テラーノベル
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今、世の中は水面下で闘争が続いていた。力を持つため、子供たちを使い秘密裏に実験を行って兵器を作り出す政府と、それを止めるべく奔走する、元実験体の子供たち。
そして、俺が属しているのは反政府側だ。その組織は一般にmmmrと呼ばれ、裏社会のトップシークレットとなっている。その姿を見たものは少なく、ただ、メンバー全員が子供の化け物集団だという噂だけが独り歩きしていた。
「えーっと….それで、iemnさんは分からないんですか?」
そして今、俺はその化け物集団に囲まれて、真剣な目で睨まれているのである。
「はい…俺、自分の能力がなんなのか分かっていなくて」
あの会議の後、俺の能力が知れれば作戦が練りやすくなる、どの理由でmmさんに俺の能力の詳細を尋ねられていたのだが、俺は自分に植え付けられた能力を把握していなかったのだ。
実験施設にいたころは、周りの子供たちは普通に能力を使えているのに、自分だけ使えず、ずっと不思議に思っていた。
「普通は施設で教えられるはずなんですけどね…..」
そう困ったようにmmさんが呟くと、upprnさんが「もしかして、まだ能力を植え付けられてなかったとか?」と言うが、mmさんが能力が定着しやすいのはもっと幼い時期だから、この時期まで能力を植え付けないことは無いだろう、と否定してまた頭を抱える。
その幼い時期、についてあまり詳しくは分からないが、俺たちは大体全員普通に生きていれば中学校に言っているような年齢なので、まあ小学校低学年だとか、それぐらいの年齢なのだろう。
「なんか感じないのか?こう…炎が出せそう!みたいなのさあ」
「………..」
案の定無理だった。
「無理でした」
「そっかあ….」
ここだけコントのようになっていたが、俺たちは至って真面目に話しているのであった。
残念そうに肩を落としているmtwさんを横目に、mmさんはぶつぶつと独り言を呟いていた。
「……….」
「…?」
なにかに腕をつつかれ、振り返ると、パーカーから目をのぞかせたItさんがこちらを見ていた。その手元にはサイバーな雰囲気の機会が握られており、そこに手を置け、と目線と小さなジェスチャーで示していた。
「ああ、それ今まで見た能力の中に似たようなのがあれば教えてくれる機械だよ!」
upさんがそれを見て、「これならいける!」と少しテンションが上がり気味になっていた。
そう言われ、そっとその機械の上に手をかざす。
「…………….」
「………………….」
何も表示されない。
「あの….これ壊れ…….」
「壊れてない」
「で、でも……」
「壊れてない」
うp主
209
#病院
という感じで、普段は万能らしい機械も、俺の謎の能力には歯が立たなかったようで、Itさんは不満げに機械をしまうとパーカーを深く被ってパソコンをいじり始めてしまった。
「…..も、もしかしたら普通に過ごしてるうちにパッと思いつくかもしれないしっ」
こんどはznkpsさんが身を乗り出して、口を開いていた。
正直言って、今この問題をどうにか出来る人はいないだろう、と確信を持って言える。
「…..そうですね…」
まだ少し引きずった様子なmmさんも、机の上に散らかっていた資料やメモを片付け、一息ついた。
その資料の中の一つに、俺のいた研究施設の資料があったが、そこに俺の名前はあれど、能力についての言及は書かれていなかった。ただ───『被検体本人に能力の詳細を知らせてはならない』とだけ。
⬛︎
「うーん、ここを…..こう動かせばいいと思う!」
あれから約一時間、俺はupさんに特訓をしてもらっていた。
同じ前線で戦う仲間として、教えてもらうにはちょうどいい相手だとmmさんに教えてもらい、声をかけたら快く承諾してくれたのだ。
「……こう…ですか?」
mmさんからは、少し特訓すればupさん達と同じぐらい戦えるようになると言われていたが、upさんと訓練していると本当にそうなのかとついつい疑いたくなる。
流石にmmさんと戦った時のように一方的な戦いにはならないが、だとしてもここまで二十戦ほどやって、勝てたのは最初の手加減してくれた一回だけだ。
それほど…これからの戦いは甘くないのだろう。
「そうそう!iemn才能あるよ!」
俺がupさんに指示された通りにナイフを振るっていると、upさんがいちいちべた褒めしてくれるので、また調子に乗りそうになってしまう。
「…….」
だがしばらくすると、upさんが手を止めてしばらく何かを考えるように、その場に止まってしまった。
どうしたのかと思い、顔を覗こうとするといきなりupさんがガバッと顔を上げ、どこからか刀を渡してきた。
「日本刀….?」
「そうっ!ずっと武器庫の奥にしまってあってさ、iemnなら使いこなせる気がする!」
確信を持った言い方で言ってくるせいで、なんだか俺も使えるような、そんなような気がしてきたが、そもそもそんなものを勝手に使っていいのだろうか。
他の人たちは主にナイフや拳銃で戦っているのに、俺だけ日本刀は変というか、新入りがそんな豪華なものを使っていいのか、というか….
「なんか…使われた痕跡があるけど、まあmmさんいわくどっかの誰かのお下がりらしいし、使っていいんじゃない?」
適当なことを言いながら日本刀を押し付けてくるupさんに少し驚きながらも、悪い気はしなかったのでそのまま受け取ることにする。
持ってみると、ナイフや拳銃よりも手に馴染んで、まるで俺の体の一部のように思い通りに動いた。
「これ….本当にもらってもいいんですか…?」
いいのいいの、と言いながらupさんは再びナイフを握った。
どうやら、その刀が俺に合っているかを確かめるらしい。
「よっし!じゃあ私からいくね!」
そう言い、upさんはいきなりギリギリ目で捉えられるぐらいの速度でナイフを振るってくる。
…が、体が自然にそれを受け止め、流した。
「….っ!!さっきより強くなってない!?」
upさんも驚いた様子で、一旦引くかと思いきや、そのまま押し切ろうと連撃を入れてくる。
このまま攻撃を受け続ければ防戦一方だからと一回しゃがみ、攻撃を避けるとそのまま足払いを食らわせ体制を崩したところで攻撃を仕掛けることにする。
「これで…お終いですっ!」
カキンッという心地の良い音とともにupさんの持っていたナイフが飛んで いき、upさんもその場に座り込んだ。
「降参降参〜…..」
コメント
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読み終えたよ〜🥀 主人公、自分の能力がわからないままって不安だよね…。でも、それって逆に何か特別な力が隠されてるフラグじゃない?「被検体本人に知らせてはならない」って一文がすごく不気味で、ゾクッとした。 それに、日本刀がめっちゃ手に馴染むシーン、めっちゃカッコよかった!急に戦闘センス開花してて思わず「おっ」て声出た。upさんとの特訓も、ナチュラルに先輩後輩感が出てて微笑ましかったな🤍 次が気になる…!