テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
-–
🕔AM5:30──事務所の編集部屋、静寂の中で
バチバチバチッ……
──キーボードを打つ音と、すすり泣く声だけが響いていた。
○○「……いたい……いたい……っ」
背中を丸めて、ソファの肘掛けに突っ伏して泣く○○。
目元は真っ赤。顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃ。
右手で頬を押さえ、左手では何かを探すように机の上をかき回していた。
○○「……ない……痛み止め、ない……」
机の引き出しも、リュックの中も、ポーチも、箱も。
すべてのストックを使い果たしていた。
──そのとき。
🚪「ガチャッ」
💚「ん、おはよ。あれ、○○?」
ドアを開けたのは💚ゆうた。
その背後には❤️やまともいた。
❤️「……こんな朝早くから何してんだよ」
○○「……っ」
咄嗟に顔を拭って、何事もなかったように振り向いた。
○○「お、おはよー!ちょっと……ね、早起きしちゃってさ……」
💚「……あれ?」
ゆうたが眉をひそめた。
💚「目、赤くね?」
○○「ううん、花粉!春じゃん!花粉花粉!」
無理やり笑ってごまかそうとした瞬間──
❤️「○○」
やまとの声が、柔らかいのに、どこか鋭くて。
○○の心臓がドクンと跳ねた。
❤️「……こっち、来な?」
やまとがゆっくり両手を広げた。
○○「……えっ」
その手に包まれるように──
○○は反射的に、その胸に抱きついていた。
○○「っ……っひく……っぅ、やまと……」
❤️「よしよし。……歯が痛くて、泣いてたんだよね。」
○○「っ!?!?!?!?」
突然言い当てられた瞬間、背中にゾクッとした寒気が走った。
そのまま、腕の中で固まる○○。
(……なんで……知ってるの……?)
しゃべろうとしても、声が出ない。
代わりに、呼吸だけがだんだんと速く、浅くなっていく。
❤️「……ね、ゆうた。見て。呼吸早くなった。」
💚「わかりやすいなぁ……」
○○「……ち、ちがうし……っ」
💚「ほっといたから、こうなったんだよ」
ゆうたは小さくため息をついて、ジャケットの内ポケットから何かを取り出した。
それは──
🔴「痛み止めの錠剤」
💚「○○、これ飲む?」
○○「…………」
1秒も迷わなかった。
○○はすごい勢いで、それを受け取り、封を破り、水も無しに飲み込んだ。
ゴクッ
その光景を、ゆうたとやまとは黙って見ていた。
……5秒後。
❤️「──やっぱり、痛いんだね?」
その言葉に○○の体がビクリと震えた。
(しまった……)
飲んだことで、自分の“嘘”を確定させてしまった。
○○「……」
❤️「ほら、落ち着いてきたじゃん。痛み止め飲んで、ほら……呼吸、戻ってきたよな?」
💚「ふーん……」
ゆうたが口角を上げて、冗談みたいな口調で言う。
💚「うーわ、嘘ついてたんだ……?」
○○「っ……ち、ちが……っ」
💚「どこが?w 嘘ついてないとでも思ってたの?
飲んだじゃん。痛み止め。すっごい勢いで。」
❤️「○○」
やまとが膝をつき、目線を合わせる。
❤️「ごまかしても無駄だよ。 お前が泣きながら、1人で朝イチに来るような子じゃないこと、知ってる。」
○○「……だって……言ったら……バレるし……」
💚「言わなくても、バレてるけどね?w」
○○「……うるさい……」
❤️「うるさいじゃなくて。
今のは、何のために痛み止め飲んだの?」
○○「……」
❤️「“痛くない”なら、必要ないよね。」
○○「っ……っうぅ……」
(くるしい……何も言えない……)
❤️「○○、お前がどれだけ“平気なふり”しても、
こうやって、飲み込んだ薬1粒で、全部バレるんだよ。」
💚「なーんでこんなギリギリまで我慢するかな〜……」
○○「……だって、見せたくなかったし……怖いし……怒られるし……」
❤️「怒られることより、“身体を壊すこと”の方が怖いんだよ。」
💚「……ほんとそれ。」
○○「……」
その場でまたぽろぽろと涙がこぼれた。
やまとが、優しく頭を撫でながら、ぽつり。
❤️「怖かったな。でも、もう1人じゃないよ。」
○○は、黙ってその胸に、もう一度ギュッと顔をうずめた。
どうでしたか!?
これ同じようなの昨日上げてたんです、
昨日のが完成版でこれがボツになったやつです😂
個人的にはやっぱり完成版の方が好きかなー