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久しぶりのオフ被り。
最近は、2人で出掛けたりもしなかった。こうやって愛し合う回数も、最近では少し減っていた気がする。
いつのまにか翔太とこうしていることに、慣れてしまっていた自分がいた。
白い頬を両手で包み、ゆっくりとキスをした。遠慮がちに開かれた唇に、逸る心を抑えて、舌を挿し込んでいく。瑞々しく弾力のある唇の表面も、熱い口の中も、整った歯列も、全部を味わっていく。
翔太の息が漏れた。
潤んだ目で俺を見つめている。目が言ってる。『どうしたの?』構わずキスを続ける。
💙「あべちゃ……?…」
このひと月。
生きた心地がしなかった。
人形の中に翔太が取り込まれたなんてこと、妄想に過ぎないのかもしれないと何度も我に返った。頭の中に響く声も、幻覚に過ぎないのではないかと悩んでいた。
白い首筋に印を付けると、翔太が慌てた。
💙「ヤダ…。あっ!んっ……」
腕から逃れようとする背中に、二つ目の印を付けた。
💚「ごめんね、今日は激しくなりそう」
一気にTシャツを脱ぐと、仰向けにした翔太の上に跨った。
💙「こんなの、久しぶりだ」
💚「んっ………そうだね……んんっ……」
翔太の手が俺の欲望を布越しに弄っている。
もうそこは、翔太の中に入りたがっていた。繋がることで、俺たちの絆を確かめたがっているかのように。
💙「俺が欲しい?」
翔太は俺の首に両腕を回すと、誘うように言った。目の奥に悦びがあって、堪らなく可愛いと思った。愛おしくて、胸が締め付けられた。
なぜ、こんなにも愛していたことを忘れてしまっていたんだろう。
💙「いいよ。いっぱい愛して?」
そこからはケモノのようにむしゃぶりついた。翔太が甘い声を上げるたび、涙を流しながら善がるたび、欲しがる以上の快感を与え、俺も快楽に貪欲に動いた。
ねっとりと、しかし、激しく、翔太の中に俺の形と熱を覚え込ませて、愛した。
最後の飛沫が翔太の口元を汚し、翔太が、はあ、と大きく息をついた瞬間、唇をひとしきり貪って、行為は終わった。
ベッドに二人、仰向けのまま、大の字で天井を見上げている。
💙「俺、ひとつだけ思い出したことがある」
首だけ翔太の方を向くと、翔太は言いづらそうにした。
💙「阿部ちゃん、俺をおかずに、オナニーしたろ」
💚「言うなよ」
あとは2人で、馬鹿みたいに笑った。
おわり。
コメント
5件
まきぴよさんおはようございます(*^^*) ちょっと不思議な感じかな〜って始めは思いましたが人形って人の形をした空の器だからその中に入ってしまってもおかしくはないんだよなーってって思いながらなんで人形の中にしょっぴーが入ってしまったのか考えながら一気読みしました🙂最後にちゃんと愛しい人の腕の中に戻れて良かったです😊
もうほんと元に戻ってよかった🥹💚💙 でも最後の一言でなんでそこ思い出すねん!って爆笑した😂😂