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犠牲の出逢い


ブラッドがアーチの影に隠れる。私もそれにならい、アーチの影に隠れた。

何か、妙な匂いが鼻に突く。あまりにも酷い異臭で涙が出そうだった。

アーチの奥には、亀、ナマケモノ、スカンク、犬……様々な動物がいた。流石にこれら全てを殺害するのは不可能に近いだろう。ただ、スカンクだけは殺したいところだ。あまりの臭さに鼻が曲がるかもしれない。

ブラッドは私に「そこで待っていろ」とだけ言って木の影に隠れながら動物のどれかの隙を狙っていた。


……中々、隙を見せない。さっさと殺してやりたいところだが、このまま行けばあのピンクとブルーの狼に返り討ちに会うだけだろう。とりあえず、亀だけは殺した。スカンクは……早く殺したい。出来れば早く。

俺は此方に向かってきたナマケモノの首を跳ねた。血生臭く、俺が一番嫌いな匂いだ。

狐、ラクダ、スカンク、犬、狼……8匹も残っている。ラクダは俺の腕力じゃ殺せない。犬と狼は放っておいても問題はなさそうだ。きっと殺しあってくれる。狐は音で誘いだして殺すか……?スカンク……コイツが厄介だ。危険を感じとれば一気に臭い匂いを出してくる。いやでも……時限爆弾と等しい存在なら、上手く利用出来そうだ。

俺は音で狐を誘き寄せ、腹を切断した。その後、スカンクに小石を投げた。すると、攻撃と思ったのか、スカンクは予想通りあの匂いを放出し、周りにいた犬、狼、ラクダは気絶した。これ幸いと俺は犬と狼の頭を全てかち割ると気絶しているラクダの体を中央のキャンプファイヤーに蹴り入れた。ラクダの体が炎に包まれ、ラクダの声が響く。俺は逃げ始めたスカンクに火をつけた棒切れを投げ、スカンクもろとも丸焦げにした。

……今や、あの草原は血と炎が広がっていた。``生きる為には仕方がない事だ´´そう俺は言い聞かせてライトにバケツに水を汲んで消火をした。

俺はライトと消火をした後、探索を始めた。


私達がキャンピングカー内を探索している中、ブラッドが何かを見つけ、私を呼んだ。

見つけたのは、男女の二人で、一人はピンクの髪の女性、もう一人は金髪の男性だった。

ブラッドがその二人の手枷を外した後、丁寧に抱擁する。私はそんな中、二枚の紙を見つけた。

『摘那 影虎』

『りん』

……エイトさんとリンさんの資料だ。ただ、これは私が知る必要はない。

「……おい、大丈夫か?」

ブラッドが二人に話しかけている。どうやら、二人共に目が覚めた様だ。

二人共、私達を見て無言でいる。

此方も同じく無言なのだが、その沈黙をブラッドが破った。

「……俺の名前はブラッドだ。此方はライト。お前達の名前は?」

……言い方ってものがあるんじゃないかな?

金髪の男性とピンクの髪の女性が口を開く。

「……俺は摘那 影虎だ」

「……僕はリンだよ」

リンの言葉にブラッドが呟く。

「……僕っ子……?」

「……なに?何か悪いの?」

「いや……そういうわけでは……」

「じゃあ、なに?」

不味い。何故かリンとブラッドの喧嘩が始まった。どうにか打開策はないだろうか……?

「……なぁ、ライト……さん。あの二人いきなり喧嘩してるが、どう思う?」

「え?えっと……き、気が合うんだなぁ……って……」

「合わない!」「合わない!」

……気が合っている気がする。二人同時に同じ事を言ったのだから。

「……ああ、もう……!俺はあのログハウスに行ってくる!ライト!その二人を頼んだ!」

そう言ってブラッドは私とリンとエイトを残し、ログハウスの方向へ走り去っていった。

その言いようにリンがぼやく。

「なにあれ!?ラーちゃんに全部丸投げ!?」

ら、ラーちゃん……?

「……ラーちゃん……?」

どうやらエイトも同じ事を思っていたようだ。

「え?ダメ?ライトの事、ラーちゃんって呼んだらダメ?」

「あ、うん……べ、別にいいよ……?」

「じゃあ、私の事も``りーちゃん´´って呼んで!」

「う、うん……りーちゃん……」

なんなんだ、この展開は。まぁ、でも……悪い気はしないし、いいかな……。

「……とりあえず、ブラッド追わね?」

「そう……だね。じゃあ、行こっか」


血に浸かり、血の味を覚え、血に飢えた獣の気持ちを代弁する、いや、絶対にしないあとがき

はい、終了です。

因みにストーリー内容なのですが…。


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ここまでが人の視点です。


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ここまでが``彼等´´の視点です。

では、また次回。

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