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成田先輩と夕日先輩が現場復帰した。
「成田先輩!あの後、大丈夫でしたか?」
「…大丈夫。お前たちも…その、大丈夫か?」
「体調とか、精神面も、辛かったら休んでいいのよ。」
「大丈夫です。」
表では大丈夫と言い続けるが、実際のところ大丈夫ではない。
あの後。
聖は大号泣。俺もしばらく行動不能だった。
しかし、話を聞くため、確かめるためにも二人を探し出す。
そう、誓った。
「皆さん、今いいですか?」
いきなり夕日先輩らが捜査本部員を集合させた。
「何があったんだ。いきなり集めるなんて」
「実は報告があって参りました。」
「これを見て欲しい。これはa地区の防犯カメラ映像なんだけど…」
その映像には先輩らを襲う誰かが映っていた。
「…ちょっとそこ止めて。」
この紫の眼って…
「_樹月…」
「話を続けます。我々が襲われた時、正直なところ殺されないと思いました。
攻撃は来るのですが、急所は外す。傷も浅いんです。顔はそれなりに深いですが…。」
「つまり、彼らに殺す意思はなかったと?」
「はい。」
「…待って、この髪色、彩月じゃ…」
「この二人は彩月さんと樹月さんの可能性がある…いやほぼ確定だと思います。」
「そんな…じゃ、じゃあ彩月と樹月は殺し屋ってことですか?なんで、なんで、なんでだよ!」
聖、落ち着け…
言葉は出なかった。絶望しかない。
なんで、人を殺した?なんで、助けを求めてない?
「あの、一ついいですか?この二人、たぶん九尾殺人の実行犯には間違いないですが、実際ころしているのはこの二人ではないですよ。」
「…どうゆうこと…ですか…?」
「この二人は刃物しか持っていません。しかし、殺害された警察官は全員銃殺されている。つまり、この二人に犯行は不可能なんです。」
「後、あの手紙の他に、もう一つ、ポケットに入っていたんです。」
そう言って先輩が出したのは住所と[犯人は妖]と書かれている紙。
「犯人は妖?」
「この住所の場所、どこか調べて。」
僕は、二人を探し出す。その為に刑事になった。
なのにどうして…なんで、なんで、なんで!
「_い…せ…聖!」
「仁?何?」
「二人に聞こう。なんで加担しているのかを。もしかしたら脅されているのかも。」
そうだ。その可能性を忘れていた。
「住所、出ました。ここは、バー?」
「ここ、近いですね、かなり。」
「でも、ここがなんなんだ?こんな小さいバーが基地な訳あるまいし…。」
バーの名前は〈night monster〉。直訳すると「夜の化け物」。
なんなんだ?何を伝えたいんだ。
「…聖、仁。潜入調査行ってくれないか?」
「…」
「ここはもしかしたら彩月ちゃんと樹月くんが話したいことがあるのかもしれない。その場合、君らが適任だろ?」
「分かりました。」
「了解です」
待ってて。必ず、助けるから。
『通信環境は大丈夫か?』
「はい。音質悪いけどそんなこと言ってらんないんで。」
『じゃあ、頼んだ。』
二人がいるかもしれない。いなくても何か掴めるかも。
「いらっしゃい…。あら、見ない顔。なかなか可愛い顔してるねぇ♡」
「そうですかw?どこにもいると思いますけど〜」
仁は上手いな、こう言う潜入捜査。
「今日はどうしたの〜?ってか何飲む?」
「うーん?どうする?」
「え〜、俺酒弱いの知ってるよなお前w」
まあ、嘘だけど。
なんなら飲む方だと思う。
「wまあ、じゃあオススメちょーだい、おねーさん♡」
出た。仁の営業スマイル。世の中の女性が大体堕ちるような可愛い笑顔。これがまた面白い。
「まあ、ほんとに可愛い子!食べちゃいたいくらい」
そう言いながらマスター?オーナー?みたいな人がカクテルを出した。
「これはね、シャンディ・ガフというのよ。私のイチオシ!」
「ありがとう、ねーさん」
あんまり酒は好きじゃない仁はめっちゃ話している。
店内を見回してみる。
一見、普通のバーに見える。でも、二人がここの住所を指定した。
絶対、何かある。
「貴方たち、名前は?」
「俺はね、“樹(じゅり)”ってんだ!」
「僕、彩(いろ)」
「ヘェ〜!珍しい名前してるのね。私はねぇ〈猫叉(ねこまた)よ。そっちに座ってるのが…」
「〈鎌鼬(かまいたち)〉だ。」
…妖っていうのはこのことか。いや、それだけで?
「カッコいい名前だね!ところでさ、“九尾”って奴いないの?
「…あぁ。九尾は双子だよ。」
「双子?」
「嗚呼!珍しいだろう。顔はそっくりだよ。髪色とかは全然違うけど。」
「どんな見た目?」
「お!少年、興味あんのか?教えてやるよ。男の方は茶髪に紫メッシュの紫眼。女の方は銀髪に青メッシュの碧眼だ。二人ともめっちゃ綺麗で儚いんだ!で、かなり飲む。」
「…そーなんだー!」
出た、情報。その二人はおそらく樹月と彩月。
早く教えないと。
「樹くん、彩くん、二人とも気に入った!今度、ここおいでよ!この紙の住所に来てよ。いいこと教えてあげる♡」
「どーする?」
「せっかくだし行かせてもらうよ。」
「じゃあ、次の土日にいらっしゃい♡」
「わかった!」
「じゃあ、またね、猫姉さん、いたち兄さん。」
[また、いらっしゃい…]
「戻りました。話は聞こえましたよね。」
「ああ。聞こえていた。特徴は当てはまっていたな。で、問題は…。。」
「俺たちが気に入られてしまったこと…ですよね…」
「そこだよなぁ…。しかも、〈わかった!〉って…」
「お前何やってくれてるんだ…!なあ、仁…」
「ひぃ…wごめんなさいw」
絶対、反省してないな。
にしても、なんでここまで気に入られてしまったんだ?
「どうしますか?この住所、かなり遠いんですが。しかも山中。怪しすぎやしませんか?」
「…後、出されたカクテル、意味が、“無駄なこと”という意味で…」
つまり、戦線布告ということか…
「どうします?」
別にあの山中に行ってもいいんだけど…
罠だった場合、僕らが危ない目に遭う可能性が高い。
最悪、死ぬ。
「明日、一度その山中に行ってみようか。1機動で行ってみる。」
「…分かりました。お願いします。」
「危険がないと判断したら土日に行ってもらう。」
「分かりました。」
次の日、1機動の本部長と副本部長は山中に行った。
そして、10時間後a都内の路地裏で意識不明の状態で発見された。
顔には狐模様が書かれていた。
しかし、斬られた様子も何もなく、ただ気絶させられていた。
「本部長!大丈夫でしたか?」
「…なんとかな。あの場所で起きたこと。伝えるな。」
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あの場所は、とても開けていた。何か騒ぎを起こせば一発でバレてしまうようなそんな場所。
かなり警戒しながら進んだ。
突然、声が上から降ってきた。
「誰?猫又の関係者?俺らを追ってきたの?それとも、警察?」
「馬鹿!声かけたら駄目だと“鬼神様”が言っていただろう。」
女にしては低い声と男にしたら高い声だった。
姿を見ようと思った。けどその前に気絶させられちゃって、姿はわからなかった。
けど、最後に二人は[聖、仁、ごめん…]って言ってた。
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「…で、目が覚めたら救急車だった。」
「そうですか…。声が低いは確かに彩月も低かった。でも、樹月って声高かったか?」
「分からない。声変わりが起きていないなら、あの日の声のままだ。」
「だとしたら高いか。」
二人が襲ったの…。
でも、何のために…
その時、ノック音が聞こえた。
「失礼します。本部長、あなたの服から、こんな物が…」
「なんだ、これは。」
それは耳飾りのようだった。
「それ、見せて。」
仁は機械に詳しい。だからかすぐ気づいた。
「これ、飾りの部分開く。」
「開けてみろ。」
開けて出てきたのはマイクロチップのようなものだった。
「…なんだ,これ」