この「クム」がなければ、このゲームは何もできない。
このゲームは「クム」によって成り立っている。
「クム」さえあれば、このゲームは何でもできる。「クム」の種類によって、できることも違う。
「俺は今、仮想現実の世界に居るんだ」
「あぁ、そうだろうな」
「ゲームの中に入り込んでしまったんだ」
「そうだな」
「夢のような世界だ」
「あぁ、そうだろうよ」
「でも、ここは仮想現実世界なんだ」
「はいはい」
「ゲームを起動すれば、いつでもどこでもゲームができるんだ」
「そりゃすごい」
「俺の理想郷だ」
「よかったね」
「でも、お金がないんだ」
「は?」
「お金が無いんだよ!お金が無いんだ!!」
「……で?」
「お金が無ければ、何も買えないだろ?」
「……で?」
「だから俺は困っているんだよ!」
「は?」
「金が要るんだ」
「……で?」
「だから金をくれ」と私は言ってみたが、 どうせ無駄だろうとも思った。
しかし……意外にも彼女は言う。彼女の答えは……こうだ。お金が欲しけりゃくれてやるぜ……
ただし!俺たちに勝てたらな……
私たちが挑戦するゲームのジャンルは、格闘ゲームです。
このゲームの難易度は非常に高く、初心者は簡単に負けてしまいます。
私もこのゲームのオンライン対戦に参加したことがあるのですが、その時に対戦した人は私よりずっと強かったのですが、彼は私に負けました。このゲームのプレイヤーは皆、腕利きばかりです。
だから私は、このゲームで勝負をするのはあまり好きではありません。
ゲームを遊んでいても面白くないし、ゲームに勝ったところで何の達成感も得られません。
ただの暇つぶしにしかならないし、それに……私の場合は特に……他の人に比べて実力差があるし……私としては、あまりやりたくないんだけど……まぁ……仕方ないか……私は、ゲームを遊びたい気持ちを抑えて、ゲームの準備を始めました。