〜翌日〜
「昨日はすまん!」
ガバッと頭を下げてきた佐藤くんは、本当に後悔している音を出していた。
(まぁ、反省してるならいいか…)
僕は「大丈夫だよ。」と声をかけて前を向いた。
「なぁ、高橋…お前なんで怒らないんだ?」
「え?」
何を言っているんだろう…これくらいのことで怒る奴だとでも思われているのだろうか…それは嫌だな…しっかり説明しなくては。
「僕は別にこれくらいのことじゃ怒らないよ。」
それに、と前置きをして
「逆にこれくらいのことで怒るのは心が狭いと思ってるくらいだよ。」
まぁ、本当にそう思っているし、誤解されたままなのは嫌だったから、素直にそう言うと、佐藤くんは目を丸くした。
「お前…優しいんだな!」
「え?」
これくらいのことで優しいって…心を聞いてみるか。
(こいつ…本当は凄くいいやつなんじゃないか?)
僕悪い奴とでも思われてたのか…?それはそれで心外だな。でも…本当の僕は…
「僕はいいやつじゃないよ。」
「え?」
やばい…思ったことを素直に口に出してしまった。心の声が聞こえることを悟られてしまっただろうか…?
(こいつ超能力者なのか?すげぇ!)
なんでそうなる!?
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