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ニキしろ
ニキ×しろせんせー
解釈違い有
※前回の続き
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りぃちょの言葉に、俺は思わず眉をひそめた。
「溢れてるって……何がや。意味わからんわ」
俺はフォークを乱暴に置き、残っていたビールを一気に飲み干した。 喉が熱い。 でもそれ以上に、胸の奥がざわついて仕方なかった。
りぃちょは俺の反応を見て、くすくすと笑いながら肩をすくめた。
「せんせー、最近ニキニキの話になると目が泳ぐんだよね。 彼女の話が出た時も、明らかにテンション下がってたし」
「下がってへんし、普通やろ、そんなん」
「普通じゃないよ〜笑。ただの相棒だって自負してるくせに、彼女ができただけでここまで不機嫌になる?」
俺は言葉に詰まった。 確かに……自分でもおかしいとは思ってる。 ニキが彼女を作ること自体は、悪いことじゃない。むしろ「おめでとう」と言ってやるべきなのに、素直に喜べない自分がいる。
「……ただ、予定をドタキャンされたのが腹立っただけやしぃ、」
「自分の撮影より彼女を優先したのが?」
「そうや! それが気に入らんねん!」
俺は声を荒げてしまった。 りぃちょは優しい目で俺を見て、静かに言った。
「せんせー、それって、ニキニキの隣にいたいってことじゃない?」
「隣に……?」
俺は一瞬、言葉の意味が掴めなかった。 隣といえば、今までずっと俺が一番近くにいた。 配信でも、飲み会でも、恋愛相談でも。 長い時間、一番近くでニキを見てきたのは俺だと思っていた。
りぃちょは小さくため息をついて、続けた。
「せんせーはニキニキのことが好きすぎて、自分でも気持ちに気づいてないだけだと思うよ。 」
「は?」
俺は思わず声を上げて、りぃちょを睨んだ。
「そんなわけあるか。俺とニキは男やぞ? 俺は女が好きやし、ニキも_まあ、彼女できたんやから女が好きなんやろ」
「好きの形は人それぞれだよ。 せんせー知ってる?八割の人間はバイセクシャルの要素持ってるんだよ?」
その言葉が胸に刺さった。 俺はテーブルに視線を落として、指でグラスの縁をなぞった。
「……俺はその八割には入ってないねん。だからそうな風に好きとかやないし、ただ、相棒として_一番近くに、」
「一番近くにいたいって、それ自体がもう恋心に近いんじゃない?」
りぃちょの声は優しいのに、容赦なかった。 俺は頭を振って、その言葉を振り払おうとした。
「違う。勘違い。 俺はただ、 ニキが急に彼女優先になって、置いてけぼり食らったみたいな気がして……嫌やっただけや」
「置いてけぼり、ね…笑」
りぃちょは少し悲しそうな顔をした。
「せんせー、もし本当にニキニキが彼女と上手くいって、どんどん距離ができたらどうするの?」
その質問に、俺の胸がずきりと痛んだ。 想像しただけで、息苦しくなる。
「……どうもしない。 ニキが幸せなら、それでええやろ」
言葉とは裏腹に、声が震えてしまった。 りぃちょはそれを見逃さなかった。
「せんせー、今、めっちゃ辛そうな顔してる〜笑」
「……うるさい」
俺は顔を背けて、追加でビールを注文した。昼からアルコールを摂取するなんてと貶していたはずなのに。 頭の中がぐちゃぐちゃだ。 ニキの笑顔、ニキの声、ニキと過ごした時間、ニキが彼女と並んで歩いている姿……。 全部が、嫌だった。
りぃちょは俺のグラスをそっと遠ざけながら、ため息をついた。
「せんせー、もう自棄酒しすぎ。 一人で帰るの心配だからニキニキ呼ぶね」
「呼ぶな…俺、一人で帰れる」
声が呂律回ってないのが自分でもわかる。 でも、りぃちょは聞く耳を持たず、すでにスマホを操作し始めていた。
「家近いし、ニキニキに迎えに来てもらった方が安心でしょ。ほら、せんせー寝落ちしそうじゃん」
俺は抗議しようとしたが、頭が重くて言葉が出てこない。 りぃちょがニキに連絡しているのを見ながら、ぼんやりとグラスを傾ける。
―数分後、ニキが息を切らして店に迎えに来てくれた。
「ボビー帰るよ」
そう優しい声で俺に話しかけ店を後にする。
タクシーで家に着き、ニキに支えられながら玄関まで辿り着いた。
鍵を開ける手が震える俺を見て、ニキが小さく笑う。
「ボビー、今日はもう寝な。 」
「……ニキぃ、」
ドアを開けた瞬間、俺はふらついてニキの胸に寄りかかった。 ニキの匂いが、やたらと甘い香水ようで頭がクラクラする。
「ボビー?」
「……なんでもない」
ニキは俺をベッドまで見送った後、手を振りながら出ようとした。 俺は無意識に、その服の袖を小さく掴んでいた。
「……まだ、帰らんで」
酔っているせいか、思ってもない言葉が口から零れた。 ニキは振り返り、驚いた顔の後でニヤッと笑った。
「なにボビちゃん、今日は甘えん坊さんだねぇ笑」
「やっぱ忘れろ……思ってもないこと言った!」
俺は慌てて手を離そうとしたが、ニキは俺の頰を指で捏ねくりながら、ますます楽しそうに笑う。
「今更誤魔化しても……笑。可愛いとこあんだね。」
「きっしょいのぉ……正直言うと少し寂しかっただけ! これでええか」
「そっかァ、ボビーは俺が他の人に取られて寂しいんだ」
「なっ……!?」
冗談のつもりだろうが、図星をつかれて声が裏返った。 ニキは俺の反応を見て、ますます小悪魔的な笑顔になる。 顔がいいのがまた腹立つ。
「ははっ、わかりやすすぎ笑。大丈夫、ボビーといる時間は変わらないから」
現にそうではないじゃないか。 そう言ってやりたかった。でも、あまりにも優しい顔で言うから、言葉が出てこなかった。
ニキは俺の袖を掴んだ手を優しく包み込み、ドアを閉めた。 そのまま俺をリビングのソファまで連れて行き、隣に座らせる。俺はふらつきながらも、ニキの肩に寄りかかった。
「……ニキ」
「ん?」
ニキの声は優しい。 俺は酔いのせいで頭がぼんやりしながらも、胸の奥に溜まっていたものが、言葉になって零れ落ちそうになっていた。
「……彼女、できたんやな!おめでとう、」
お祝いの言葉が言えなくて心残りがあったため今伝える。小さく呟くと、ニキが俺の髪をゆっくりと撫でてきた。
「ボビー……本当は、嬉しくないでしょ」
その言葉に、俺の肩がびくっと震えた。 否定しようとしたが、酔っているせいか上手く言葉が出てこない。 代わりに、ぼそっと本音が漏れた。
「……嫌やわそりゃあ。 ニキが他の誰かと笑ってる姿、見たくない,,」
ニキは黙って俺を抱き寄せた。 その腕の力が、いつもより少し強い気がした。
しばらく沈黙が続いた後、ニキが低い声でぽつりと話し始めた。
「……はぁ゛〜、もう言っちゃおっか…、ごめん、ボビー。 実は、全部俺の計算だった」
俺はゆっくり顔を上げて、ニキを見た。
「……計算?」
ニキは少し悲しそうで、でも真剣な目で俺を見つめ返した。
「ボビーが俺のこと、特別に見てくれてるって……薄々気づいてた。 でもボビーは絶対に自分から言わないでしょ笑 相棒とか、友達とか、そういう枠の中で我慢してるんだろうなって。だから……わざと女の子と絡んで、相談してるふりをして、ボビーの反応を見た。 嫉妬してくれたら……少しは自分の気持ちに気づいてくれるかなって」
俺は呆然としてニキの顔を見つめた。 頭がうまく回らない。
「まさかその子が本気で告白してきて……ねちっこくて断るのも面倒だったから、一旦付き合うことにした。 でも、ボビーがあんなに辛そうな顔してるの見たら……俺も限界だった。お前の顔みると彼女とか、どうでもよくなった」
ニキは俺の手をそっと握り、親指で甲を優しく撫でた。
「ごめん、ボビー。 卑怯だったと思う。 でも……ボビーが寂しがってるの見たら、もう我慢できんくなった。 彼女とか、遊びとか、そんなんどうでもいい。 俺は本気で、ボビーのことが好き」
今は騙されていた怒りなんて芽生えてこなかった。今はただ目の前のニキの顔しか見えない。
コメント
4件

最高すぎぃ!!!!!! ニキくんの作戦勝ちじゃん

わぁー! リクエストに答えてくださりありがとうございます!! 今回の話はいつも以上にキュンキュンしました!
#しろせんせー