした。実際の宝石が使われたイヤリングや、ネックレス。涼ちゃんが最近オシャレを気にしてたなぁ、なんて思い出す。ネックレスとか…欲しいかな。
「それは、ルビーを使ったネックレスになります」
俺がじっと見ているのに気づいたのか、店員さんがそう言った。
「そうなんですか…綺麗ですね」
「はい、他にルビーを使ったものは、こちらの指輪もありますよ。」
へぇ、とそう指された指輪を見る。輝いていてとても綺麗だ。涼ちゃんにあげるなら、何にしようか。だけど値段は簡単に買えるような額でもない。
「指輪は…まだ早いかなぁ」
「彼女さんに上げるんですか?」
店員さんの言葉に反応してしまった。え、なんでバレているんだ、と俺なんか言ってましたか?と言うと店員さんはふふっと笑った。まさか口に出ているとは…恥ずかしい。
「でも最近の方は、結婚などのお祝いではなくても買ってらっしゃる方は増えましたよ。アクセサリーとしても使用できると思います。」
「そうなんですか!」
俺はんーー、と沢山悩んだ。そして、悩む時間を数分貰ったあと、店員さんは改めてどうしますか?と言った。
「えっと……買います」
俺は思った以上にフッ軽なのだろうか。帰り道、予備用として沢山入れていたはずなのに、お財布は綺麗さっぱり空っぽになっていた。
・・
涼ちゃんとデートの日。前買ったプレゼントも持ってきた。誕生日でも、クリスマスでも、なんにもない日に上げるのもどうか迷ったけれど、いつもの感謝の気持ちを込めてあげることにした。俺の方が早く来ていたみたいで、集合場所にはまだ涼ちゃんの姿はなかった。
「あっ、若井!」
聞き覚えのある声が聞こえて、その声の聞こえる方をむくと、あるはずの無いしっぽをブンブンふっているように涼ちゃんがこちらに向かって走ってきた。なんだか子犬みたいで可愛い。
「めっちゃいいね、それ」
「ん?あ、これ?」
ついてそうそう、気づいたみたいだ。涼ちゃんの目線は俺の耳に向いていて、星の形をしたピアスを触ると、大きく頷く。涼ちゃんへのプレゼントを買う時に一緒に見つけたもので、一目惚れして買ったものだ。と言っても、本命はこっちのはずではある。
「そう!かわいい…」
キラキラした目で言うもんだから、涼ちゃんのほうがかわいいけどね、と言うと、すぐにぽっと顔を赤くして、うるさいな!と先を走ってしまった。
「ねぇ、若井」
「ん?」
「寒いねぇ…」
涼ちゃんの方をむくと、ほんのり頬を赤く染めていた。多分寒さでだろう。息を吐くと白く空気が濁る。マフラーをそっと触って整えて、手を差し出した。
「…え?」
「手繋ご」
1周驚いた顔をしてから、嬉しそうな、照れたように笑って手を繋いだ。
「若井の手、つめたい」
「涼ちゃんは暖かい」
ぎゅ、と繋いだりょうちゃんの手を強く握りながら、そう言う。
「僕の、熱を若井に上げる!」
ぎゅうう、と握り返してきた。心底可愛いことをするな、と思いながら、目的地まで他愛のない会話を続けた。
「もうすぐ着くかな?」
「そうっぽいね、既にめちゃ綺麗」
イルミネーションへの道には、両側に木があり、それもキラキラとした光に包まれていて既にテンションが上がってしまう。
「うわあ〜!すっご、綺麗…」
「ね、すごく綺麗」
涼ちゃんは見渡している。
「なんかいいなあ…」
涼ちゃんの横顔を、眺めた。イルミネーションにすごく似合う、綺麗な横顔だった。今だと思って、ポケットから、小さな箱を取り出した。変な緊張と、手がかじかんでいるのか少し取り出すのに苦戦した。
「涼ちゃん、こっち見て。プレゼント!」
「え?なに、なに、どういうこと?」
プレゼントを差し出すも、困惑してあわあわするだけで受け取ろうとしない。
「ほら、俺からの気持ち!」
「…何、なんかある?なんかしてる?」
怪しそうな目で俺と手元の箱を見返して、一向に信じようとしない涼ちゃん。
「してないって!もーいーから、早く受け取れ!」
呆れた俺はプレゼントを涼ちゃんの手に押付けた。
「え…と、開けていいの?コレ」
「いいよ!いいって!いいから!早く!」
受け取ってもなお開けようとしない涼ちゃんを、早く!早く!と急かす。
「俺が待ちきれないから!」
「それはなんで?(笑)」
涼ちゃんはゆっくりと小さな箱を開いた。途端、キラキラと輝く小さなソレ。
「え!?なにこれ、すごい、綺麗!」
わあ、と涼ちゃんは目を丸くさせる。
「嘘?指輪?えっ、凄い!綺麗!えぇ!」
涼ちゃんはテンションが上がりつつ、手に持ったその指輪を何度も見て、信じられないとでも言うような表情をしている。
「ええ、これほんとに若井が?」
「まあ、そうね」
「めっっちゃ、嬉しい…ありがとう、大事にする!」
あんだけ迷っていたのに、店員さんの一言で想像力が膨らんで俺があげた指輪をつける涼ちゃんが見たくなってしまったらしい。
と言っても、涼ちゃんは未だに指輪を見詰めるだけだ。
「いつまで見てるつもりなの?(笑)」
「えっ、付ける?…付けるのか…」
涼ちゃんはなんかドキドキしちゃう、とつぶやく。寒さでか、鼻の先がトナカイみたいに赤くなってて可愛い。
「指輪だからって遠慮しないで、ただのアクセサリーとして付けてくれたら嬉しいから」
「そ、そっか……」
涼ちゃんはまだドキドキしているようだった。普通そんなになるかな、もしかしてまだなにか怪しんでるのかな。でも折角なら俺が嵌めてやりたいなと思った。タイミングも、そもそも大きななにかがあったから買った訳でもないから俺が恥ずかしいだけなんだけど。
「貸して、俺が涼ちゃんに嵌めたい」
そう言って指輪を受け取り、俺は膝をついて、よくあるポーズになる。涼ちゃんはどんな反応するだろう、と思ったけど、涼ちゃんはふふっと笑みを零して、
「…なんか若井、かっこつけてておもしろい」
「うるさいな」
ごめんごめん、と笑われるから、軽く睨んでやった。
「…涼架」
え、と涼ちゃんは目を丸くさせた。さっきまで俺を馬鹿にしていた癖に、いざこうなるとすぐに照れてしまうんだ。
「何?どうしたの?(笑)」
「きゅ、急だからだよ、びっくりしたの」
涼ちゃんは目を逸らしてしまった。
「涼架も、俺の事名前で呼んで?」
「…ひ、滉斗。…ちょ、まって、…ダメだ恥ずかしい」
名前を呼んでくれたと思ったらすぐに顔を逸らしてそんなことを言うから、思わず吹き出す。
「なんで涼ちゃんが恥ずかしくなるんだよ!普通俺でしょ、なるのは」
「だって周りに人いっぱいいるじゃん…!」
涼ちゃんは顔を隠してしまう。
「涼架、こっち見て」
涼ちゃんの顔に手を添えて此方に向けさせると、真っ赤な顔した涼ちゃんと目が合った。
「今は、まだ難しいかもしれないけど…いつか絶対、ちゃんとした指輪を買うから」
うん、と小さく頷く。
「大好きだよ」
ゆっくりと指輪を嵌めると、照れくさそうに涼ちゃんが笑いだすから、それにつられて俺も恥ずかしくなって笑ってしまった。
初投稿です。見てくれた方、ありがとうございます🙌🏻深いお話を書けませんが、ゆるく投稿していこうと思います!
今回は💙💛でしたが、❤️💛もあげる予定です!それ以外は出す予定はありません。
是非リクエストとかもコメント欄にバンバンしてくれたら嬉しいです✨
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