第2話[憧れ]
彼を見た時俺は社会人一年目だっただろう。
何となくYouTubeを見れば彼が喋っていて…それがかっこよくてとてつもなく楽しそうで…
いつか俺もこうなりたい
そう思うようになっていた。
「初めまして、ショッピと申します。」
「「…」」
全員の沈黙の中、俺は名前を述べた。
そこには紫の影なんてなかった。
そこにあると思っていたそれを求めていた。のに期待が憧れが全てぐちゃぐちゃにされて…
「ははっ…」
口から出たのは自分に向けた嘲笑いだ。
「おい、ショッピ〜!!お前は昔暗いやつだっただろ!」
「ぎゃー!嫌だ!俺は光に目覚めたんや!」
「おい!」
後ろから笑う先輩が追ってくる。
その先輩が理想じゃなくても先輩である。
あれから3年程、彼に変わって紫を背負った。
最初は批判もあったがだんだん兄さんが忘れられていって、紫と言えば、兄さんという常識がごちゃごちゃになった。
[紫ってショッピ君に合ってるよね〜!]
[ショートピースだもんね笑]
そんなコメントをみる度にこいつらが何を言いたいのか分からなくて。
思わず
「何言ってんだ」
と、口から零れ落ちる事もしばしば。
あぁ、会ってみたかったな。
「はぁ、編集めんどくさそ」
この言葉もカットされるだろうけど。
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