テラーノベル
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ゾディル達が逃げた後、一人取り残されたフウ青年はと言うと、
「置いていかれた…ウック…なんにも出来なかったからッ…絶対置いていかれたぁ…!!」
一人寂しくメソメソと泣いていた。
「なんで誰も命令してくれないんだよぉ…ヒック…なんだよ僕の…ヒック…”矯正” って…うぇぇぇん…!」
本当に情けない限りである。頑張れフウ青年
「だめだ…あの新人2人より情けない僕なんかにゾディルはもう命令してくれない…イヤだ…!!放り出された…!!支配のない世界に…!!クトーニのマンホールの輝きが恋しいよッ」
べそべそ泣くフウ青年にある声が聞こえた。
《お前キモ》
「!」
《我慢の限界。やっぱお前俺がいねぇと何も出来やしねぇな。このヘタレ野郎》
「ッ “ヒイ様” …っ!!」
《交代しな。こっからは俺が主導。見限られたならとっととズラかるぞ》
「うん!」
果たしてフウ青年とヒイ様の関係とは…?
「早く…早く!!早く早く境界越えろ!!超えてこいつらぶっ殺せ!!!アッシの髪が燃え尽きる前に早く…越えろぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ネルデの無差別攻撃に手も足も出ず動けない掃除屋一行。
「「ねえさま/姐さん!!」」
「ラム…?」
誰も動けない中、フラフラと立ち上がったラムレザル。一応これでも肋骨が折れている怪我人である。
「フー…フー…ッッ!!」
「姐さん血が…!」
「(ラムの活動限界だ…!これ以上戦ったらダメージ無効が無くなる!!)」
ラムレザルのもう1つの人器《リコイル》は身体の内部ダメージ無効だが完全な無効では無く、内部に蓄積して無効にしているのだ。(蓄積したやつは時間はかかるがゆっくり消えていく)
だが、一定の容量を超えるとダメージ無効が無くなり《全て》本体に跳ね返ってくる。
豆知識として今回のダメージ源であるネルデの電撃、人間が耐えられる電圧は基本50Vであるが、特殊条件下では42Vで死に至る場合がある。
ネルデの電圧はそれを上回ることは無いが、それを連続で放つのを蓄積し続けるとなると…?
「ッ誰でもいい!ラムを止めろ!!このままじゃアイツ死ぬぞ!!活動限界だ!!!」
「リコイルの容量越え…!?」
「…………」
皆の制止の声が聞こえていないのかラムレザルは鼻血を出したままゆっくりと歩を進める。
「て…めぇ…なんで動いている!?なんで…なんで動ける…!?アッシが大事な物捨ててまで得た力なのになんで!!!」
「ま…もる…ためだ…っ!!」
そう言うとラムレザルは髪に挿していた簪を人器化した。
「活動限界だろうが…血反吐吐こうが…何だろうが…仕事は遂行する…仲間を…家族を守る…!守れるなら…ッ…何も要らねぇ!!こんなゴミみたいな命…くれてやるよ!!!…リコイル上限…突破ッ!!命を代価に…この斑獣の核を消せ…!!」
駆け出し人器化した簪をルドが壁に作ったクレーターに撃ち込むのと同時にネルデの電撃を食らったラムレザル。
当然事ながら既に限界を迎えていた身体は吐血し倒れ込んだ。
「ラム!!」
エンジンが駆け寄るとラムレザルは呼吸が浅く苦しそうにしていた。
「ラム…っ!」
「エ、ンジン…備え…ろ…」
「備える?何にだ?」
「気圧…が…変わるぞ…カハッ…」
「気圧?」
その瞬間、強い風が吹いた。
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