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「 我儘な君の中で綺麗に腐った罰 」
牛がヤバいやつに見えてこの選択をした猫も猫だよねって話。全体的に暗めです。それと超短い。苦手な人はさよならバイバイ。
こうなるとは思ってた。
正直予想通り過ぎて笑えてくる。
することなんて初めから決まっている。
君を地の果て迄追い掛ける。
────???
何も無いしんとした夜道。家もビルも無くただ心許ない街頭が並ぶだけのその道。耳が痛くなるほどの静寂と嫌になるほど輝く星空の下、ひとつの人影がゆらりと揺れた。
「 ずるい 」
コツン、
「 ずるい 」
カツン、
「 ズルい 」
カツッ、
「 狡い。 」
コツ·····。
石畳を蹴る靴が歩みを止めた。音が少し響くも誰も気にしない。こんなくらい中でもよく見える赤には「止まれ」の文字。またゆっくりと歩みを進めた人影はその柱に掌を滑らせ、名残惜しそうに指を絡め、そして手を重力のままだらりと下げる。
「俺の何が悪かったかなぁ。」
そうっと首を傾けた人影はそう独り言れば柱をなぞった手を顎に運んだ。
「俺何も悪くねぇな。」
·····数秒の後、そう再び独り言た人影は先程よりも軽快な、ほぼ踊るような足取りで愉しげに歩き始めた。
─────猫
ぴんぽーん。
静寂を遮った無機質な音。宅配なんて頼んでいない。こんな時間に来るのもおかしい。誰かと約束した訳でもない。
警戒心を顕にした猫は玄関を睨み付けながらそうっとドアスコープを覗いた。
「ッ·····!?」
ドアスコープから此方を覗いた目。
今確かに目が合った。
いや、彼方からは見えないはず。
でも猫は確信した。
──目が合った、と。
コンコン、
優しくも圧があるノック音。猫は唇を震えさせながらもそっと扉を開けた。
見知った人だった。
「よぉ、猫。」
見知ったはずの·····
「どーしたの、牛。」
そこに居たのは·····
「俺、なんかしたっけ?」
あの頃と変わらないままの···
「してないよ、別に。」
あの頃よりも酷い·····
「ならなんで?」
「なんで逃げたの??」
猫に狂った牛が居た。