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、、、「え?」
もう6時半であった。バスはあと10分ほどで到着する。これを逃すと遅刻ほぼ確定だ。アラームは毎日つけている。
「今日は鳴らなかった??」
大急ぎで準備をしようとリビングで過ごすとテレビの音が耳に聞こえてきた。
…「日本各地で機械、AIの故障、不具合が相次いでいるようです。これは2045年問題と関係があると思われ、調査が続けられています。」
学校からメールが来た。「機械の相次ぐ不具合により、学校に多大な影響が出ると予想されるため、臨時で生徒は休校とします。」
何が起きている。2045年問題というのは聞いたことがある。
………2045年問題、シンギュラリティ 「技術的特異点」と言われ、「自律的なAI(人工知能)が自己フィードバックで改善を繰り返し、人間の知能を超える瞬間が訪れるという仮説」
だがそれが起こるなんて全く思ってもいなかった。
そもそも学校からのメールが届いたのが奇跡だ。友達に連絡しようとしたが、つながる相手がいない。母と父は既に仕事場に行っている。混乱しているに違いない。
「近くの友達の家に行くしかないか、」
準備していた鞄を用済みかのように放り、制服のまま家を飛び出した。
向かったのは山本颯馬の家だ。同じ中学校であり、家は近い。
「おお、晴やん」
そこには、颯馬だけでなく、抜群の運動神経とルックスを誇る小学校からの友達、与田創一もいた。
「LINEも何も使えんし、どうするん、」
「学校もなくなった、何が起きてるん」
「分からん、でもワクワクするやん、これ」
創一は楽しんでいた。少なくとも晴自身もこの状況は少し面白かった。
「そういえば、颯馬ん家会話できる小型ロボットいたやん、あれ動くん?」
「いや、電源入れても動かんくなった」
このまま行くとすべての機械が止まり、日本がめちゃくちゃになる可能性もある。晴は少し冷や汗をかいた。
颯馬と創一は表情に余裕がある。
「母さんいるけど、入っていいよ。暑いし」
颯馬は家に入れてくれた。家に入った途端、どこからか視線を感じた。
リビングの奥には小型ロボットのエリサが突っ立っていた。