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語り手:ダクラ
中学生の頃、みんなで田舎に行った時の話。
或魔と近所に買い物行った帰り道、用水路の橋を渡ろうとしたらどこからか声が聞こえてきて、なんて言ってるのか分からないけど助けを呼んでいるようなそんな声。橋の欄干から水面を覗いたんだけど何もいない、その代わり声はもっとはっきり聞こえてきた。
「或魔、下になんかいる」
或魔の元に駆け寄って再び欄干の方を振り向いたとき、下側から真っ白い手がにゅっと現れた時、二人して大声あげて泣きながら家まで駆け戻った。ちなみに途中から或魔は俺のことを完全に忘却して独走してた。
ようやく落ち着いて、祖母の話を聞くと、数年前に例の用水路で遊んでるうちに行方不明になったガキがいたそうなのでその子の亡霊じゃないかって、聞きながらガクガク震えてたよ俺。
んでもって、それから30分後、近所を散歩していた親父がプンプンしながら帰ってきた。
「あのよぉ、さっきそこの橋のところで溺れてる奴がいたから助けてやったのに振り向いたらいねぇんだよ!ありがとうも言わないでさぁ!」
その日を境に俺の中の或魔と親父の評価が一変したのは言うまでもない。