テラーノベル
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タクシーのライトが遠ざかると、夜の静けさがふたりを包んだ。
空気は少し冷たく、吐く息が白く揺れる。
「……着いたね」
すちがそう言って振り返ると、みことは少し眠たげに頷いた。
「うん……」
その小さな声に、すちは微笑む。
玄関の明かりがふたりを迎え入れるように灯る。靴を脱ぎ、廊下を進むと、家の中にはほんのりと洗剤と木の匂いが混ざっていた。
「みこちゃん、今日はもう寝よっか」
優しい声に導かれるように、みことはこくりと頷く。
眠気と安心が入り混じったような表情で、すちの後ろをついていった。
寝室のドアを開けると、ふんわりとした白いシーツが目に映る。
その空間はどこか穏やかで、外の冷たい夜とは対照的だった。
「女性もののパジャマは置いてないから……俺ので悪いけど」
そう言いながら、すちは自分の寝巻きを差し出す。
「ありがと……」
みことはそれを受け取り、少し照れたように微笑んだ。
着替えを終えたみことが出てくると、すちの目が自然と吸い寄せられる。
自分の寝巻きに包まれたみことの姿は、思っていた以上に小さくて──
袖に隠れる手首、裾が太ももをかくしてしまうほどの長さ。
「……っ」
可愛い、と思うより先に、胸の奥がぎゅっと締めつけられるような衝撃が走った。
みことは何も知らない顔で、少し頬を染めながら「ちょっと大きいね」と笑う。
「うん……かわいい」
やっとの思いで言葉を絞り出すと、みことは嬉しそうに目を細めた。
すちは自分も着替えようと、クローゼットに手を伸ばす。
その瞬間だった。
──眩しい光が、ふたりを包み込む。
「え!?……わっ、なに、これ……!」
みことが思わず目を覆う。
すちも戸惑いながら立ち尽くす。光はやがて強くなり、部屋の空気が震えるように感じられた。
やがて、ふっと明るさが落ち着く。
静寂の中、すちはゆっくりと目を開けた。
視界に映る自分の手。
そこには──男の姿の自分があった。
「……戻った…?」
かすれるような声がこぼれる。
みことは驚いたように目を見開き、すちを見つめていた。
その瞳の奥に、驚きと、どこか安堵のようなものが揺れている。
静かな夜の中、ふたりだけの呼吸の音が重なっていった。
静寂の中、ふたりはしばらく見つめ合っていた。
すちの心臓が、どくん、と音を立てる。
男の姿に戻った自分を見下ろし、そして目の前の小さなみことを見たとき──
胸の奥から、どうしようもない感情がこみ上げてきた。
「……みこちゃん」
声が震える。
みことが首をかしげて、そっと見上げてくる。
「どうしたの、すちくん?」
その柔らかい呼び方に、息が詰まった。
言葉にするのが怖かった。でも、嘘をつくほうがもっと怖い。
「……触っていい?」
その一言に、部屋の空気が静かに揺れた。
すちの指先はわずかに震えている。
みことは驚いたように目を瞬かせたが、すぐに穏やかに微笑んだ。
「……すちくんなら、いいよ」
まるでその言葉に、安心を溶かし込むように。
拒絶もためらいもなく、ただ信じるように頷くその瞳。
すちは息をのむ。
その小さな頷きが、どれほどの信頼を意味しているかを理解していたから。
「……ありがとう」
掠れた声でそう言い、すちはゆっくりとみことの頬に手を伸ばした。
指先が触れる。温もりが伝わる。
それだけで、胸の奥がほどけていく。
すちはただ、その存在を確かめるように、静かに触れていた。
すちの手が、みことの頬を包む。
その温もりに導かれるように、みことはそっと目を閉じた。
「……みこちゃん」
名前を呼ぶ声は、吐息に溶けるように小さい。
次の瞬間、唇が触れ合う。
やわらかく、確かに──互いの想いを確かめるような口づけ。
みことがすちのシャツをぎゅっと握った瞬間、空気が変わる。
温度が上がり、呼吸が少しずつ重なっていく。
唇が何度も触れ、離れて、また求め合う。
静かな夜の中で、心臓の鼓動だけが響いていた。
すちはみことの背中を抱き寄せながら、ただその存在を確かめるように唇を重ね続けた。
すちの指先が、布越しにみことの後ろをなぞる。
薄い下着を隔てているはずなのに、そこから伝わる温もりと柔らかさは鮮烈で、すちは息を詰める。
みことは小さく肩を震わせ、思わずすちの胸に顔を押しつけた。
「……っ、すち……そこ、だめ……」
弱々しい拒みの声とは裏腹に、腰は逃げきれずに止まってしまう。
下着越しの布地を通して、じわじわと圧をかけられる感覚に、みことの呼吸は乱れ、熱が頬を染めていく。
触れてはいけない場所が、指先の存在だけで溶かされてしまうようで――、羞恥と快感がないまぜになり、涙が滲んだ。
すちはその涙さえ愛おしげに拭い、耳元で囁く。
「……後ろだけでこんなに感じてる。かわいいね、みこと」
すちの指先が、布ごと奥をなぞるたびに、みことの身体はびくびくと反応する。
「……っ、あ……すち、だめ……こんなの、はずかしい……」
言葉では拒むのに、腰は逃げきれず、下着越しに感じる甘い圧迫に震えてしまう。
薄布が肌に貼りつき、湿りを帯びて透けていく。
その向こうで蠢く指の存在は、直接よりもかえって敏感に感じられて、みことは涙をにじませる。
すちはみことの頬を撫で、熱を帯びた吐息を耳元に落とした。
布の摩擦と圧が重なり、甘い刺激が波のように押し寄せる。
みことは必死に声を噛み殺しながら、すちの胸にしがみついた。
羞恥に塗れたその姿が、すちには何よりも愛しく、眩しく見えた。
下着の布が指先に押し込まれ、わずかに擦れるたび、みことの奥がきゅっと疼く。
その違和感と快感が混ざり合い、身体の奥から熱がこみ上げて止まらない。
「……っ、あ……すち……やだ…ぁ…」
震える声でそう言いながらも、秘部は下着越しに濡れを広げていく。
染みた布が肌にぴたりと貼りつき、指の動きに合わせてとろりと愛液が溢れ、摩擦を一層濃密にしていく。
すちはそれを感じ取り、低く囁いた。
「……後ろだけでこんなに濡らして……ほんと可愛いなぁ」
羞恥で頬を染め、みことは顔を胸に埋める。
これまで知らなかった場所をなぞられるたび、みことの腰は勝手に震え、奥から疼くような甘い痺れが広がっていく。
「……っ、あ……だ、め……こんなの……」
拒む言葉とは裏腹に、声は震え、快感がにじんでいた。
おしりの穴を擦られる――その未知の感覚に、頭の奥が真っ白になる。
今まで知らなかった甘さが一気に押し寄せ、みことは胸の奥で息を詰めた。
堪えきれずに口が開き、唇の端から透明な涎がつっと零れ落ちる。
「……っ、や……すち……からだ、おかしく……なる……」
すちは愛おしげにその滴を拭い取り、囁く。
「……大丈夫。新しい気持ちよさ、全部俺に教えて?」
羞恥と背徳に塗れながら、みことの身体はもうその快感を拒めなくなっていた。
すちは微笑を含んだ瞳でみことを見つめ、さらに深く押し込んだ。
布と共に圧がかかるたび、未知の場所を擦られる感覚が増していき、みことの視界は滲んでいく。
「……ほら、奥までちゃんと感じられるだろ……?」
低い囁きに耳を打たれ、みことは涙を浮かべながら首を振った。
けれどその口元からは、またも涎がとろりと零れ、快感に抗えていないことを証明していた。
「……すち……っ、だめなのに……きもちよすぎて……っ」
すちはその様子を受け止めるように、さらに探るように角度を変え、布越しの指を押し進める。
未知の甘さに絡め取られて、みことの身体はもう、どうしようもなく震え続けていた。
すちの指は決して一気には動かさない。
布越しに押し込んでは、わざと離し、またゆっくりと押しあてる。
その繰り返しに、みことの身体は甘く震え、未知の疼きに翻弄されていった。
「……っ、あ……すち……っ、いや……っ、もう……」
泣き声混じりに訴える声。けれどその腰は、次の刺激を求めるように小さく跳ねる。
布にじわじわと濡れが広がり、擦れるたびに甘い痺れが深まる。
おしりの奥をなぞられるたび、みことは初めての感覚に耐えきれず、唇の端からまた涎をこぼしてしまう。
「……ほら、まだだよ。もっと気持ちよくなる場所、ちゃんと覚えて」
すちの囁きとともに、指先は角度を変え、少しずつ違う場所を押し当てていく。
押されるたびに電流のような快感が走り、みことは喉の奥で声を詰まらせた。
「……っ、や……やだ……っ、知らないのに……からだ……勝手に……」
涙と涎に濡れた顔をすちの胸に隠しながら、必死に言葉をつなぐ。
けれどすちはその髪を優しく撫で、焦らすようにまた指を引いた。
「……まだ終わらせない。何度でも、教えてあげるから」
みことの身体は、果てることを許されず、焦がれるほどの快感だけを何度も刻み込まれていった。
「……っ、あ……あぁ……っ」
指が抜けていく感覚は、押し込まれる時よりも鋭く、甘く、全身を痺れさせた。
思わず喉の奥から声が漏れ、みことは慌てて唇を噛む。
すちはその反応を見逃さず、再び布ごと押し入れてから、またじわじわと抜いていく。
差し込まれる快感と、抜かれる時の痺れるような甘さ。
その繰り返しに、みことの身体はどんどん敏感に研ぎ澄まされていった。
「……っ、や……だめ……抜かれると……っ、へんな声……」
羞恥に震える声。だがすちは耳元に熱い吐息を落とし、囁いた。
「……隠さないで?」
次に抜かれた瞬間、みことは堪えきれずに、甘い声を零してしまった。
涙に濡れた瞳を伏せながら、その快感を止められず、身体はすちにすがりつくように震えていた。
すちは抜き差しのリズムを徐々に早め、みことの身体を焦らす。
「……あっ、あぁっ……!すちっ、や、やばい……っ!ぃ、ぐっ…ぃっちゃ、ぅ~!」
抵抗しようとする言葉も、震える腰と熱を帯びた身体の前では無力だった。
抜かれるたびにくすぐったくも甘い快感が走り、身体が勝手に反応してしまう。
すちはその反応を確認するように指を押し入れ、引き抜く。
「……もう我慢できないの、わかるよ…たくさんイこうね」
囁きに合わせてリズムをさらに速めると、みことの腰は波のように跳ね、声は次第に止められなくなった。
身体の奥で爆ぜるような快感に、みことは口を大きく開け、吐息と声を混ぜて零す。
涙と涎に濡れた頬をすちに押しつけながら、全身が甘い痺れに支配され、ついに限界を迎えた。
「……んん゛ッ~~~!!ぁぁッ…!」
声を震わせながら、身体は快感に蕩けきり、下着越しの感覚だけでも十分に果てたことを、すちに伝えていた。
果てた瞬間、秘部はすでに愛液で湿っており、布にじんわりと染みが広がる。
表面ではおしりの刺激に溺れ、内側では濡れが増している──その二重の感覚に、みことはさらに蕩けてしまった。
すちはそっと下着に手をかけ、みことの腰から滑らせるように脱がせた。
布地には熱に濡れた跡が広がっていて、みことは羞恥に頬を染め、思わず顔を隠す。
「……っ、み みないれ……すち……」
か細い声で訴えるけれど、その震える姿がいっそう愛しく見えた。
すちは微笑みながら膝を折り、みことの脚に頬を寄せる。
「……大丈夫。恥ずかしいことじゃないよ。全部、俺が綺麗にしてあげる」
唇が触れるたび、温もりが沁みる。
やさしく跡を拭い取るように、丁寧に、まるで大切な宝物を扱うかのように。
みことは堪えきれず、指先でシーツを握りしめる。
「……っ、すち…ひぁッ!……なめちゃ…ゃぁッ……」
羞恥と甘さに震える声。
すちに優しく拭われる感覚に、みことは胸の奥が熱でいっぱいになっていった。
羞恥と安心が入り混じり、涙がこぼれる。
「……すち……おれ、こんなに……汚れてるのに……ッ」
か細い声でそう漏らすと、すちは顔を上げ、濡れた瞳を真っ直ぐ見つめる。
「汚れてなんかないよ。全部、愛しい」
穏やかな声に胸を打たれ、みことの心は柔らかく解けていく。
次の瞬間、すちの唇がそっと重なった。
優しい口づけのはずが、触れるだけでは足りなくなり、みことは自然とすちの首に腕を回す。
「……ん……っ」
吐息が混ざり合い、口づけは深くなっていく。
一度果てた身体がまだ熱を帯びていて、ふたりの距離はもう離れられなかった。
すちはみことの背を抱き寄せ、囁く。
「……もう一度。今度は……最後まで」
みことは頬を染めながらも小さく頷き、すちに身を委ねた。
その仕草が何よりも愛おしく、ふたりは再び、甘く求め合っていった。
夜の静けさに包まれた部屋。
薄暗い明かりの中、ベッドに沈むみことの身体をすちが覆いかぶさるようにして捕らえていた。
「……っ、すち……」
声を洩らすみことの首筋に、熱を帯びた唇が押し当てられる。吸い上げられるたびに、じわりと赤が浮かび上がっていく。
「俺のものだって、わかるようにしておきたいんだ」
囁きながら、鎖骨、胸、腕へと唇が移動する。噛みつくようにしては、痕を刻み、そこに舌を這わせて慰める。
くすぐったさと熱に身をよじらせても、すちは容赦なく次の場所へ口づけを落としていった。
背中に、腰に、脚に――。
逃げ場などない。触れるたびに新しい印が刻まれ、みことの白い肌が淡い紅に染まっていく。
「……もう、これ以上……」
震える声で制止を求めても、すちは笑みを浮かべて首を横に振った。
「まだ足りない。誰が見ても、全部俺のだってわかるくらいじゃないと」
やわらかな吐息と低い声が耳元をくすぐる。みことは熱に浮かされるように瞳を潤ませ、抵抗もできず、ただすちに委ねていく。
やがて全身を埋め尽くすほどの痕が残され、みことは息を乱しながらすちの腕の中で力を抜いた。
どこに触れても、すちの証が残っている――その事実に、羞恥と同時に甘い安心が胸を満たしていった。
ベッドに押し伏せられ、息を乱すみこと。
首筋から胸元、腕、腰にかけて、すちの唇が刻んだ痕が無数に散らばっていた。
「……まだ足りない」
低く囁く声とともに、すちはさらに深く身体を探る。
みことが思わず身を跳ねさせたのは、足の付け根に熱い唇が触れた瞬間だった。
「っ、すち……そこは……!」
声を震わせて制止を求めても、すちは楽しげに笑い、執拗に吸い上げる。
敏感な場所に近い肌が赤く染まり、じんわりと熱が広がっていく。
「ここにも俺の印、つけておかないと」
甘く、けれど支配するような声音。
みことは声にならない声を洩らし、腕で顔を隠すが、全身に広がる熱は誤魔化せなかった。
「全部、俺だけのものにしたい」
すちの言葉に、羞恥と甘美な痺れが混ざり合い、みことは抗えずに身を委ねてしまった。
ベッドの上、みことを組み敷いたまま、すちは低く問いかけた。
「みこちゃんは誰のもの?誰にどうされたい? 」
問い詰めるような眼差しに、みことの胸が大きく揺れる。
震える声で、それでも真っ直ぐに答えを返した。
「……おれは……すちのもの……。だから、すちに……めちゃくちゃにされたい……」
涙を含んだような声。
けれどその瞳は、羞恥と同時に、どうしようもない期待の光を宿していた。
「……っ、みこと」
堪えるように名を呼ぶすちに、みことはゆっくりと身体を傾け、自らをさらけ出すような姿勢をとる。
隠すどころか、すちのために恥ずかしい仕草を見せるその姿は、懇願にも似ていた。
「ほら……ちゃんと見て……。おれ、すちのために……」
その無垢で残酷な誘惑に、すちの理性がかすかに軋む。
次の瞬間、みことの身体を強く抱き寄せ、熱を込めた口づけで返した。
「……もう止められないや……壊れるまで俺のものにするから」
みことの言葉に最後の理性を手放したすちは、ためらいなく深く踏み込んだ。
その瞬間――
「……っあぁ……!」
みことは背を大きく反らし、声を押し殺すように泣き出す。
身体の奥まで一気に満たされる圧迫感に、全身が熱で痺れたように震えた。
「みこと……っ、すごい……離してくれないね……」
すちは荒い息を吐きながら呻く。
みことの内側は強くすちを捕らえ、ぎゅうぎゅうと絡みつくように締め付けていた。
逃がすまいとするかのように、その熱がすちの全てを飲み込んで離さない。
「……っ、そんなに欲しかったの?……かわいすぎるだろ……」
耳元で囁かれ、みことの目尻に熱い涙が滲む。
けれど視線は期待に濡れていて、さらなる熱を乞うているのが明らかだった。
すちの腰が大きく打ち込まれるたび、ベッドが軋む音が部屋に響いた。
「やっ……ぁ、っ、すち……! もう……むり……っ!」
みことは涙を滲ませ、声を張り上げる。
けれどその必死な拒みの裏に、甘美な快楽に押し流されている響きが混じっていた。
「無理じゃないでしょ……だってほら、奥で俺を掴んで、離してくれないよ」
すちの低い声が耳元をなぞり、次の瞬間さらに深く打ち込まれる。
「――っあぁぁ……!」
みことは喉の奥から叫び声を洩らし、背を大きく反らせた。
中はぎゅうぎゅうと締め付け、強い衝撃を受けるたびに震えが走る。
「かわいい声、もっと聞かせて」
そう言ってすちは速度を緩めることなく、むしろ激しさを増していく。
涙で濡れたみことの頬。すちは執拗に口づけで塞ぎ、泣き叫ぶ声さえも飲み込んでいった。
やがて、声にならない叫びと、痙攣するほどの熱に包まれて、みことはすちの腕の中で蕩けていった――。
すちの激しい動きに翻弄され、みことの声はもうまともな言葉を形作れなかった。
「っ……あ、ぁぁ……っ♡ す、ち……っ、あぁ……!」
涙で濡れた瞳は焦点を失い、口元は熱に溶かされたようにだらしなく開かれている。
必死に堪えようとした理性はすでに壊され、声も表情も、すちに乱されるままにさらけ出していた。
「……かわいい……完全に俺に溺れてる顔だ」
すちが熱を帯びた声で囁くと、みことは小さく首を振りながらも、期待に縋るように彼を見上げる。
「も……う、だめ……っ、でも……まだ……っ」
理性を失ったその表情――頬は真っ赤に染まり、涙と汗で濡れて、甘く蕩けきっている。
まさに、すちだけにしか見せられない顔だった。
みことの瞳はとろんと濁り、息も荒く、すでに限界を超えているように見えた。
それでもすちは緩めることなく、むしろ笑みを浮かべながら腰を深く打ち込む。
「……もう壊れそうなのに、まだこんなに俺を締め付けて……」
その声に、みことは涙で濡れた顔を振り乱し、言葉にならない声をあげた。
「ひぁ……っ♡ あ、ああぁ……っ♡」
甘く掠れた声は、もはや懇願なのか快楽なのか区別できない。
身体は痙攣するように震え、何度も何度も限界を超えているのに――すちの動きは容赦なく続く。
「俺がいないとしか生きられなくなって?」
耳元で囁かれ、みことの瞳は涙で揺れながらも、かすかに期待に似た光を宿していた。
「あ……すち……っ、も、もぉ……むり……なのに……っ♡」
快楽に押し流され、言葉の端々が甘く蕩けている。
全身をすちに支配され、何度も追い打ちをかけられた。
すちの容赦ない衝撃に、みことの身体はもう限界を超えていた。
涙と汗で濡れた顔を振り乱し、声を張り上げる。
「あ゙っ……! や゙ぁぁっ……! も゙っ……むりぃ……っ♡」
嗚咽と快楽が混じった声は掠れて、甘い叫びに変わっていく。
それでもすちは止めない。むしろその壊れかけの声に支配欲を煽られ、さらに深く打ち込む。
「まだ言える……? みことは誰のもの?」
「お゙れ゙……っ、お゙れ゙はっ……すぢ゙のも゙の゙ぉ……っ♡ も゙っど……めちゃくちゃにしてぇ……っ♡」
必死に言葉を紡ぎながら、みことの瞳は焦点を失い、意識は蕩けていく。
それでも奥は強く締め付け、すちを離そうとはしない。
「……いい子。泣き声も、壊れた顔も……全部、俺だけに見せろ」
「びぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙っ……! すぢ゙っ……すぢ゙ぃぃ……っ♡」
快楽に呑み込まれ、みことはもはや泣き笑いのような顔で声を上げ続ける。
その甘く壊れた響きが、夜の部屋をいつまでも満たしていた――。
みことの声はもはや途切れ途切れで、涙と汗に濡れた顔は熱で赤く染まっていた。
身体の震えは止まらず、意識も徐々に霞んでいく。
「……みこと、起きて?」
すちは低く囁きながら、ぎゅっと抱きしめる。
全身で押し付けるように抱き締めるその力強さに、みことは逃げることも、耐えることもできなかった。
「あ゙っ……すぢ゙……っ……も゙う……っ、あ゙ぁ゙……っ♡」
途切れる声がすちの胸に吸い込まれ、鼓動に混ざる。
すちは優しくも強く、みことの身体を支え、熱に蕩けきった瞳を見下ろす。
「もう俺から離れられない? 全部、俺のもの?」
みことは涙を流しながらも、放心した表情で頷く。
震える手で胸に抱きつき、息を整えようとするけれど、まだ身体の奥は熱く、痙攣するように余韻が残っていた。
「……すぢ……っ……おれ……っ……もう……っ、あ゙ぁ゙……♡」
声がかすれ、甘く震えながらも、すちに全てを委ねる覚悟が瞳に宿る。
すちはそのままみことをぎゅっと抱きしめ、静かに揺れながら安心させる。
身体は壊れかけていても、心はすちの腕の中で守られ、温かく満たされていた――。
朝の光がカーテンの隙間から差し込み、白いシーツをやわらかく照らしていた。
目を覚ましたすちは、腕の中で眠るみことを見下ろした。
昨夜まで女の姿だったみことは、いつの間にか男の姿に戻っている。
細い指先や滑らかな肌の感触はそのままに、どこか頼もしい雰囲気を取り戻していた。
すちは小さく息を呑み、手を止める。
(……無理、させちゃったかな)
胸の奥がちくりと痛んだ。
けれど眠るみことの表情は穏やかで、長いまつげの影にかすかな安堵が見える。
その顔を見て、すちはもう一度そっと抱き寄せた。
「……ごめんね。でももう離せない……」
みことの髪に指を滑らせ、そっと頬に触れる。
その言葉は静かな朝に溶け、二人のあいだに残るぬくもりだけが確かに息づいていた。
コメント
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「家族になりたい」の方はみこちゃんのこと大好きなすっちーも『大事にしたい』って言ってなかなか手出さないのにこの物語のすっちーはめっっっっちゃみこちゃんの事大好きなのは変わらないけどバチバチに手出しててそこも尊い👍