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※🤎(攻)🩶(受)
「じゃ、ミーティングはこれで終わり!」
お疲れさまでしたと、リョウガ君の声で皆が一斉に立ち上がる。
各々帰りの準備をしている。
俺も私物をカバンにしまって、『お疲れ様でしたー!』と皆に向けて挨拶をしたら、『おー!マーくんお疲れ様!』と声をかけてくれる。
ドアに手をかけたとき、後ろから『マサ!』と声をかけられた。
振り向くと、シューヤが体当たりする勢いで走ってきた。
普通は止まるが、シューヤは止まらない。そのままの勢いで飛びつかれた。
普通の人なら大の男が飛びついてきたら倒れこむだろう。でも、鍛えてきたこの体幹に感謝だな。倒れこまず受け止めた。
「シューヤ!危ないだろ!」
「へへっ!止まれなかった☆マサー、一緒に帰ろ?」
はぁと溜息をついたが、こんなとびきりの笑顔を見せられて断られるはずがない。
「いいよ、一緒に帰ろう」
「やった!じゃぁさ、オレん家で夕飯食べよ?」
いいよと返事をすると、シューヤはやった☆とまた笑顔を向ける。
可愛いな…。
「うぃー。ただいまー。あぁー!疲れたぁ」
シューヤはダルそうにソファに座った。
「お疲れさん。」
そう言いながら、隣に座ると、『マサもおつかれ』と返ってきた。
二人で笑いあって、シューヤは『なに食べようかー?』とキッチンに向かい、
冷蔵庫から作り置きのおかずをレンチンし始めた。
年上の彼。感情が素直で表情もコロコロ変わってすげぇ可愛い。
二人のチャンネルを持つ位、仲が良く、信頼できる仲間。
それが苦しいなんて思い始めたのは最近。
最初はずっと一緒にいて兄弟みたいな感覚だった。
でも、最近気が付いた。
ハルやアロハ、ましてや相棒であるタカシ君にまで嫉妬をしてしまっている事。
メンバーとじゃれ合ったりしているのを見ると、黒いモヤが自分の心を覆った。
この感覚は間違いなく『恋』だ。
今まで同性を恋愛対象としてみてはいなかったが、シューヤだけは違った。
シューヤが隣にいるだけで、愛おしい、ずっと傍にいたいと想えた。
ただ、シューヤにこの感情をぶつけたらどうなるか想像がつかない。
どこまで拒絶されるかわからない恐怖。
恋愛感情を拒否されるならまだいい。隣にいられなくなるのが恐怖で堪らない。
だからずっと隠し通すつもりだ。でも、シューヤを他の奴に渡す気もない。
もし、シューヤを俺から奪う奴が現れたら徹底的に排除する。
ごめんね、シューヤ。
「マサー?コレ運んで?」
声をかけられ、キッチンに行く。
シューヤの得意料理の春巻きと数種類のおかずが準備されていた。
「凄いね、作り置きの数エグくない?」
「だろー⁉料理熱が最近出てさ!さらに自炊頑張ってんの!でも、張り切って作りすぎちゃって。だから、今日マサを誘ったの!」
なんだよ、残飯係かよ!と笑いながら悪態をつく。
「ちげぇよ!ごはん担当にお仕事を与えたんだよ!俺、えらくない?担当の使命をちゃんと与えたんだから!」
笑って反論するシューヤにハイハイと言って運んだおかずをテーブルに並べた。
「「いっただきまー」」
「す」言わなな?と聞こえてきそうな合図で食べ始めた。
「春巻き相変わらず美味しいけど、ほかのおかずも美味しい。」
「だろ⁉頑張ってるんだぜ!」
へへッと言うシューヤの頭を撫ぜた。
「ハイハイ、偉い偉い。シューヤはいいお嫁さんになるね。」
『誰が嫁だッ!婿だろッ!』と笑いながらツッコまれるのを待っていたが返事がない。
隣を見ると下を向いているシューヤが居た。
「あれ?そんなに『お嫁さん』が嫌だった?」
その言葉に、シューヤは首を横に振った。
心なしか、耳と首筋がいつもより赤い気がする。
「………た。」
「えっ?何?」
下を向いているため、声が聞こえない。
「~~~~ッ!だっ、だからッ、照れてんの!バカ!」
バシッと肩を叩かれた。
「痛ッ。」
思わず声が出てしまった。鍛えられたシューヤの腕で思いっきりシバかれたらそりゃ声も出る。
「ごっ、ごめん!」
俺の声でシューヤが顔を上げた。
顔は赤く、少し涙目。
「もう、馬鹿力。でっ?なんで照れたの?いつもこんな事言ったって照れないでしょ?」
顔を寄せると、シューヤはまた下を向いた。
「こら、シュー。した「……ぜたッ。」
俺の言葉を遮って、何かを言った。
「あっ、あたまを撫ぜたじゃんッ…!ってかさ、お前ズルい。頭撫ぜるときも笑顔でのぞき込んできて、カッコイイっておもっちゃったじゃん…。………はずぃ。」
シューヤは更に頭を下げ、俺の胸に頭をくっつけた。
優しく頭を撫ぜる。撫ぜると少し反応した。
可愛くて仕方ない。
「ねぇ、それって俺に惚れてくれてんの?」
声をかけると小さい声で。
「うっせぇ…バカ…。」
と聞こえてきた。
「答えになってないよ。どっちなの?」
イジワルに問うとバッと顔を上げた。
「お前、わかってて言ってんだろ⁈」
少しイラついた声でシューヤが俺の胸倉を掴みながら言った。
「わからないよ。どっち?シューヤがちゃんと言わないと分からない。」
更に顔が赤くなり、ソッポを向いて俯く。小さい声で、
「………ほれてる。」と言い、自分の腕で顔を隠した。
俺は、横からシューヤを抱きしめた。
「ありがとう。すげぇ嬉しい。」
嬉しすぎて、抱きしめた腕に力が入る。
「マサ!痛い!ギブギブッ!」
腕の中から笑ったシューヤの声が聞こえた。
ごめんと言って離れると、笑顔のシューヤがこっちを見ていた。
シューヤは両手を出した。俺はそれに答えて優しく抱きしめた。
「良かった。マサに引かれたと思った。」
耳元で優しい声で囁かれる。
「引くわけないじゃん。」
シューヤは俺の答えにクスっと笑って
「次はマサの番だよ。言って?マサの想い俺に聞かせて?」
そう言われて、俺は少し力が入った。
「シューヤ、好きだよ。友達や仲間の『好き』じゃなくて、恋愛の『好き』だよ。」
抱きしめ合ったまま沈黙が流れる。
「俺もマサが好き」
ゆっくり身体が離れてお互いを見つめる。
「俺への『好き』は恋愛感情?」
その言葉にシューヤは柔らかく微笑んだ。
「あったりめーだろ、バカマサ。」
勢いよく抱きしめる。
「マジ嬉しい…!ずっと好きだった。でも、隣に居れなくなるの怖くて。言えなかった。」
「俺もずっと好きだったけど、言えなかった。でも、マサがさ、タクちゃんやほかのメンバーとじゃれてるの見てたりしたら、嫉妬しちゃってイライラして…。」
「同じじゃん。俺もシューヤがメンバーとじゃれてるの見てイライラしてたもん。」
シューヤの首筋に顔を埋める。シューヤが髪がくすぐったいと笑った。
ゆっくりと離れて、お互いを見つめて今度は唇が触れる。
また見つめて、互いに照れて下を向く。
「恥ッ!中学生かっつーの!俺たちいい大人だぜ?」
シューヤが悪態をつく。
「いいの。俺は今幸せだから。」
もう一度、唇を重ねる。今度は舌でシューヤの口をこじ開け、口内に舌を滑らす。
「ふッ…んッ…!はぁ、んッ‼」
貪るようにキスをするとシューヤは息苦しそうに声を漏らす。
ジュッと唾液に濡れた音で唇を離す。
はぁ…と息を整え、眼を潤ませているシューヤを見て微笑む。
「大人のキスがしたかったんでしょ?」
イジワルに言うと、バカと一言返ってきた。
「シューヤ、愛してるよ。」
その言葉にシューヤが微笑む。
「うん、俺もマサの事愛してるよ。」
——–もう一生、離してあげない。
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