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番外編・空花の気になる事

キーンコーンカーンコーン

そう授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。今日は待ちに待った五限目までの授業。しかも終礼は担任が出張という事で終わりの挨拶だけ。最高…。そう浮かれていると

「ねえ、空花はどうする?」

と、話しかけられた。

「え、何が?」

そう聞くと溜息を着かれた。この溜息を着いてる少女は、演劇部兼放送部の部長、明石麻衣。私の親友である。

「だから、次の部長の事だよ。」

そう言われてハッとした。今三年生の間では、〝次の部長は誰にするか〟という話題で持ちきりだ。部長の推薦で次期部長が決まるのだが、責任重大過ぎて少し不安になる。

「次の部長か。麻衣は誰にするの?」

そう聞くと満面の笑みで

「それはね、真壁白音。期待の新人ちゃんだよ。」

と、答えた。私はそれを聞いて少し驚いた。まさか麻衣がもう決めていたなんて知らなかったから。いつも提出期限ギリギリになってよく、私に助けを求めてきたのに。私もそろそろ本気で考えないとな。そう思うと麻衣が

「空花は選択肢一つしかないでしょ?」

そう言われ首をかしげる。

「え、だって梅崎棗ちゃんを部長にするんじゃないの?」

「はい?」

そう言われ少し驚き声が出てしまった。棗を部長にするなんて考えてもいなかった。麻衣は少し驚いたように話を続けた。

「え?違うの?だって、二年生の中で一番剣道強いのって、梅崎棗ちゃんだったじゃん。」

そう言われて少し考える。この間学年対抗のトーナメントした時、二年生十四人中一位という活躍を見せた。でも心配なのは、皆の事を引っ張れるかどうか。

「あー。言われてみればそうだけど。心配なんだよね。」

そういい苦笑すると、麻衣も少し納得したように頷いた。

「まぁ、絶対その子にしろとかは言わないけどさ。早く決めた方が良いよ。」

そう言い彼女は自分の席に戻った。一応棗に話してみようかな。そう思いながら、いつの間にか終わりの挨拶をするための号令がかかっていた。少し遅れたが私も立ち上がり挨拶をして終礼が終わった。 帰り道、どうしようかと迷ったが棗の家に行った。

「こんにちは」

棗の家にはインターホンがないので、そう家の扉の前で呼ぶと

「はーい」

と、棗の声がした。その後すぐ扉が開くと棗が少しびっくりした様な顔をした。

「どうしたんですか。」

そう聞かれ一瞬戸惑うが、はっきりいう事にした。

「あのさ。棗、次の部長の話なんだけど。部長になってくれるかな?」

そう言うと棗は少し驚いた顔をして

「え、いいんですか。私なんかが」

と、言った。それを聞いて自分の中の決意が決まった。

「うん。というか、なって欲しい。」

そう言うと棗は嬉しそうに

「うん。分かった。やってみる。」

そう言ってくれた。


次の日、学校で顧問の先生に次期部長の推薦書を貰い記入した。これで少しだけ肩の荷が下りた。

憂鬱な日々に終止符を

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